令和6年度神奈川県体操競技選手権大会 兼 国民スポーツ大会(旧 国民体育大会)神奈川県予選会 観戦記

2024年5月4日(土)、神奈川県立スポーツセンター アリーナ2にて行われました、令和6年度神奈川県体操競技選手権大会 兼 国民スポーツ大会(旧 国民体育大会)神奈川県予選会の観戦記をご報告いたします。関係者の皆様は、OBOGのページから動画も見られますので、ぜひそちらと併せてご覧になってください。

伊保内啓佑(法政4)

1種目め…平行棒
最初の棒下支持の持ち替え時の肘の曲がりはあったが、ひとつひとつの技の倒立への収めはかなり良かった。最後まで落ち着きが見え、終末技も止めることができた。今後はDスコア向上に向け新たな技に挑戦していきたい。

2種目め…鉄棒
2回の離れ技の精度は上がってきており、いい位置でバーをつかめていた。演技全体の流れは良かったが、グループ3での角度が悪く減点が増えてしまった。これらの技は差がつきやすいところであるため、早急に改善すべきであると感じた。

3種目め…ゆか
1節目を前方抱え込み2回宙返りに変更した演技を実施した。2節目は1回ひねりから2回半ひねりを行う予定であったが、2回目の蹴りが合わず急遽2回ひねりに変更した。ひねり系シリーズは蹴り合わせの面で課題があるように思える。

4種目め…あん馬
ロスを抜き、安定度を重視した演技を行った。最後まで慌てることがなく、落ち着いていたように見える。しかし細かな旋回での足のすりが多く、Eスコアが伸びなかったように感じる。再度旋回の質を見直しつつ、技を増やしても通しきれるようにしていきたい。

5種目め…つり輪
試合の後半種目であり、疲労が見える中での実施であった。ジョナサンとヤマワキでの高さやスピード不足での減点が大きくなってしまったように見える。実施する人が多く比較されやすい技であるため、鉄棒と同じく早急の改善が必要であると感じた。

6種目め…跳馬
先週の試合ではラインオーバーをしてしまったため、足の振り上げ角度を意識した実施であったように見える。着き手の入ったよう演技であり、最後の着地まで纏めることができた。足の開きは課題であるが、今後はドリックスに向けての練習が急がれる。

 

浦口優(商4)

1種目め…平行棒
ぶら下がり系の車輪、モイ、ティッペルト全ての技で減点の少ない実施をすることができた。終末技の後方屈伸2回宙返りでは少し身体を早く開いてしまったが全体を通して安定していた演技であったと評価できる。シーズンでは支持系の技であるヒーリーを追加して演技の完成度を高めていきたい。

2種目め…鉄棒
1技目のコスミックで脚が棒にぶつかってしまいその後のエンドーも前に流れる形となってしまった。その他の技は安定感のあり実施をすることができ、終末技である後方伸身2回宙返り一回ひねりの着地も決めることができた。腰の痛みのためDスコアを落とした構成となっているため、東インカレでは新たな技を取り入れて点数を稼げる種目にしていきたい。

3種目め…ゆか
Dスコアを落とした演技構成であったが全6節の内、1節目の後方抱え込み2回宙返りと、2節目の後方2回半捻りから前方伸身宙返りの2節でラインオーバーをしてしまった。しかし実施としては高さのある良いものであったためその余裕を技の難度上げにつなげていけるよう練習を重ねていく。

4種目め…あん馬
1技目のセアー倒立でミスが出てしまったものの、演技後半で落ち着いてグループⅠを拾い最後まで通し切ることができた。次の試合に向けてまずはセアー倒立の完成度を高め、体力的にも余裕が出てきているため新技を取り入れた演技構成にも挑戦していく。

5種目め…つり輪
力技、スイング系共に落ち着いて実施することができた。特にヤマワキはスイングを合わせてスピード感のあるものができた。演技全体に余裕が出てきたため、終末技をD難度にしたり、新たにジョナサンを追加するなどしてDスコアを徐々に上げていきたい。

