令和4年度関東学生新人体操競技選手権大会 観戦記

2022年12月23日(金)、神奈川県スポーツセンターにて行われました、令和4年度関東学生新人体操競技選手権大会の観戦記をご報告いたします。なお、小澤(文1)、釜屋(政1)は病気療養の為、棄権しました。

関係者の皆様は、For OBOG のページから動画も見られますので、是非そちらと併せてご覧になってください。

まず初めに男子個人観戦記をご報告いたします。

男子団体…黒沢星海(理1)、立花陽空(法1)

1種目め…跳馬

1番手、黒沢

着地点を確認したことで、小さな1歩で着地を抑えることができた。立ち上がりの際に胸が開いてしまう癖があるので、地面を見て含みの姿勢が取れるようにしていきたい。

2番手、立花

今回は右足の怪我があったため、構成の難易度を下げてユルチェンコ2回ひねりで挑んだ。着地は少し乱れてしまったが、今の体のコンディションではベストを出せたと思う。

2種目め…平行棒

1番手、黒沢

今回は、新たにけ上がり開脚抜き倒立と後ろ振り上がり開脚入れ伸腕支持、後方屈身2回宙返り下りを取り入れた構成で挑んだ。終末技は着地に不安があったが、回転姿勢を小さくすることでなんとか立つことができた。これからは着地を確実に狙えるように、回数を重ねていきたい。

2番手、立花

練習から不安だったピンコ〜ホンマを決めることができた。しかし、その後のツイスト〜ディアミドフでの膝、つま先の減点が大きかった。着地も前一歩と乱れたので後半の部分の強化を進めていきたい。

3種目め…鉄棒

1番手、黒沢

全日本インカレと同じ構成で挑んだ。下りの加速車輪を浅い位置で行ってしまい、終末技で前に転倒してしまった。通しになると車輪が固くなってしまうので、回数をかけていい実施ができるよう体に染み込ませていきたい。また、要求を満たせるよう、後方伸身2回宙返り1回ひねりにも取り組んでいきたい。

2番手、立花

今回は、アドラーひねり倒立と開脚トカチェフを入れた新しい構成で試合に挑んだ。アドラーひねり倒立は流れてしまい不認定、トカチェフは持った後に車輪につなげることができず、満足のいく内容ではなかった。しかし新しい構成でチャレンジできたことは非常に良かったので、来年に向けてさらに角度や高さの減点を減らすような演技へと磨きをかけていきたい。

4種目め…ゆか

1番手、黒沢

後方伸身宙返り3/2ひねりを終末技として新たに取り入れて挑んだ。前方抱え込み2回宙返りはラインオーバーこそしてしまったものの、余裕のある実施ができた。取り入れた終末技は、ロンダートの起こしが十分でなかったため尻もちをついてしまった。今回は全てのコースで着地が動いてしまっているので、着地準備のできる実施を目指していきたい。

2番手、立花

今回は右足の怪我を負ったままの演技で、普段より難度を下げた演技構成で挑んだ。終末技の3回ひねりは少し蹴る時に詰まってしまい、前のめりの着地となったが、全体としてはEスコアを意識した綺麗な演技ができた。

5種目め…あん馬

1番手、黒沢

新たにD難度のフロップとD難度のコンバインを構成に入れ、全日本インカレよりも1点近くDスコアを上げて挑んだ。シュテクリBの重心が安定せず、落下しそうになってしまったため、フロップは途中で中断してしまった。その後のコンバインもロシアンのあと押し切れずつぶれて落下してしまった。再開後は通しきることができたが、下りで大きく肘が曲がってしまい、不認定となってしまった。技を多く取り込んだ分、練習でもほとんど通ることがなかったので、これからはこの構成の通し練習を重ね、来シーズンに備えていきたい。

2番手、立花

苦手種目である鞍馬は練習でも1番確認していたため、落下をしてしまいとても悔しかった。前日の練習の通しでは落下がなかったので、悪い練習はしていないと思う。今回から新しく入れたロスも試合で使い、成功させることができたので自信につながった。

6種目め…つり輪

1番手、黒沢

け上がり脚前挙は持ち込みの肘曲がりを改善する事ができた。十字懸垂も高さ、静止時間に気を配り、いい実施ができた。現在の構成では振動系の技が少なく、下りもB難度であるため、春に向けて要求を満たせるように努めていきたい。

2番手、立花

右肘の痛みがあり、振動系の連続技であるジョナサン〜ヤマワキを抜いた構成で挑んだ。最終種目であったため、後半の後ろ振り上がり倒立〜ホンテンでの倒立の収めが甘く、Eスコアが伸びなかった。今後は力技にも力を入れないといけないので、時間はかかると思うが地道に練習を積んでいきたい。

