Dragon Night

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、法学部法律学科4年の立花陽空です。

 

『人はそれぞれ正義があって、争い合うのは仕方ないのかも知れない。だけど僕の嫌いな彼も彼なりの理由があるとおもうんだ。』

初めはこんな綺麗な言葉だけを並べた表現を、受け入れることのできない自分がいました。

 

2019年4月、地元の仙台を離れたことがなかった15歳の少年が横浜市の学校に通うことになります。突然知らない世界に1人で飛び込み、ホームシックだった私を心よく受け入れてくれ、まるで実家のように感じることができたのが、慶應義塾体育会器械体操部でありました。私たち高校1年生をはじめから仲間として受け入れてくれ、たくさん笑い、時には怒られ、たくさん喜びを共有しあった先輩たちには本当に心から感謝しています。体育館には、今では想像ができないほどたくさんの部員がいて、毎日一人一人挨拶に行くことがすごく大変だったことを覚えています。当時の大学4年生と高校3年生の先輩方はすごく個性に溢れた方々が多く、体操がとても上手だったので、今でも1人ずつ得意だった技や演技構成を言えるくらいに当時の私は先輩たちの演技が大好きでした。高校3年生は、卒業と共にほぼ全員がこの体操部を離れることとなり、今後この方達と体操ができなくなることは悲しいという気持ちがすごく強かったことを鮮明に覚えております。

2020年4月、1つ学年が上がるとコロナ期間で地元の仙台で生活を送る日々が続きます。一人暮らしを1年続けていた私からすると、すごくそこでの生活は楽で、久しぶりのお母さんの料理や、気づいたら冷蔵庫にたくさんのスイーツを入れてくれるおばあちゃんの存在、お昼を買ってくると必ずご飯を大盛りにしてくるお父さんなど、何も昔と変わっていない姿にすごくほっとしました。しかしそんな生活を続けていく中で、何かあの体育館に戻ってみんなと体操がしたい、そんな気持ちが強くなっていきました。正直、その頃の自分は当たり前に体操が好きでしたが、それよりもみんなに会いたい気持ちが強かったことを覚えています。ほぼ自粛期間で終わってしまった高校2年生。何よりも大好きな高校3年生と公式試合に出場することができなかったことが最大の悔いで仕方がありません。OTPが2人、Future’sが5人もいて、体育館に行くと必ず誰かが話しかけに来てくれます。今でも試合の応援に来てくださる方もいます。本当に大好きです。

2021年4月、ついに高校ラストの年です。この時期は本当に必死に練習に取り組んだ記憶があります。インターハイ団体決勝進出。この目標を叶えることができたのも、昨年のコロナにより出場することができなかった悔しさ、チームのみんなの気持ちの強さがあってからこそ成し遂げられたと思います。本当にたくさんの人に支えられ、たくさんの愛をもらった3年間でした。

2022年4月、部活に行かなすぎたため、体のキレは落ち、体力を戻すことからスタートです。新しい仲間も増え、高校とは違う組織の運営や仕事があり、僕が通っていた体操部の裏ではこんなことが行われていたのだと、すごく新しい発見がたくさんありました。大学での生活はすごく充実しており、苦手だった数学からは距離をおき、新しい言語や法律の授業だけを学ぶという新鮮さを噛み締めながら、おしゃれをして通学するのは毎日が幸せでした。しかし、体操の成績はあまり伸びず、悔しい思いをたくさんしたので、本気でもう一度体操に向き合おうと心に決めました。

2023年4月、法曹コースの道を諦め、練習時間が確保できるような授業の組み方をしました。しかし、練習のしすぎや間違った体の使い方で体に負荷をかけてしまい、この時期から怪我が増えていきます。また、人間関係でも人生で初めてと言っていいほど上手くいかない時期がありました。大学生になると、ただ体操をするのではなく、部活を運営する上での仕事や役割などが増えていきます。それが原因によって、自分とは考え方や価値観が合わない人を、生理的に受け付けることができなくなってしまい、自分が好きだった体操部はこんな場所ではないと、本当にやめたかった時期がありました。高校の3年間で触れた人の温かさとのギャップが一番大きかったのかも知れません。そんな最中での、アキレス腱断裂でした。歩くこともできないいため、ずっと家の中にいました。久しぶりに体操部に行ったのは確か、部内戦の日だったと記憶しています。本当に行きたくはなかったですが、いざ体育館に足を踏み入れるとたくさんの部員が歩いている自分をサポートしてくれ、自分が1人でいると必ず声をかけに来てくれました。懇親会中も料理を私に運んでくれ、必ず僕を1人にさせないように、常に気にかけてくれました。その日をきっかけに階段の昇り降りもできるようになったので、以前のように部活に通い始めました。ひたすら低い吊り輪の下でリハビリをしていたため、以前よりはるかにたくさんの部員を客観視して観察するようになりました。この人はこんなことを考えていて、その考えに至るまでにこんなプロセスを踏んでいたんだ。この人は少し言葉が強いかも知れないけど、少し不器用なだけで、誰よりも部員のことを考えているんだ。この期間で、すごく部員のことを知る機会となりました。当時の自分は、体操のことで頭がいっぱいだったために、自分とは違う価値観や考えに関しては、それに至るまでの背景を考えずに、その人と距離を置いていました。特に当時の大学4年生は、約2年間トップとして沢山の仕事を抱えながらも、部活を良くしていこうと考えて下さっていただいたにも関わらず、未熟な僕たちが沢山の迷惑をかけてしまったと心から反省しています。そんな大好きな先輩たちともう一度試合に出場したいと、必死にリハビリに取り組みました。

