第76回早慶対抗体操競技定期戦 観戦記

7月2日(日)、慶應義塾大学日吉キャンパス蝮谷体育館にて行われました、第76回早慶対抗体操競技定期戦の観戦記をご報告いたします。
関係者の皆様はFor OBOGのページから動画も見られますので、是非そちらと併せてご覧になってください。

男子団体…伊保内啓佑(法政3)、浦口優(商3)、黒沢星海(理2)、立花陽空(法法2)、小田切伊織(総1)


1種目め…ゆか

1番手、立花
久しぶりの床の演技でとても緊張したが、落ち着いて演技することができた。しかし悔しい点として、いつも着地が止まっていた後方伸身宙返り1回半ひねりからのシリーズと後方伸身宙返り2回半ひねりからのシリーズで着地を止めることができなかった。次の試合はインカレになるので、右足を回復させつつもDスコアとEスコアどちらも高い演技を目指していきたい。
2番手、伊保内
東日本インカレとは構成を変え後方伸身宙返り3回半ひねりを取り入れたが、大きく前に1歩動いてしまった。その他の技の着地では大きく動くことが無かったため、尚更悔しい結果となった。次の機会に向け安定感を向上させていく必要があると感じる。
3番手、浦口
東日本インカレと同様の構成で臨んだ。1節目のルドルフで転倒してしまい、その後も落ち着かない演技となってしまった。練習から前半のビッグタンブリングでミスが出ると、焦ってしまうことが多くあったためそこを課題として取り組んでいきたい。

2種目め…鞍馬

1番手、浦口

東日本インカレと同様の構成で臨んだ。前半のDフロップでバランスを崩したものの、何とか立て直すことに成功し、無事に下りまで繋げることが出来た。今後はDスコアと共に安定性の向上も図りたい。
2番手、伊保内
東日本インカレと同様の構成を実施したが、EフロップとDコンバインの箇所で落下をしてしまった。重点的に成功率に磨きをかけてきた種目であるため、本番で決めきる力をつけていきたいところである。

3番手、小田切
今回はシュテクリAを抜き、少しDスコアを落とした演技を実施した。静岡県国体予選での途中中断の要因となったシバドはなんとか耐えぬいたが、最後の倒立下りが上がらず落下してしまった。普段からも上がらないことが多いため、通しの本数を増やし体力増強に努める。

3種目め…吊り輪
1番手、伊保内
新たに中水平と後方抱え込み2回宙返り1回半ひねりを取り入れた構成で臨んだ。中水平では技の認定はされたが、角度は未だ十分でないため減点の無い実施が求められる。終末技に関しては比較的余裕のある実施が出来たため次に繋がる良い結果となった。全日本インカレに向け熟練度に磨きをかけていきたい。

2番手、立花

本大会でも前大会に引き続き、中水平を入れた構成で挑んだ。しかし、蹴上がりで支持を経過する動作が入ってしまい、角度が甘い実施となった。他の技に関しては、着地や倒立まで意識した演技をすることができた。中水平はまだまだ時間がかかる技だと思うが、インカレまで補強を怠らず続けていきたい。

3番手、浦口
東日本インカレと同様の構成で臨んだ。最初の振り上がり閉脚上水平で少し足が下がってしまい大幅な減点対象となった。その後は落ち着いて演技したものの、下り技は2回宙返り1回半ひねりを予定していたものの、一回ひねりとなってしまった。全日本インカレに向けて、力技と下り技の精度向上をめざしたい。

4種目め…跳馬

1番手、伊保内
アカピアンを実施したが、着地は回転不足により大きく前に出てしまった。以前から使っている技であるため、惜しまれる結果となった。跳躍力を改善しドリックスを習得していくことが望まれる。

2番手、浦口
アカピアンを実施した。勢いのある跳躍であったが、着地で大きく後ろに流れてしまいラインオーバーも含めて大きく減点されてしまった。ドリックスを実施するか迷った末にアカピアンを選択したため、結果的には判断ミスとなってしまった。今後は、安定してドリックスを跳べるように邁進していきたい。

3番手、立花
久しぶりに陸での着地で緊張したが、何とかユルチェンコ2回ひねりを立つことができた。ロンダートから右足を庇って、少し左に曲がりラインオーバーとなってしまったが、Eスコアは評価してもらえたのでその点に関しては良かったと思う。次回のインカレでは昨年同様、シューフェルトを跳べるよう調整していきたい。

5種目め…平行棒
1番手、黒沢
急遽の出場となったが、落ち着いてまとまった演技をすることが出来た。終末技は着地を収めることまで意識ができず、数歩動いてしまったため、苦手意識のある後方屈身2回宙返り下りの着地練習を行っていきたい。倒立のキメや手ずらしなど、こだわれる細かな部分がまだ多く存在するため、全日本インカレに向けてEスコアを伸ばしていきたい。

