碧が落ちる

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、商学部3年の浦口優です。

新学期となり、現在私は三田でのキャンパスライフを送っています。私個人としてはゼミが始まったことで、学業の面でも今までとは比にならないほどに忙しくなりました。
そんな今だからこそ、自分の中でプライオリティをしっかりと確立し、常に合理化しようとすることを忘れず日々を過ごしていきたいと思います。

私ごとですが、先日の全日本種目別選手権に出場するためのビデオ審査に挑戦しました。
結果としては、0.067という着地1歩の減点にも満たない、わずかな点数で及ばず出場は叶いませんでした。しかし、そこから手応えと経験を確実に得ることができたのでそれについてお話ししようと思います。

まず、以前に書いたことがありますが、私は技をなかなかかけられない節があります。床に関しては、1節目のルドルフ(後方二回宙返り2回ひねり)が今回ビデオを撮るに当たり、最初の関門でした。
そもそも何度も技をかけることができない状況で、完璧な実施をしないと種目別選手権への出場は叶わない。そこで、「1本で決めきる」というのを今回のテーマに設定しました。
毎日、一本のルドルフをかけるために精神統一する日々。正直に言えば、精神的負担は結構大きく、毎日毎日起きた時から何時間もかけて覚悟を決める生活を送っていました。そんな状況の中、ウォーミングアップでどれだけ自分をコントロールできるかという点にこだわるようになりました。練習中の雰囲気作りやコミュニケーションの重要さは重々承知しているのですが、アップの時間だけは自分の世界に閉じこもり、集中し続けることに注力しました。

毎日同じ動きを繰り返す中で、ひたすらに自分の身体に神経を研ぎ澄ませ、全身に段々と神経が伝わっていく感覚を探す日々。血潮が血管を、全身をめぐる如く体の中心から末端にかけて知覚が鋭利さを帯びていく。耳朶を打つのは自身が息を吸い、吐く音のみ。視界に意識は割かず、外界とは完全に切り離されたただ一人だけの世界を形成する。

そんな極限状態を毎日作り出した甲斐もあって、直接的な結果にはつながらなかったものの、経験として確かな手応えを得ることができました。わかりやすいところでは、どんな状況でも床だけはまとまった演技ができるようになり、少しずつ自信も持てるようになってきました。

春先にここまで、一つの演技に向き合えたのは初めての経験です。辛酸ばかり舐めてきた体操人生ですが、今年こそ何かが変わる気がしています。スタートダッシュを比較的うまく切れた今、夏の全日本インカレまで猶猶加速しながら走り抜けていきたいと思います。

拙い文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。