6種目め…跳馬
アカピアンを実施した。脚の振り上げと突き離しがしっかり噛み合い高さのある実施をすることができた。東インカレまで少し期間が空くためこの期間でドリッグスを試合で使うことのできるクオリティに仕上げていきたい。

 

釜屋有輝(法政3)

1種目め…平行棒
1種目めということで緊張感のある中でのスタートとなった。最初の翻転倒立で大きく倒立からの逸脱があったが、それ以降は落ち着いて演技し、着地まで止めることができた。東日本インカレも平行棒からのスタートということで今回のような落ち着いた演技を心がけていきたい。

2種目め…鉄棒
これまでに無いほどの良い実施を出すことができた。ポイントとしていた開脚トカチェフをベストポジションでキャッチすることができ、最後の着地も止めることができた。しかし、鉄棒は未だDスコアが低い為、夏に向けて新技の練習も並行して行っていきたい。

3種目め…ゆか
着地を5節中、4節止める会心の出来であった。しかし、アクロバット系の高さであったり、それ以外の捌きの部分であったりと改善の余地は沢山ある為、夏に向けて修正していきたい。

4種目め…あん馬
最後まで通しきることはできたものの、全体としてはかなり慌ただしい演技となってしまった。練習でもあまり失敗が無かった為、改めて試合で通し切ることの難しさを痛感した。しかし、崩れながらも通し切れたことは一つの成長として今後の糧にしていきたい。

5種目め..つり輪
演技前半は落ち着いて演技することができたが、着地で大きく乱れる形となってしまった。練習でも体が大きく開く形で着地姿勢に入ってしまっていた為、このような着地のミスに繋がってしまったと考えられる。一度、降りの形を見直す機会を作ることで今後に活かしていきたい。

6種目め…跳馬
アカピアンを実施した。最終種目ではあったが、それほど疲労は感じずに臨むことができた。しかし、着地は大きくラインを超えてしまい今大会を綺麗に締めくくることはできなかった。この技も一度基本に立ち返って見直す時間を作っていきたい。

 

黒沢星海(理3)

1種目め…平行棒
東グループでの反省を活かし、倒立姿勢での脱力をポイントに演技を行った。体の反応が良くアップの時点で乱れていた終末技の着地も、演技では落ち着いたスイングを意識することができたため小さな一歩にまとめられた。Eスコア8点台後半を残せるように倒立や着地を改善していきつつ、取り組んでいる技を構成に取り入れるべく、急ぎ努めたい。

2種目め…鉄棒
平行棒同様かなりリラックスして演技に臨むことができた。全体的にまとまった演技内容であったが、倒立のキメや膝つま先などまだまだEスコアに意識を向けていくことのできる課題があるため、引き続きベストを狙う通し練習を行っていきたい。

3種目め…ゆか
1節目の前方屈身2回宙返りで大きな一歩を出してしまいラインオーバーもあったが、その他は小さな1歩にまとめられた演技内容であった。Eスコアも8点台を狙っていける出来であるため、全節着地を狙っていけるように個々の技のクオリティを磨いていきたい。

4種目め…あん馬
新たにDコンバインを取り入れて臨んだが、Dフロップで詰まってしまい、その後のDコンバインで落下してしまった。下り技の安定感は練習の中でも出てきているので、細かい減点をカバーしつつ、Dスコア向上に努めていきたい。

5種目め…つり輪
全体的に丁寧な実施を行うことができた。全体的に振動系の技術が未熟であるため、集中的に取り組みEスコアの残る演技に仕上げていきながら、下り技へとその技術を応用して、Dスコアの向上にも努めていきたい。

6種目め…跳馬
やや大きな1歩であったが、軸ブレもなく落ち着いた跳躍にまとめることができた。雄大さや足割れが減点項目として未だ色濃く残ってしまうため、着地まで狙った丁寧な練習を行うと共に、アカピアンの実施を急ぎたい。

 

吉田一真(法法1)

1種目め…跳馬
カサマツを実施した。着地の際に片足のラインオーバーがあったものの、その他の減点箇所は比較的少なく抑えることができた。着手が跳馬の右側に寄ってしまうため、そこを改善して真っ直ぐに着地できるようにしたい。