2番手、伊保内
今回の演技は東日本インカレと同様の構成で臨んだ。大きなミス無く着地もピタリと止め、まとまりのある演技が出来た。しかし、全体的に倒立のキメが甘かったように感じる。Eスコアを重視している構成のため、そういった点を1つずつ改善していきたい。

3番手、小田切
全体的に落ち着きのない演技となった。ディアミドフでは倒立の歪みが生じてしまったがなんとか持ち堪えることができた。しかしその後落ち着くことができず、チッペルトで器具上落下、屈伸2回宙返り下りでも後ろに大きく2歩動いてしまった。スイングの不安定さが窺えるため、基礎の面から矯正する必要があると感じた。

6種目め…鉄棒
1番手、立花
急遽の出場となり、緊張して少し固まった演技となってしまった。アドラーハーフは練習から何度も調整してきた技であったが、倒立を狙いすぎて前に倒れてしまった。また着地でも手をつく形となり、全体としてとても悔しい演技となった。急遽出場となることを想定して練習しなくてはいけないということを学んだ。
2番手、小田切
全体的にまとまった演技ができ、Eスコアも評価していただけた。一方で離れ技後の車輪や一つひとつの倒立のおさめなど、まだまだ磨ける部分は多くあるため、細かい部分に気を配れる演技を実施できるようにしていく。
3番手、伊保内
東日本インカレでは失敗してしまったコバチを抜いた構成を実施した。重点的に練習してきたコールマンを成功させることができたが、終末技の着地では大きく後ろに動いてしまった。今後、Dスコアを上げていくためにも、この演技の安定感を向上させていきたいところである。

今大会は、各種目3人が演技して3人の得点がチーム得点となる試合形式であった。ミスが許される状況ではなかったが、多くの失敗が出てしまい課題の多く残る結果となった。全日本インカレまで残り50日を切っている中、チームとしても個人としても見直す点が多くあると感じた。

伊保内は、今回から新たに取り入れた技もあり、迫る全日本インカレを見据えた演技内容であった。あん馬以外、大過失があった訳では無いが、細かいミスが目立っていたため、残る期間で改善していきたい。
浦口は、全ての東日本インカレと同様の構成で臨んだが、思うような演技はできなかった。大きなミスは床のみであったが他の種目も何とか通しきったという印象が強い。全日本インカレに向けて、本番で決め切る力を養っていきたい。
黒沢は、予定外の出場により試技前はとても緊張したが、慌てずに通し切ることができて、より一層の自信を得ることが出来た。数年ぶりに完全復活した早慶戦の雰囲気は、インカレなどとは比べものにならないくらいの緊張感があり、ここぞの場面で丁寧に演技する力が試されるいい経験の場になった。Dスコア、Eスコアを磨いていくと共に、試合の雰囲気に負けないメンタルを普段の練習から積み上げていきたい。
立花は、予定していた出場種目より急遽2つも種目が増え、少し焦りや緊張もあったが、早慶戦独特の雰囲気を楽しんで演技することができた。インカレまで50日弱しか期間はないが、怪我をしていた時期に出来ていなかった6種目の通し練習に参加して、慶應の体操らしいまとまった綺麗な演技を目指していきたい。
小田切は、高スコアが狙える種目のみの出場であったがチーム貢献には程遠い結果となった。演技の安定性が非常に低いため、精神面、技術面の両方から改善して全日本インカレではベストを尽くせるようにしたい。

(記:西尾颯馬、浦口優、黒沢星海、立花陽空、小田切伊織)


最後になりましたが、チームリーダーを務めていただきました久永将太先生、審判を務めていただきました田口洸太郎先輩(H28)、村上涼平先輩(H28)、ありがとうございました。また、今大会には御多忙の中、田上雅徳部長、塚田治夫会長(S47)、三木康弘監督(S62)杉本賢治先輩(S37)、山本信一先輩(S39)、松平定紀先輩(S51)、三浦正明先輩(S56)、福島裕子先輩(S60)、三上慎一先輩(H01)、岡﨑隆誠先輩(H6)、寺嶋政幸監督(H20)、永久千尋先輩(H18)、田中雄介先輩(H18)、細川万梨子先輩(H18)、中俣名緒先輩(H19)、佐藤洸輔先輩(H28)、林凜太郎先輩(H28)、後藤慶亮先輩(H29)、橋本和樹先輩(H30)、古門駿佑先輩(H30)、神吉彩代先輩(R3)、中尾優花先輩(R3)、山﨑広輝先輩(R3)、金子航大先輩(R4)、福岡由唯先輩(R4)、首藤聡史先生、並びに多くの保護者の方々にご観戦いただきました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。