2024年8月、そして迎えた6種目復帰戦である全日本インカレ。今までの体操人生で最も心が震え上がった瞬間でした。しかし、悔しくも一部昇格の目標は達成できなかったため、僕たちの代で必ず叶えると心に決めました。集合での主将の言葉は本当に心に響きましたし、この団体メンバーの一員として試合に出場できたことが本当に人生の宝物です。代交代が行われ、123代目主将として活動することになります。僕が6年間、過ごしてきたこの大好きな体操部の雰囲気を必ず継承したい、その思いが強く立候補しました。自分の代はそれぞれのコミュニティで信頼がおけるトップがいるので、僕は本当にたくさん自由に好きなことをさせてもらっていたような気がします。トップとして過ごしていく中で、部の問題の中で常に人間関係は外せないものでした。一時期の僕のようになってしまう子が多く、どうしたらみんな視野を大きく持てるか悩みました。しかし当時の僕も、別に間違っていることはしていなく、何が正解で間違っているのかという答えがない問題であったため、尚更難しかったです。でもこの問題は部活だけではなく、今後社会に出ても避けては通れない問題であるため、学生生活でこんなにもたくさん悩んで過ごした日々は、決して無駄ではなかったと思います。

2025年4月、ついに大学ラストイヤーが始まります。本当に体操部に懸けたかったため、プライベートは捨てました。徐々に部員との信頼関係も以前よりも強くなったと感じるようになり、体操の成績も部として上がっていきました。やはり体操という競技は1人で演技するものの、チームメイト、コーチ、マネージャー、応援席との信頼関係というのは大きく影響してくるんだと実感しました。そしてついに迎えた全日本インカレ。一部昇格。嬉しいという感情を超えて虚無になったことを覚えております。試合後の集合では、まだ一部昇格も決まっていない段階でしたし、昨年の主将みたいにかっこいいことは当たり前に言えるような性格でもないため、今大会を振り返って締めようと考えていました。しかしいざ、集合でみんなと顔を合わせてみると何故か涙が止まりませんでした。その時は何で泣いてしまったか、泣くのはせめて送別会だけにしたいと思っていたので、何故か1人だけ急に泣き出したみたいで、すごく恥ずかしかったです。しかし今、日記を書いて振り返ってみると、自分が下級生の時は、自分の成績のことだけしか考えていなく、たくさん反抗していた申し訳ない気持ち。それと、そんな自分みたいに後輩にはなって欲しくないと1年頑張った結果、特に部員は反抗もせず、慶應義塾体育会器械体操部全員が一つとなって青森武道館で輝くことができた。この2つの想いがみんなの顔を見て溢れてきたのかなと思います。今後、OBになって試合等にいく機会があれば、100歳までこの話を自慢話としていきたいですね。

さて、冒頭の歌詞の話に戻りますが…。最近ふと、聴いた曲のワンフレーズが、僕がこの慶應義塾体育会器械体操部で過ごした7年間、特に人間関係の境遇とすごく似ていたので、初めに書かせていただきました。こんなに長くリレー日記を書く人はいないと思いますが、本当にこれで最後なので、後輩にメッセージを残させていただきます。

 

