第78回早慶対抗体操競技定期戦 観戦記

6月29日(日)、蝮谷体育館にて行われました、第78回早慶対抗体操競技定期戦の観戦記をご報告いたします。

関係者の皆様は、For OBOGのページから動画も見られますので、ぜひそちらと併せてご覧になってください。

男子団体観戦記をご報告いたします。

男子団体…小澤智也(文4) 、釜屋有輝(法政4)、黒沢星海(理4)、立花陽空(法法4)、小田切伊織(総3)、篠田晴三朗(文1)、辻岡大歩(法法1)

1種目め…ゆか

1番手、立花

本大会では、着地を3か所で止めることを目標に演技に臨んだ。ビッグタンブリングでの着地は止めきれなかったものの、それ以外の技では狙い通り着地を止めることができ、非常に満足のいく内容となった。Eスコアは8.35と高評価を得たが、目標としている8.5に到達するためには、細かな動きの精度向上やビッグタンブリングの姿勢改善が必要である。インカレに向けて、引き続き修正・調整を重ねていきたい。

2番手、釜屋

1種目めということで全体として硬さが見られた演技となった。1節目のシリーズで左足がラインを割り、その後も着地は1歩に抑えたものの止めるには至らなかった。引き続き着地まで意識しながら練習し、インカレでは2/4節止められるようにしたい。

3番手、小田切

直前練習から体の反応がよく見え、回しすぎることでの転倒が懸念されるようなスタートであった。その中でも調整し全体的に着地をまとめることができ、高いEスコアの評価を受けることができた。しかしながら着地は全体で1節しか止めることができず、まだまだ改善の余地があるように感じた。全日本インカレに向けて着地準備とひねり終わり技術を磨き上げていきたい。

4番手、黒沢

アップで実施した前方屈身2回宙返りは、どれもやや回りすぎていたため、本番では開きを意識したがむしろ回転が足りない実施となってしまい、Eスコアを伸ばすことができなかった。股関節の可動域を意識して、安定した着地が取れる感覚を身につけていきたい。

2種目め…あん馬

1番手、篠田

緊張で腕が震える中ではあったが、いつも通りの旋回を心がけ、なんとか大過失なく通し切ることができた。しかし、終末技では一瞬停滞してしまい、Eスコアは7.8と目標の8点台には届かなかった。全日本インカレに向けて、終末技の技術的改善をし、どのような場面でも確実に通せるように普段から緊張感を持って練習していきたい。

2番手、釜屋

全体を通していつもより大きな旋回で思い切った演技をすることができた。序盤のリーニンをスムーズに決めると、中盤の下向き系の技も肩が振られることなく安定した実施を行うことができた。あん馬はチーム戦の中でキーになる種目であるため、インカレに向けて基礎練習も徹底しながら安定感に磨きをかけていきたい。

3番手、小田切

絶対に通さなくてはならないという緊張から、心配の残る種目であった。演技としては中盤のとび前移動で若干の崩れがあったが、なんとか最後までと押し切ることができた。全体として旋回の硬さが見えたため、背中で押す意識をもって練習に取り組んでいきたい。

4番手、辻岡

チームの良い流れを繋がなければならないという緊張感の中、演技に臨んだ。演技終盤のB前移動と伏臥で少し乱れはあったものの、大きなミスなく通し切ることができた。これまでの今シーズンの試合の反省が活かされた演技ではあったが、未だ荒い捌きがあり、改善すべき箇所が多く見られた。今後は全日本インカレに向け、明確な改善点から着実に潰し、安定感と完成度ともに高めていきたい。

3種目め…つり輪

1番手、小澤

トップバッターということで、大過失なく演技を繋ぐことを意識して臨んだ。終末技のバラバノフで少し腰の位置が低くなり、Eスコアは8点台には乗らなかったものの、大きなミスなくまとめた。終末技以外に大きな乱れはなかったので、終末技のクオリティを上げていきたい。

2番手、小田切

東日本インカレで後ろ振りあがり倒立が不認定となった結果を受け、スイング系の質上げに取り組んだ1か月であった。着地は後ろ1歩とまとまった演技であったが、振動倒立の技術面に課題を感じさせる演技であった。Dスコアが低い分、Eスコアを8点中盤に乗せられるように、再度技術を見直していきたい。