今大会は出場した両選手とも新しい構成に挑み、来シーズンに向けたチェックポイントとなった。各々成果を発揮し切ることは出来なかったが、技を取り入れるまでの練習過程、大会会場での捌き方など様々な経験を得ることが出来た。今大会での構成をベースに、冬の期間でブラッシュアップとさらなるDスコアを目指し、努力していきたい。
黒沢は、新しく取り入れた技が多く、挑戦の試合として挑んだ。平行棒はいい実施ができた一方で、ゆかやあん馬では大過失が出てしまった。特にあん馬で落下した後にもう一度実施しなかった事が悔やまれる。挑戦の試合と位置づけておきながら、攻めることができなかったからである。この経験をバネに、練習から攻める姿勢をもって取り組んでいきたい。それに伴い故障することのないよう、体のケアと動きの最適化を常に行っていきたい。
立花は、鞍馬と鉄棒で新しい技を取り入れた構成で挑んだ。結果は鉄棒のアドラーハーフが不認定になるなど、緊張感の中での挑戦は難しいと感じた。しかし、今回挑戦したこの経験を通過点として、来年へ向けてはいいスタートになったと思う。この冬は通しをすることを継続しながら、新技に取り組み、D・Eスコア共に向上できるような練習をしていきたい。また来年の目標を達成するためにも、今年多かった怪我をしない体づくりを体操以外の生活や、練習後のケアから心がけていく。

(記:黒沢星海、立花陽空)

続いて女子個人観戦記をご報告いたします。

女子個人…稲垣香花(商1)、森千紗(法1)

1種目め…平均台

1番手、稲垣

前半はふらつきが多く側宙で落下してしまったが、後半は安定した演技だった。ジャンプに関しては、ふらつきはなかったものの開脚度が足りなかった。全体的にはまとまった演技であったため、落下が目立つ演技となってしまった。今後はEスコアを伸ばせるよう、日頃の練習から最後の決めまで意識し、ふらつきをなくしていきたい。

2番手、森

最初の上がり、ターンは落ち着いて決めたが、その後の交差ジャンプでバランスを崩してしまい落下してしまった。続くしゃがみ立ちターンは丁寧に実施したが、またしてもジャンプで落下してしまった。演技再開直後の開脚ジャンプを決め、倒立前転をバランスを崩しながらも堪え、前方伸身宙返り下りを実施した。今後は落ちない平均台の演技を第一に考え構成を決めていきたい。

2種目め…ゆか

1番手、稲垣

新たに転回~前方伸身宙返りを取り入れた構成で臨み、着地を上手くまとめることができた。平均台と同様に、ジャンプの開脚度に余裕がなかったが、全体としては安定した演技を実施することができた。今後は構成要求を満たすため、ひねりを取り入れた構成で臨めるよう練習を重ねていきたい。

2番手、森

初めの後方1回ひねりを後ろ1歩に抑えると、続くジャンプをスムーズに決めた。2本目の転回〜前方伸身宙返りも前1歩に抑えた。その後のジャンプ連続でひねりが足りず技が認められなかったが続くしゃがみ立ちターン、前方宙返り〜ロンダート後方宙返りを上手くまとめた。ジャンプの連続は構成要求に含まれるためDスコアが実際の実施より0.8下がってしまった。今後はここを確実に実施し構成要求を確実に満たせるように練習を積んでいきたい。

3種目め…跳馬

1番手、稲垣

2本とも着地がまとまった実施であったが、振り上げが弱く勢いが感じられなかった。今後も引き続き助走と振り上げを意識し、勢いのある跳躍を実施できるよう努めていきたい。

2番手、森

1本目は振り上げが強すぎたため、大きく前に飛び出し手をつく実施となってしまった。2本目は勢いは抑えられたが、着地でラインを大きくオーバーしてしまう実施となった。練習時には1度もこのようなミスがなかったため、本番の不慣れさが出た結果である。

4種目め…段違い平行棒

1番手、稲垣

新たにフットカットを取り入れた構成で臨んだ。フットカットから上バーでのけ上がりを繋げることは出来なかったが、その他の部分はスムーズに実施することができた。今後はフットカット含め、新しい技を習得しDスコアを上げられるよう練習を積んでいきたい。

2番手、森

け上がりから続く2技をスムーズに実施し、前フットとフットサークル、フットカットは膝が曲がってしまったが流れに乗せて続けることができた。今後は車輪を入れた通しを行えるよう、練習を続けていきたい。

今大会は、器械女子にとって初の公式戦となった。場の緊張感や雰囲気に呑まれるところも多く見られたが、2人にとって今後に活かせる良い経験となった。今後は来年を見据え、設定した目標を達成できるよう練習に励んでいきたい。
稲垣は、1種目めの平均台で落下するというミスがあったが、その後の3種目に関しては大きなミスをすることなく演技を終えられた。今後は各種目においてDスコアを上げていくと共に、本番で安定した技の実施ができるよう練習を続けていきたい。
森は、久しぶりの公式戦であり、また普段とは異なる環境であった事が影響し前半2種目では落ち着きのない演技が目立ち、後半2種目は勢い任せな面が多く見られた。この経験を活かし、今後は通し練習を増やし、上手く緊張をコントロールできるような練習を積んでいきたい。

(記:稲垣香花、森千紗)

最後になりましたが御多忙の中、三木康弘監督(S62)、塚田治夫会長(S47)、加藤直之先輩(S56)、岡﨑隆誠先輩(H6)、福岡由唯先輩(R4)、首藤聡史先生、並びに多くの保護者の方々にご観戦いただきました。またオンライン中継でも、多くの先輩方、並びに保護者の方々にご観戦いただきました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。