第57回東日本学生トランポリン競技選手権大会 観戦記

2024年5月26日(日)、日本体育大学世田谷キャンパス(メインアリーナ)にて行われました、第57回東日本学生トランポリン競技選手権大会の観戦記をご報告いたします。

個人競技Cクラス(女子)…内田祥子(経2)
個人競技Aクラス(男子)…上田乃維(環4)、金子慶汰(政2)、寺沢健太(理1)
シンクロナイズド競技Aクラス(男子)…上田乃維・金子慶汰ペア

個人競技Cクラス(女子)
内田祥子
1,タックバック(後方抱え込み1回宙返り)
2,タックバウンス(抱え込みジャンプ)
3,シート(腰落ち)
4,スタンド(腰落ち〜立つ)
5,ハーフピルエット(半ひねりジャンプ)
6,シート
7,スイブル(腰落ち〜半ひねり腰落ち)
8,スタンド
9,ストラドルバウンス(開脚ジャンプ)
10,パイク前宙(前方屈身1回宙返り)

<予選>
今大会は38点台を出すことを目標に臨んだ。1本目は大きく後方に移動し、抱えが不十分で、開きで腰と爪先が曲がった。2本目で抱えが不十分で、足がずれ、3本目で伸びが足りなかった。7・8本目で伸びきれず腰が曲がり、9本目は開き後の姿勢が乱れた。10本目で足がずれ潰しが不十分で、膝が曲がり、開きで体側から腕が離れた。着地は静止時間が不十分で減点となった。高さの低下や着地減点で目標には届かなかった。今後同じミスを繰り返さないよう練習に励んでいきたい。

個人競技Aクラス(男子)
金子慶汰
1,パイクフルインバラニーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
2,タックダブルバック(後方抱え込み2回宙返り)
3,パイクルディーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
4,タックハーフインハーフアウト(後方抱え込み2回宙返り1回ひねり)
5,タックルディーアウト(前方抱え込み2回宙返り1回半ひねり)
6,パイクダブルバック(後方屈身2回宙返り)
7,パイクバラニーアウト(前方屈身2回宙返り半ひねり)
8,パイクハーフインハーフアウト(後方屈身2回宙返り1回ひねり)
9,タックバラニーアウト(前方抱え込み2回宙返り半ひねり)
10,パイクフルインフルアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)

<予選>
今大会は安定して10本を通し切ることを目標に臨んだ。
1本目は回転不足のため技が乱れ、膝と腰が曲がり、2本目も回転不足のため、膝と腰が曲がり左前方に移動した。そのため、3本目をレイアウトバラニー(前方伸身1回宙返り半ひねり)に変更、4本目をタックバックに変更した。しかし3本目・4本目も回転不足のため腰が曲がり、4本目では大きく後方に移動した。5本目でベッドの中心に戻したが、抱えが大きく技が乱れ、6本目が回転不足により、膝と腰が曲がった。7本目で回転不足のため抱えの姿勢が乱れ膝が曲がったため、8本目をタックハーフインハーフアウトに変更したが、開きで足が乱れ、回転不足のため膝が曲がった。9本目で後方に移動し、回転不足のため膝が曲がり、10本目でも後方に移動し抱えが大きく、回転不足により腰が曲がった。着地が乱れ、減点となった。
全体的に種目変更や膝、腰の曲がりが目立つ落ち着きのない演技となったが、決勝進出を果たした。

<決勝>
1本目は回転不足のため膝が曲がり、3本目では回転不足のため腰が曲がった。4本目の回転がかかりすぎたため5本目の跳躍が乱れ、大きく後方に移動し、回転不足のため姿勢が崩れた。6本目ではタックバックに変更したが、アクションジャンプの手が乱れ、回転不足のため腰と膝が曲がり、大きく後方に移動した。7本目・8本目でベッドの中心に戻したが、回転不足のため腰と膝が曲がった。10本目では抱えが大きく足が乱れた。また、着地が乱れ減点となった。結果としては、5位入賞となった。メンタルコントロールに大きな課題が見受けられる大会となった。失敗から切り替え、十分なパフォーマンスを実施することを課題とし、全日本インカレに向けて練習に努めていきたい。

上田乃維
<予選演技>
1,レイアウト3/4バック(後方伸身3/4回宙返り腹落ち)
2,タックコディー(腹落ち~後方抱え込み1・1/4回宙返り)
3,レイアウトバラニー
4,パイクバック(後方屈身1回宙返り)
5,パイクルディーアウト
6,パイクハーフインハーフアウト
7,パイクバラニーアウト
8,タックハーフインハーフアウト
9,タックバラニーアウト
10,パイクフルインフルアウト

<予選>
予選13名のうち、上位10名が決勝に進出できたため、安定した演技を狙える難度の低い構成で臨んだ。5本目で腰が折れて減点となったが、全体的にまとまりのある、美しい演技を決め、決勝進出を果たした。

<決勝演技>
1,パイクバラニーアウトトリフィス(前方屈身3回宙返り半ひねり)
2,パイクハーフインハーフアウト
3,タックバラニーアウトトリフィス(前方抱え込み3回宙返り半ひねり)
4,パイクフルインフルアウト
5,パイクルディーアウト
6,パイクハーフインルディーアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
7,パイクバラニーアウト
8,タックハーフインハーフアウト
9,パイクフルインハーフアウト
10,ミラー(後方伸身2回宙返り3回ひねり)