2種目め…平行棒
演技前半のツイスト、特にディアミドフは落ち着いて丁寧に実施することができたが、終末技の屈伸ダブルで前に手を着いてしまった。着地の練習と同時に、下り技の前に実施するバクダンカットの完成度も上げて良い流れで演技を締めくくれるようにしたい。

3種目め…鉄棒
前半に実施したアドラー半分ひねりで前に戻ってしまい落下があった。試合で倒立を狙えるようにすることも大切だが、適度に流して落下が出ないように調整したい。その他の技の実施は良かったので、アドラー半分ひねりの完成度を上げ、安定して丁寧な演技を心がけたい。

4種目め…ゆか
2節目に実施した後方かかえこみ2回宙返りで早く開いてしまい、着地の際前に手を着いてしまった。落ち着いて演技できるようにしたい。1節目の前方伸身宙返り2回ひねりや終末技の後方伸身宙返り2回半ひねりは歪みも少なくなり良い実施ができたため、この調子で頑張っていきたい。

5種目め…あん馬
途中で手が攣ってしまい落下があったものの、その中で自分が出せる最大限の演技ができたのではないかと思う。落下からやり直しまでの30秒を過ぎてしまい減点があったため、様々なトラブルを想定して試合に臨みたい。

6種目め…吊り輪
鞍馬で手が攣ってしまった後の演技だったが、力技や倒立の姿勢も良くかなり丁寧に演技することができた。つり輪のDスコアはすぐには上げにくいため、終末技の後方伸身2回宙返りの腰折れを改善して着地まで減点の少ない演技を心掛けたい。

 

今大会は、メンバー全員が東グループの疲労があったものの、ミスを最小限に抑えることのできた大会であった。各自が冬場の通しこみの成果を大会本番で出せる機会が増えてきているのでこの経験を夏のシーズンでも生かしていけるようにしていきたい。

伊保内は、技を落とし6種目でミスがない演技を目標に試合に臨んだ。結果として75点近くを取ることができ、完成度が上がってきたと思える。全日本インカレに向け、さらにDスコアを上げつつ確実性も求め、チームの得点源となれるようにしていく。
浦口は、東日本グループに引き続き大きなミスなく演技をすることができた。腰の痛みによって全体的にDスコアを下げた構成であったため6種目をノーミスで通し切る確率がかなり高くなっている。ここで練習への熱量を途切れさせずにまずは腰をの痛みをなるべく早く取り、新たな技を取り入れた構成でもこのリズム感を忘れずにシーズンの試合に臨んで行きたい。
釜屋は、東日本グループからの連戦ということで疲労感はあったものの、終始粘り強く、耐える試合をすることができた。後半3種目は特に体力的に厳しい場面が多々あったが、そこで崩れず最後まで大過失なく試合を終えられたのもこの冬場でやってきたことの成果であると感じた。月末には東日本インカレが控えているので気持ちを緩めず、最高の状態で試合に臨めるようにしたい。
黒沢は、東グループ選手権から1週間という短いスパンの中で、反省点を洗い出し、冷静な試合運びをすることができた。安定して良い実施が出来ていることを自信にしつつ、最高の演技を狙って行けるようアグレッシブな心持ちで試合に望んで行けるようにしていきたい。同時に難度を上げないと点数が伸びていかないという限界点も見えつつあるため、技の練習にも貪欲に取り組んでいきたい。
吉田は、大学の試合が始まったばかりということで緊張や疲労があったものの、全体を通して粘り強さを見せることができた。演技中の失敗やハプニングはあったが気持ちを切らさず、その中でのベストを尽くすことが出来た。月末には東日本インカレがあるため、団体メンバー入りを目指して頑張っていきたい。

最後になりましたが、お忙しい中チームリーダーを務めていただきました山﨑広輝先輩(R3)、審判を務めていただきました佐野浩平先輩(R2)、ありがとうございました。また今大会には、塚田治夫会長(S47)、松平定紀先輩(S51)、加藤直之先輩(S56)、岡﨑隆誠監先輩(H6)、並び多くの保護者にご観戦いただきました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。


(記:釜屋有輝、黒沢星海、小田切伊織、吉田一真、黒沢瑛水)