恩返し

こんにちは、本日のリレー日記を担当させていただきます、法学部政治学科3年の釜屋有輝と申します。

先日、全日本インカレが終了いたしました。数多くの声援、本当にありがとうございました。興奮が覚めぬうちに、本大会のハイライトをここに綴ろうと思います。

跳馬スタート。地鳴りのような声援とともに試合が始まりました。いつもより速く走れる感覚から成功のイメージしかありませんでしたが、結果は大きく前に一歩。ラインも割りました。「普段の練習ならこけてたなぁ」などと思いつつ、それでも視野だけは狭くならないよう、残り4人の応援に徹しました。

2種目め、平行棒。跳馬で上手く流れに乗れなかった私にとって、キーになる種目でした。私の演技構成はぶら下がり系の技が多く含まれているので、「流れ」と「手づらし」の二つだけ反芻させて臨みました。最後の着地を止めた瞬間、前にいた久永先生が手を高々と上げる姿が見え、ここでやっと試合の楽しさを思い出せたような気がしました。

3種目め、鉄棒。この種目が個人的には一番の山場と言って良かったかもしれません。開脚トカチェフをきちんと持つことができるかどうかに全てがかかっていましたが、平行棒で上手く流れに乗れたこともあり、強い気持ちで演技に臨むことができました。また、平行棒に引き続き着地を止めることができ、試合の流れを一気に引き寄せました。

4種目め、ゆか。ここは抑える種目として位置付けていました。目標は5節中3節は着地を止める。しかし、1節目のシリーズで蹴りが抜けてしまい、本来の演技構成とは異なる形となってしまいました。正直、とても動揺しましたが、その後はいつも通りの演技を行うことができました。

5種目め、あん馬。私たちはこの種目にいつも苦しめられてきました。まさに一番の勝負所です。もちろん緊張はしましたが、最もチームの中で重点を置いて練習してきた種目でもあったので、いつも通りの演技は行えたのではないかと思います。終末技で肩が前に出すぎるのもある意味いつも通りでしたが、ここで点数を落とさず繋ぎ切ったことで「勝てる」と、そう思えた瞬間でもありました。

最終種目、つり輪。いつもはヘロヘロになりながら残り少ない体力を振り絞っていましたが、この時は体全身に力が入るような、そんな感覚がありました。力技や倒立の静止時間やキメ、細部までこだわって演技しました。苦手な前向き着地のサルトハーフも一歩で収め、歓声とガッツポーズをするメンバーの姿が目に入り、「やりきった」という安堵から涙がこみ上げてきました。

思い返せば1年前、腰のヘルニアを発症してから多くの人たちに迷惑をかけてきました。それでも周囲には支えてくれる人たちばかりで、これは結果で恩返しするしかないと心に決め、自分なりに試行錯誤しながらこの1年間を過ごしてきました。それが今、2部準優勝という形で結果として現れたことですべてが報われた気がしました。ただ、この結果に100%満足できたわけではありません。ここまで取り組んできたことを決して無駄にしないよう、来年の2部優勝という目標に向けて精進して参ります。

拙い文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。