令和5年度関東学生新人体操競技選手権大会、令和5年度関東学生体操競技交流大会観戦記

11月13日に日環アリーナ栃木で行われました、令和5年度関東学生新人体操競技選手権大会、令和5年度関東学生体操競技交流大会の観戦記をご報告いたします。
関係者の皆様はFor OBOGのページから動画も見られますので、そちらも併せてご覧ください。

初めに、新人選手権大会の観戦記をご報告いたします。
男子個人…小田切伊織(総1)

1種目め…跳馬
アカピアンを実施した。全日本インカレ、慶同戦と失敗続きであったが、課題点を修正し後ろ一歩でまとめられた。しかし突き放しの方向で回しすぎる傾向にあり、小さい実施となってしまった。今後は突きの方向を見直しつつ、ドリッグスやロペスを実施できるように強化していく。

2種目め…平行棒
従来の演技ではグループ3の技に不安点があったため、その部分を重点的に練習してきた。演技の中では全日本インカレよりも安定感のある実施がみられ、改善できているように感じられた。平行棒はDスコアが低いため、車輪やツイストといった基本技を早急に習得し、Dスコア5点台の演技を安定して実施できるよう努めていく。

3種目め…鉄棒
全日本インカレと同じ演技を実施した。試合一週間前からトカチェフの車輪が合わず、本番では離手することができなかった。その後は切り替えて演技を続けたものの、終末技では2回ひねることができず、転倒してしまった。自分の中でのポイントがつかめるよう回数を重ね、次週の部内戦ではしっかり決めれるようにしていく。

4種目め…床
2節目ではテンポ宙返り~後方2回半ひねりを実施する予定であったが、前日練習から成功することがなく、単発の2回半ひねりに変更した。失敗する技はなかったが、すべての節において着地の準備が甘く、大きく動いてしまうのが見られた。この種目は着地を止めないと高得点が見込めないため、着地の精度を上げられるようにすることが早急に求められる。

5種目め…あん馬
この種目は、不安部分がないものの通し率が低いことが課題であった。そのため、毎日の練習で1本通すことを課題に設定し、行ってきた。しかし、本番ではシバドの際に感覚のズレがあり、押しが入っていたのにも関わらず、下りてしまった。毎回ベストな動きができるわけではないため、対策する必要があると感じられた。

6種目め…つり輪
従来の構成から終末技を抱え込みルドルフにして実施した。後半の振動倒立や終末技に重きをおいて練習してきたため、自信もって演技を実施することができた。しかし、プレス倒立の形であったり、ほんてん倒立の姿勢でまだ強い選手と言えるような実施ではないため、補強を増やし、ベースを整えていけるよう努めていく。

本大会は、来年に向けたベースとなる演技を高いクオリティで実施することを目標とした試合であった。前半は良かったものの、鉄棒での失敗からミスの連鎖を止められず、このままでは大学4年間の目標を達成することが難しいことを実感した。Dスコアを上げる以前に基本的な身体がまだ未完成であるため、残り期間は少ないが冬の期間でベースを作り上げられるように努めていく。
(記:小田切伊織)

続いて、交流大会の観戦記をご報告いたします。
女子個人…稲垣香花(商2)、森千紗(法法2)

1種目め…段違い平行棒

1番手…稲垣
全日本インカレと同じ構成で臨んだ。前回はフットカットから上バーのけ上がりに繋げられず停滞してしまったが、今回は上手く繋げることができた。しかし、け上がりの後、振り出しに繋げられない点は今後の課題として残る。今後はほん転倒立と車輪を構成に組み込めるよう練習に励んでいきたい。

2番手…森
今回新たにほん転倒立、車輪を入れた構成で挑んだ。ほん転倒立は倒立が横に逸れてしまい落下。続く、け上がり倒立からフットカットへの移行も倒立が流れてしまいうまく繋がらない実施であった。振り上げ倒立からの車輪も実施できず納得のいく演技とはいかなかった。ミスを想定した練習の必要性を強く感じた演技となった。

2種目め…平均台

1番手…稲垣
全日本インカレと同じ演技を実施した。落下はなかったものの、アクロバット系の技でふらつきが多く、終始安定感のない実施となってしまった。今後は、アクロバット系の連続を構成に入れられるよう練習を重ねていきたい。また、Eスコアの高い演技を実施できるよう努めていきたい。

2番手…森
上がり技の前後開脚交差ジャンプは開脚度不十分の実施であり、着台後落下をしてしまった。アクロバット系の技を丁寧に実施し、前後開脚交差ジャンプ〜シソンヌをテンポよく実施した。下り技の前方伸身宙返りは小さく後ろ一歩に収めた。演技の前半部分で、うまく切り替えられず落下が続いてしまったが後半部分はまとまりのある実施が出来た。今後、演技の全体を通した安定感を求めていきたい。

3種目め…ゆか

1番手…稲垣
全日本インカレと同じ構成で臨んだため、全体的にまとまった実施となった。今後はアクロバット系、ダンス系両方のDスコアの向上に努めていきたい。また、ひねり技をする際、ひねり始めが早くなってしまう部分を改善し、高さのある技の実施を目指していきたい。

2番手…森
東日本インカレ後、新しくした曲と振り付けで挑む初の公式戦となった。1本目の前方抱え込み宙返り〜前方屈伸宙返りを流れよく実施したが、続く左右開脚1回ひねりはひねり不足となってしまった。前方伸身宙返り、ダンス系の連続をテンポよく決め、しゃがみ立ち1回転ターンを実施し、後方1回ひねりで演技を締めくくった。全体的につま先への意識が甘かったように感じるため、そういった点を一つずつ修正していきたい。

4種目め…跳馬

1番手…稲垣
1本目に転回、2本目に転回1回ひねりを実施した。どちらも着地を一歩に収められたが、脚の振り上げが足りず、着手時の倒立姿勢で肩が前に出てしまい、突きが弱まる点が課題である。今後はこの課題を改善しつつ、ツカハラにも挑戦していきたい。

2番手…森
2本とも転回1回ひねり跳びを実施した。着地はどちらも大きく前一歩動いてしまった。直前の実施の反省点を次の実施に反映することが出来ず、1本目と2本目で全く同じ点数になってしまったのは反省すべき点として残る。今後は修正力を身につけつつ、より難度点が高い技に挑戦していきたい。

本大会は、今シーズン身につけたことを発揮する場として重要な位置を占めていた。昨年からEスコアの向上はどの種目にもみられたが、Dスコアが横ばいであることに課題を感じる結果となった。今後、来シーズンに向け冬の間に新たな技を習得していく必要があると感じた。
稲垣は、本大会での目標は、大きなミスを出さないことであった。結果としては、目標を達成することができたが、演技中の姿勢やふらつき、着地など多くの課題が見つかった。今後はこれらの課題点の改善や新しい技への挑戦に努めていきたい。
森は、直前に習得した技を詰め込みすぎた為全体を通して安定感のない演技が続いた。結果として、自信がある後半2種目と不安を感じていた前半2種目で演技の出来に大きく差が付いてしまった。今回の経験を糧にして、今回習得した技を継続して練習し安定感のある通しを普段の練習から行えるよう励んでいきたい。2週間後に控えている霜月杯までに、今回詰めきれなかったところをあらい出し、自信が持てるようになるまで一つ一つ向き合っていきたい。
(記:稲垣香花、森千紗)

最後になりましたが、チームリーダーを務めていただきました、塚田治夫会長(S47)、ありがとうございました。また、今大会にはご多忙の中、岡﨑隆誠監督(H6)、田口洸太郎先輩(H28)にご観戦いただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。