<決勝>
決勝では高得点を狙った、難度の高い構成で臨んだ。1本目で前方に移動した。2本目で回転不足により膝が曲がってしまい、続く3本目でも大きく前方に移動し、回転不足により膝が曲がってしまった。4本目で回転不足により、技をタックフルインフルアウト(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)に変更した。6本目で高さに余裕がなくなっていたため、技をパイクフルインフルアウトに変更した。8本目で大きく後方に移動し、9本目でベッドの中心に戻したが、回転不足により膝が曲がってしまった。続く10本目も余裕がなくなっていたため、パイクハーフインルディーアウトに変更したが、回転不足により腰が折れて減点となった。アウトバウンスでブルーマットに着地したため減点となった。全体的に余裕のない演技となってしまった。結果としては、4位入賞となった。3回宙返りの安定性が低く、毎回回転力にムラがある状態となってしまい、練習での良い演技が本番で再現しにくいという課題があるため、練習での反復回数を増やし、より再現性のある、ムラのない演技を目指していきたい。

寺沢健太
1,レイアウト3/4バック
2,タックコディー
3,タックバラニー(前方抱え込み1回宙返り半ひねり)
4,レイアウトバック(後方伸身1回宙返り)
5,パイクバラニー(前方屈身1回宙返り半ひねり)
6,パイクバック
7,レイアウトバラニー
8,タックバック
9,3/4フロント(前方伸身3/4宙返り背落ち)
10,バラニーボールアウト(背落ち〜前方抱え込み1・1/4宙返り半ひねり)

<予選>
今大会は腰の怪我からの復帰戦ということで難度を落とした構成で、主に大会の緊張感に慣れることを目標に臨んだ。1本目〜6本目は安定しベッドの中心で決めたが、7本目で回転不足により腰が折れ膝が曲がった。8本目〜10本目は立て直し最後の着地まで決め、決勝進出を果たした。

<決勝>
予選と同じ構成で臨んだ。1本目で回転不足により膝が曲がった。4本目で大きく後ろに移動したが5本目でベッドの中心に戻した。7本目で大きく後方に移動し、回転不足のため腰が折れ、膝が曲がった。8本目〜10本目は立て直してベッドの中心で決めたが、着地が乱れ減点となった。決勝は予選よりも高さを上げて臨んだが安定性に欠けた。今後は高さのある安定した美しい演技ができるように練習に励んでいきたい。

シンクロナイズド競技Aクラス(男子)
上田乃維・金子慶汰ペア
1,レイアウトバラニー
2,レイアウトバック
3,タックバラニー
4,パイクバック
5,パイクバラニー
6,タックバック
7,パイクバラニーアウト
8,タックハーフインハーフアウト
9,タックバラニーアウト
10,パイクハーフインハーフアウト

<予選>
今大会は、上田・金子ペアにとって今シーズンでは初となるシンクロの大会であった。2本目で上田の膝が曲がった。3本目で金子の手が乱れ、4本目で金子の膝が曲がった。6本目で上田が後方に移動したが、8本目でベッドの中心に戻した。9本目で金子が回転をかけすぎてしまい、10本目でパッドに触れてしまい、9種目中断となった。全体として金子の跳躍の方が高く、同時性点が低い演技となった。出場ペアが4ペアだったため全ペアが決勝進出となった。

<決勝>
1本目〜4本目は同時性の高く安定した演技を決めたが、5本目で金子が回転をつけすぎてしまい、手が乱れた。6本目で上田が後方に移動したが7本目でベッドの中心に戻した。7本目〜10本目で金子が回転不足のため腰が曲がり、タイミングがずれてしまった。また、金子がアウトバウンスでブルーマットに着地したため減点となった。全体としては予選よりも同時性点の高い演技で、準優勝となった。

今大会のAクラスは、全日本学生トランポリン競技選手権大会の予選会でもあり、Aクラスに出場した上田、金子、寺沢が出場権を獲得することが出来た。全日本学生トランポリン競技選手権大会のB、Cクラスには予選会がないため、慶應のトランポリン選手は全員が出場できることとなった。大会の内容としては、全体的に10本目まで通しきる強さはあった一方で、1本1本の技の正確性や、着地減点に課題が残る結果となった。これからは細部まで意識の行き届いた丁寧で美しい演技を目指して、1回1回緊張感のある練習を行っていきたい。

最後になりましたが、ご指導いただきました大嶋諒人先生、審判を務めてくださいました日垣博考先輩(H29)、浅見杏樹先輩(R3)ありがとうございました。また、今大会はご多忙の中、寺嶋政幸監督(H20)、加藤直之先輩(S56)、黒井一実先輩(H10)、細川万梨子先輩(H18)、末永朱音先輩(H28)、岩田優佑先輩(R3)、中島聖也先輩(R3)、山﨑大司先輩(R4)、井上万由先輩(R6)にご観戦いただきました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。


(記:上田乃維、内田祥子、金子慶汰、寺沢健太)