翔大。ツンデレポーカーフェイスちゃん。本当にトランポリン、同期が大好きなことが最近の練習を見ていて伝わってくる。翔大の心の中にある青い炎をいつまでも灯し続けてね。美友。少年ジャンプのヒロイン。美友の周りには常に誰かがいて、その明るさがきっとこの先、みんなのことをたくさん救うことになると思うよ。時には誰かを頼ってね。愛和。これでえなって読みます!! 今は何も体操部のことはわからないと思うけど、本当に人生のかけがえのない時間を過ごせると思うよ。どんどん殻を破っていってね。俊瑛。じゃがりこ白子ポン酢味。練習場に行ったら必ず質問をしてくる俊瑛。本当にここまで体操を好きになってくれるなんて思ってもなかったよ。これからもその俊瑛のままでいてね。真成。ドMわんちゃん。本当にすごい決断。けどその相談を受けた時の君の眼は必ずやってくれる、そんな目をしていたよ。迷わず、突き進め。大歩。新作スイーツ発掘推進部長。1年目でこんなにも4年生についてきてくれてありがとう。僕からしたら赤ちゃんなのに、1年生のお母さん的存在。私は納得がいっておりませんよ。晴三朗。慶應の体操を継承していく漢。君がいてくれたからこんなにも4年生は、インカレで大きく演技をすることができた。周りに流されすぎず、自分のペースでね。莉奈。パリコレの頭身。新人戦の試合後、君の姿を見て本気で体操に取り組んでいることを肌で感じた。4年生の全日本インカレ、最後に笑顔で演技を終えている姿がすごく楽しみ。大楽。ひあさん大好きマン。もう、いなくなっても泣かないんだよ。本当に誰よりも努力する大楽の姿勢が一番好きだよ。3年後の霜月杯も観にいきたいな。利紀。僕のフレグランス。君が今、本気で打ち込んでくれている競技が、僕が15年間続けてきた競技であることがなんか誇らしいよ。霜月杯でも、どの選手より輝いてた。インカレの団体戦で、利紀を観れる日が来ることをすごく楽しみにしてる。一真。運動会全力お父さん。5年間、君の成長を間近で見られてよかった。多くは語らないけど、誰よりもみんな想いで体操が大好きな一真。ミーティングのお礼を毎回欠かさず言ってくれた君の人間性は、何よりの強みだと思うよ。健太。東京直送努力産おむすび。一番早く体育館に来て黙々と練習を始め、欠かさずダウンをする健太。最近の君は、何かトランポリンに一生を捧げる覚悟の目をしている。本当に期待しているよ。美怜。肝っ玉姉さん。なんかこんな人と結婚したら、一生笑って幸せな家庭を築いていけるんだろうなという、美怜の魅力。少し気分が上がらない日でも、君のおかげで前を向けた日は何度もあったよ。持ち前の笑いのセンスと明るさで体操部を支えていってください。眞菜。いちご大福抹茶餡仕立て。一見は、本当に大切に育てられてきたのだなというお嬢様。しかし、中身は誰よりも向上心や信念は強く、本当にここ最近の練習では競技に真摯に向き合っている。周りに頼るのが苦手だと思うけど、たまには赤ちゃんのように先輩に甘えなさいね。凜子。体操部の滝沢カレン。いつも君の周りは笑顔で溢れていて、天然発言には何回笑わせてもらったことやら。凜子はすごくいい考えを持っていることがたくさんあるから、消極的にならず、たくさん自分を出していってね。瑛水。手首は巻かないものですよ…。 本当は誰よりも負けず嫌いで、みんな想いの瑛水。アドバイスを求めてくる姿勢や、ふとくだらない話をした時の君の笑顔が大好き。笑顔ってすごく自分にも周りにもいいエネルギーになるから、その世界にたった1つの笑顔をたくさんの人に届けていってね。慶汰。エブリデイ新年漢。あけましておめでとう、毎日この言葉で始まる彼との日常。天性の天才。すごくトランポリンに熱心で、部員想い。時々いろいろなものを1人で抱え込みすぎて、でも体育館では笑顔で後輩の前に立つ。20歳でここまでのことができていたら、本当に社会に立ってもやっていけるのだなと痛感している。ラスト1年突っ走れ。伊織。愛されキャプテン。みんなが君についていきたい、そんな顔を後輩が最近している。あとは自分のコントロールだけ。こんなにも素敵な仲間に囲まれているのだから、自分がやりたいことを思い切ってやってね。体操の方も本当に期待しているよ。美怜。ラーメン屋に生息する努力家。少し不器用なところはあるけど、毎練習で補強メニューをメモしていたり、アドバイスを積極的に聞きにいったり。本当に努力しているところは、みんなに伝わっているよ。自分の心を強く持って、絶対に負けないでね。祥子。最終兵器。初めに出会った頃より本当に自分の意見を持つようになったし、部に必要な存在になっている。君が持つ独特の雰囲気で、周りを油断させてかましてやってください。2回宙返りも楽しみにしているよ。美文。21歳のしずかちゃん。一見は小説を読みながら紅茶を飲んでいるようなイメージが似合うが、中身は誰よりも探究心や泥臭さで溢れている。主務として仕事をこなす君の姿は本当にかっこいいと思うし、できるって信じています。癖強同期の中で、しっかりと自分の意見を持って、時には叱ってやってね。

 

本当に長い文章となってしまいましたが、以上で私のリレー日記とさせていただきます。改めまして、何も分からなかった私をここまで育ててくださったこの7年間、関わってくださったすべての皆さまに、心から感謝申し上げます。感謝と御礼の思いを胸に、ここで慶應義塾体育会器械体操部の一員としてのページを、そっと閉じさせていただきます。

本当にありがとうございました。