できないことを受け入れる

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、薬学部薬学科2年の千秋美怜です。

春学期も後半に差し掛かり、ついに半袖の季節がやってまいりました。夏といえば、涼むためにプールに入りたくなる季節です。しかし、私がプールに入りたいと思うことは絶対にありません。なぜなら、泳げないからです。いわゆるカナヅチというやつです。私はバタ足で息継ぎができたことも、10メートル以上泳げたことも、人生で1度もありません。

泳げない理由は、水への恐怖心にあります。水に入ると怖くて体に力が入り、そのせいで沈んでしまいます。そして沈むことでさらに怖くなり、ますます体が硬直してしまうという負のループに陥ってしまうのです。かつて、友人5人がかりで私を浮かせようとしてくれたことがありましたが、体があまりに緊張しており、手を離された瞬間にブクブクと沈んでしまいました。これ以来、私は水に浮くことを完全に諦めました。

高校のプールの授業でも、私はおそらく学年で1番泳ぐ能力がない生徒でした。先生からクラスで唯一、ビート板の使用を許可されたレベルです。そんな己の醜態を晒すだけの授業時間でしたが、私にとってトラウマにはならず、むしろ温かく楽しい思い出として残っています。これは、友人たちの存在があったからです。私が溺れないようにビート板を引っ張って先導してくれたり、見捨てることなくずっと応援してくれたりしました。自由時間には、深い場所までおんぶして連れて行ってくれたこともありました。何より嬉しかったのは、泳げないことを馬鹿にされなかったことだけでなく、センシティブなこととして扱わずに浮き方を教えてくれたり、変に気を遣わずに接してくれたことです。自然体で接してくれた友人たちの優しさに、私は救われました。

できないことは、決して恥ずかしいことではない。この言葉は私にとって、頭で理解することはできても、事実として受け入れるのには少し時間がかかる言葉です。何事においても、できないよりはできた方が見栄えが良いですし、周囲からも認めてもらえるのではないかとつい考えてしまう癖が抜けないからです。しかし、この体験のおかげで、本気で挑戦すれば周りも優しく応えてくれるということを学びました。大学で器械体操部に入部してからは、部員のチャレンジを見届ける日々の連続です。小さなチャレンジも、大きなチャレンジも、優しく寄り添って応援できる存在であれるよう努力したいと思います。

拙い文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。