国際交流プログラム 〜「また、来年!」〜

「体操の父」と呼ばれるF・L・ヤーン(Friedrich Ludwig Jahn)の母国、ドイツのMTV Ludwigsburgが来日し、慶應義塾器械体操部との国際交流事業が5月26日から5月29日に開催されました。

来年(2027年)に、創部125周年を迎える慶應義塾器械体操部。本プロジェクトは、体操のルーツであるドイツの体操文化を肌で感じ、これからの部を牽引する人材を育成することを目的に計画されました。

ドイツにおいて、体操は単なる「競技スポーツ」の枠に留まりません。それは長い歴史を持つ文化的伝統であり、地域社会のスポーツクラブ文化と深く結びついています。その根底にあるのは、「共同体」「責任」「長期的育成」という3つの思想であり、実際にMTV Ludwigsburgでは、ジュニア世代だけでなく、50歳から100歳までのシニア会員がそれぞれの体力に合わせて体操を楽しんでいるとのことです。

ドイツのクラブ制度は「競技スポーツ」と「生涯スポーツ」を両立し、異なる世代を結びつけながら、持続可能なコミュニティを形成する極めて重要な役割を果たしています。

このドイツの思想は、器械体操部が大切にしてきた特色とも強く共鳴します。器械体操部では、毎週末になると多くのOB・OGが蝮谷(まむしだに)体育館を訪れ、後輩の指導にあたったり、自ら身体を動かしたりしています。幼稚舎生から大学生、そしてシニアのOBまでが一つの場所に集うこの環境は、まさに「蝮谷体育館をハブとした塾員のコミュニティ」です。世代を超えて繋がり、支え合うこの関わり方は、まさにドイツのスポーツシステムに通じるものがあると感じました。

今回の交流期間中、MTV Ludwigsburgの選手や指導者たちは、器械体操部の練習開始時の集合(円陣)や、準備体操、トレーニングなどに積極的に参加し、日本や慶應が培ってきた体操文化を真摯に学ぼうとする姿勢が印象的でした。そして、合同練習や茶会、講演会、レセプションなどのプログラムが行われ、双方にとって本当に充実した国際交流となりました。

日本の部活動が、地域移行など大きな変革を迫られている現状において、今回のプロジェクトは、我々の今後の活動への大きなヒントを与えてくれた気がします。歴史に裏付けられたドイツの知恵と、慶應の伝統。これらを融合させながら、これからの時代に求められるスポーツコミュニティのあり方を模索していきたいと思います。

また、今回の国際交流では、日本とドイツにおけるスポーツに対する思想やシステムの違い、そして違いがあるからこそ得られる大いなる学びを実感しました。同時に、部員たちの目覚ましい成長を感じることができた、貴重なプロジェクトとなりました。

最後に、来年3月にドイツで、慶應義塾器械体操部とMTV Ludwigsburgとの対抗戦および国際交流の開催が決定しました。

「また、来年!」

これが我々の合言葉となりました。