3番手、釜屋

東インカレ以降、中水平の姿勢改善に注力してきたが、今大会でも未だ肩が高い実施となった。振動系の倒立のキメも肘が曲がる形となり、着地は止めたもののEスコアは7点中盤と伸び悩んだ。引き続き力技の精度を上げる練習に注力しつつ、基礎練習の一環として倒立のキメにも気を配って練習していきたい。

4番手、辻岡

3人が大過失なく演技をしたこともあり、思い切って演技に臨むことができた。基本的な実施は良いものであったが、下り技のバラバノフで大きく後ろに動く形となった。数日前から左肩に違和感があり、今大会でも下り技を実施した際に見られた。今後は下り技の精度を高めるとともに、ケアを入念に行っていきたい。

4種目め…跳馬

1番手、釜屋

ローユンを実施した。着地は後ろ1歩にまとめたものの、高さ不足が未だ目立つ状況である。練習の中で取り入れている着手から突き放しまでの基礎を徹底し、インカレではEスコアを9点台に近づけられるよう精進していきたい。

2番手、小田切

前回までの試合から難度を落としたアカピアンを実施したため、着地を止めることを目標に臨んだ。結果としてひねり終わりの開きの姿勢を見せつつ、着地を止めることができ高得点を獲得することができた。全日本インカレではドリックスを実施できるよう、練習を積んでいきたい。

3番手、立花

本大会では、Eスコア9.0を目標に演技に臨んだ。結果として、その目標であった9.0を獲得することができた。しかし、ユルチェンコ2回半ひねりを確実に跳躍できるだけの余裕はまだなく、今後は着手後の高さやひねりの精度をさらに高めていきたい。

4番手、小澤

4番手ということで前の3人がしっかり繋いでくれたこともあり、自分のベストを出すことを目標に臨んだ。結果としては前に小さく1歩で抑え、Eスコアも自己ベストを更新して決定点を13点台に乗せることができた。今回のような跳躍を安定して出せるようにしていきたい。

5種目め…平行棒

1番手、篠田

終始安定した演技ができ、Eスコアも8.65と非常に高い点数となった。今の演技構成としてはほぼ最高の実施ができたと思う。全日本インカレも今回と同じ構成で臨む予定なので今回以上の実施ができるように、さらに細かい部分まで気をつけて練習していきたい。

2番手、小田切

序盤のディアミドフ1/4ひねりで崩れが見えたが、耐えることができ最後まで過失なく通し切ることができた。また手ずらしも最小限にとどめ、丁寧な実施であったように感じる。今後は今回実施しなかったツイストを演技に戻しつつ、1つひとつの技のキメに拘れるようにしていく。

3番手、釜屋

5種目めという疲労感の中で全体として耐えの演技となった。反復練習を重ねてきた中盤のバブサーは右足が少しバーを掠める実施となったが、それ以降は着地まで丁寧に実施できた。今後は手ずらしをはじめ、移行後の倒立のキメなど細かい部分にこだわって練習し、Eスコアを8点後半に乗せられるようにしたい。

4番手、小澤

技の間の倒立で落ち着くことを意識して臨んだ。冒頭の棒下倒立で少し乱れたものの、中盤はリズムを整えて演技をすることができた。しかし終盤のピンコとカットの部分でミスが出てしまい、終末技でスティックボーナスを獲得したものの11点前半と点数は伸び悩んだ。疲れた状態で後半部分を落ち着いてこなすことが必要なので、通しの中での実施を大切にしていきたい。

6種目め…鉄棒

1番手、篠田

最終種目のトップバッターということで、絶対に失敗しないように意識して臨んだ。その結果、ギンガーでキャッチしたい気持ちが強くなりすぎてしまい、バーに寄ってしまった。大過失こそなかったものの、大きく減点されてしまったが、その後は落ち着いていつも通りの演技ができたのでよかった。今後は終末技の技術的改善とともに、常に緊張感を持って本番をイメージした練習をしていきたい。

