第60回全日本トランポリン競技選手権大会 観戦記

2023年10月13〜15日、エフピコアリーナふくやまにて行われました、第60回全日本トランポリン競技選手権大会の観戦記をご報告いたします。

個人競技予選男子…上田乃維(環3)
シンクロナイズド競技予選男子…上田乃維・石井祐雅選手(エアリアルドリームスポーツクラブ所属)ペア

個人競技予選男子
上田乃維
1,パイクバラニーアウトトリフィス(前方屈身3回宙返り半ひねり)
2,パイクハーフインハーフアウト(後方屈身2回宙返り1回ひねり)
3,タックバラニーアウトトリフィス(前方抱え込み3回宙返り半ひねり)
4,パイクフルインフルアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
5,パイクルディーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
6,パイクハーフインルディーアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
7,パイクバラニーアウト(前方屈身2回宙返り半ひねり)
8,タックハーフインハーフアウト(後方抱え込み2回宙返り1回ひねり)
9,タックバラニーアウト(前方抱え込み2回宙返り半ひねり)
10,ミラー(後方伸身2回宙返り3回ひねり)

<1回目>
前回大会である国民体育大会と同じ難度点の構成で挑んだ。1〜5本目をベッドの中心で決め、リズム良く通しの前半を繋げられたが、続く6本目で回転不足のため腰が折れてしまい、リズムを崩してしまった。7本目で少しリズムを戻したが、続く8本目は大きく後方に、9本目は大きく前方に移動した。姿勢が崩れた状態での10本目は、タックフルインフルアウト(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)に変更し、ベッドの中心に戻したが、回転不足のため膝が曲がってしまった。また、静止が乱れ減点となった。構成の前半部分はかなりまとまっていたために、後半のブレが悔やまれる結果となった。

<2回目>
1回目の前半はかなりいいリズムで跳ぶことができていたため、2本目は攻めた演技ができるよう自分の気持ちを整理して試技に挑んだ。しかし、予備跳躍が乱れてしまい、不安定なまま1本目に入ってしまった。1本目で大きく前方に移動し、続く2本目でもベッドの中心に戻すことはできなかった。3本目で大きく後方に移動し、マットに着地したため、中断となった。1回目の演技で少し自信を持てたため、2回目の演技は自身を持って挑むことができたが、空回りしてしまった。今一度自分の気持ちの整理の仕方を見直す必要があると感じた。

シンクロナイズド競技予選男子
上田乃維・石井祐雅選手ペア
1,パイクフルインハーフアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
2,タックハーフインハーフアウト
3,パイクルディーアウト
4,パイクハーフインハーフアウト
5,タックルディーアウト(前方抱え込み2回宙返り1回半ひねり)
6,タックダブルバック(後方抱え込み2回宙返り)
7,パイクバラニーアウト
8,パイクダブルバック(後方屈身2回宙返り)
9,タックバラニーアウト
10,パイクフルインフルアウト

<1回目>
上田が予備跳躍で大きく前方に移動したまま1本目に入ってしまい、そのままベッドの中心に戻すことができなかった。2本目で大きく後方に移動し、マットに着地したため1本目中断となった。

<2回目>
2本目までは同時性の高い演技をベッドの中心で決めた。3本目で石井が回転不足のため膝が曲がってしまい、大きく後方に移動した。4本目でベッドの中心に戻したが、大きくタイミングがずれてしまった。上田が5本目で大きく前方に移動し、続く6本目で回転不足のため膝が曲がり、大きく前方に移動した。7、8本目でも回転不足のため膝が曲がり、9本目で大きく後方に移動し、マットに着地したため8本目中断となった。

今大会は上田にとって2回目の全日本選手権となった。国内の大会でもかなり重要な位置を占める今大会は、選手たちの緊張感も高く、引き締まった空気感での大会となった。9月の連戦でずっと課題であった試合への挑み方に対して、「不安になってしまった時や、自分の演技に自信が持てなくなってきた時に、少し視点を切り替えて自分に有利な状況を探し、根拠の薄い自信だけでも持てるようにして戦いに行ける状態を作る。」という対策をもとに、東日本選手権や国体で仮説と検証を重ね、今回の全日本選手権では、普段よりも少し強気な姿勢で試技に挑むことができたように感じている。未だ大した結果は出ず、完全に正解を見つけているわけではないが、部分的に良い部分が増えてきて、少し光が差してきたように感じる。ここから川崎に向けて、日々の練習の中で本番想定を繰り返し、自分の試合への挑み方を学んで行きたい。全日本選手権での周りの選手からしたらまだまだな実力、結果であり、反省すべき課題点は山のようにあるが、自分が改善すべき点、通るべき道が少しづつ見えてきたように感じるため、今後の練習、大会でしっかりと改善し、自分の理想像に近づけていけるようにしたい。

今回は、以前より慶應と深く関係を持っていただいている、エアリアルドリームスポーツクラブの中田大輔先生にコーチとしてお世話になりました。ありがとうございました。

また、審判を務めていただきました日垣博考先輩(H29)、浅見杏樹先輩(R3)、ご観戦いただきました加藤直之先輩(S56)、細川万梨子先輩(H18)、棟朝銀河先輩(H29)、ありがとうございました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。

(記:上田乃維)