2番手、立花

本大会に臨むにあたり、前半の屈身イエガー宙返りとアドラーハーフに重点を置いて練習に取り組んだ。結果として、この2つの技は納得のいく実施ができた。一方で、A難度の蹴上がり倒立で戻ってしまうというミスがあり、技を成功させた後も焦らず油断しないことの重要性を改めて実感した。今後は、終末技の姿勢修正にも重点を置き、演技全体の完成度を高めていきたい。

3番手、釜屋

練習から調子の良かった種目でもあったので自信を持って演技に臨んだ。序盤のアドラーハーフを決めると、その後の伸身トカチェフと開脚トカチェフはしっかりバーを押して掴むことができた。着地も狙って止め、Eスコアは8.65と高い評価を得ることができた。インカレに向けて、この実施を安定して出せるよう更に練習を重ねていきたい。

4番手、小田切

最終種目と緊張で普段以上に疲労が見える中での演技であった。前半の開脚トカチェフの離手が遅れ危うかったがなんとかつかむことができた。しかし、終末技でひねりかけが早くなってしまい回転が足りず前に転倒する形になってしまった。そのなかでもEスコアが7.5と評価を受けることができたのは、自信につながったと感じる。

今大会は、複数の大会成績を加味して、安定感のある演技で本番でも確実に得点を重ねられるようメンバーを選考した結果、大きなミスのない盤石な試合内容となった。細かな改善点は残るものの、各自の課題と成果が明確に表れた、非常に実りの多い試合であった。

全日本インカレに向けては、今回得た課題を一つひとつ着実に克服し、より高い完成度と安定感を備えた演技を追求していきたい。

小澤は、出場種目でチームに貢献することを目標に臨んだ。結果として大過失はなく、つり輪と跳馬ではチーム得点に関与することができたものの、平行棒で本来の演技をすることができず、悔いの残る試合となった。今後は2週間後の国スポ関東ブロック、2ヶ月後の全日本インカレに向けて、演技の安定性と決定力をつけていきたい。

釜屋は、安定感と共に「攻め」の姿勢を意識して臨んだ。早慶戦ならではの独特の雰囲気から緊張感もあったが、今大会も大過失無し且つ、つり輪と鉄棒で着地を狙って止めることができた。しかし、個人としてもチームとしてもインカレまでもう1つ上のレベルに上げていく必要があるため、この結果に決して満足せず更に磨きをかけていきたい。

黒沢は、ゆかのみに出場し、思うような演技を行うことができなかった。体の状態を最優先に考えながら、来る全日本インカレに向けて、着実に課題に取り組んでいきたい。

立花は、団体として演技をつなぐことを目標に本大会に臨んだ。その言葉通り、今年の試合の中でも最もチームワークを感じられる内容となり、仲間の演技を自分のことのように緊張しながら見守り、成功したときには全員で喜び合うという一体感を実感することができた。全日本インカレに向けても、この調子で突き進んでいきたいと強く思える大会となった。個人としては、鉄棒での小さなミスが悔やまれるため、基礎から見直し、より完成度の高い演技を目指していきたい。

小田切は、東日本インカレでの数多くの大過失を踏まえ、各種目の課題克服に注力した1か月間であった。各種目でいくつかの崩れがあったものの、その中で耐え抜く動きがみられたように感じる。また、6種目の質としても鉄棒の転倒があったものの合計Eスコアは49点弱と高い評価を受けられた。全日本インカレに向けてさらに苦手な部分の克服に注力し、76点中盤を取れるようにしていきたい。

篠田は、出場種目の全てでトップバッターを務めた。失敗せずに通し切り「繋げる」意識を持って臨んだ。結果として大過失なく通し切ることができてチームに貢献できたと思う。しかし、どの種目も点数としては思うような結果にならなかったので、さらに高いレベルで演技を安定させ、全日本インカレではさらにチームに貢献したい。

辻岡は、あん馬とつり輪という2種目で演技を繋ぎ、得点で貢献することを目標として今大会に臨んだ。大過失なく演技を行ったことで次の演技者に繋げることはできたものの、細かいミスが見られ、得点としてチームに貢献することができず、悔しい結果となった。今後は全日本インカレに向け、チームへ貢献できる種目を増やし、安定感を得られるよう、通し練習のみならず基礎や補強メニューにこれまで以上に取り組んでいきたい。

(記:小澤智也、釜屋有輝、黒沢星海、立花陽空、小田切伊織、篠田晴三朗、辻岡大歩)

女子団体エキシビションマッチの観戦記をご報告いたします。

女子エキシビションマッチ…森千紗(法4)、稲垣香花(商3)、庄司眞菜(理2)

1種目め…跳馬

出場者、森

これまでと同じく「転回1回ひねり」を実施したが、今回は突きが合わず、2本とも後ろに転倒してしまった。これまで失敗したことがない種目だっただけに、悔しさの残る結果となった。

2種目め…段違い平行棒

出場者、庄司

前大会と同様の構成で臨んだ。フットカットが詰まってしまったことにより、高棒での蹴上がり後の振り出しが甘く、ともえから降りに繋げることができなかった。また、全体を通して膝やつま先まで意識した演技ができなかったため、今後は細部まで意識した演技ができるよう練習したい。

3種目め…平均台

出場者、稲垣

前大会と同じ構成で臨んだ。全体を通してふらつきが少なく納得のいく実施であった。今後は技の実施だけでなく振り付けも含めて、より丁寧で綺麗な演技ができるよう練習を積んでいきたい。

4種目め…ゆか

出場者、森

今回は新たに構成を変更し、1節目に前方抱え込み宙返り〜前方伸身宙返り、2節目に前方伸身1回ひねりを取り入れた演技を行った。2節目では後ろに手をついてしまったものの、Eスコアはある程度残すことができ、10点台にまとめることができた。新しい構成に挑戦できたことは今後の収穫になったと感じている。

今大会は、エキシビションマッチではあったが、「勝ちにいく試合」という意識をチーム全体で共有し、一体感を持って臨むことができた。所々ミスが出た場面もあったものの、全員が丁寧で美しい演技を意識したことで、大きく崩れることなく得点をまとめることができ、結果として優勝という形で実を結んだ。

森は、2種目に出場し、どちらの種目でも転倒があり悔しさの残る結果となったが、丁寧さにこだわった演技が得点面での最低限の踏ん張りにつながったと感じている。また、他大学の選手との交流や演技からも多くの刺激を受け、今後の目標や課題を見つめ直す貴重な機会となった。8月に控える全日本インカレでは、今回の反省と学びを活かし、より完成度の高い演技を目指して準備を進めていきたい。

稲垣は、平均台に出場し、目標としていた落下のない演技を実施することが出来た。会場の独特な雰囲気によって良い緊張感で臨めたことが今回の演技に繋がったと感じている。今後は各種目において技の習得に励んでいきたい。

庄司は、段違い平行棒のみに出場した。停滞のある演技となってしまったが、臨機応変に対応し、大過失を防ぐことができた点は良かったと感じた。今後は、完成度を高めつつ新技の練習も積んでいきたい。

(記:森千紗、稲垣香花、庄司眞菜)

最後になりましたが、審判を務めていただきました佐野浩平先輩(R3)、土合和先輩(R3)、コーチを務めていただきました首藤聡史先生、有江航優先輩(R2)ありがとうございました。また、今回の試合には御多忙の中、奥田暁代理事、田上雅徳部長、三木康弘監督(S62)、永久千尋監督(H18)、寺嶋政幸監督(H20)、岡﨑隆誠監督(H6)、塚田治夫会長(S47)、中出正明先輩(S36)、山本信一先輩(S39)、松平定紀先輩(S51)、三浦正明先輩(S56)、安藤伸樹先輩(S57)、大西芳裕先輩(S58)、福島裕子先輩(S60)、岩垂英彦先輩(S61)、三上慎一先輩(H01)、宮﨑哲朗先輩(H03)、黒井一実先輩(H10)、野口尚宏先輩(H10)、中名生孝久先輩(H17)、細川万梨子先輩(H18)、小川雄大先輩(H25)、小西峻資先輩(H28)、林凜太郎先輩(H28)、古門駿佑先輩(H30)、杉野広尭先輩(H31)、金子航大先輩(R4)、井上万由先輩(R6)、伊保内啓佑先輩(R7)、並びに多くの保護者の方々にご観戦いただきました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。