2024川崎トランポリンジャパンオープン 観戦記

2024年12月6日(金)〜2024年12月8日(日)、川崎市とどろきアリーナにて行われました、2024川崎トランポリンジャパンオープンの観戦記をご報告いたします。

 

マスターズ部門19〜29才の部(男子)…伊保内啓佑(政4)
マスターズ部門19〜29才の部(女子)…永野祐里(商4)、内田祥子(経2)、大脇美怜(商2)、尊田優花(法1)
ジャパンオープン部門(男子)…上田乃維(環4)、金子慶汰(政2)、寺沢健太(理1)


マスターズ部門19〜29才の部(男子)予選
伊保内啓佑
1,パイクルディーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
2,タックバック(後方抱え込み1回宙返り)
3,タックバラニーアウト(前方抱え込み2回宙返り半ひねり)
4,タックダブルバック(後方抱え込み2回宙返り)
5,パイクバラニーアウト(前方屈身2回宙返り半ひねり)
6,レイアウトバック(後方伸身1回宙返り)
7,タックバラニー(前方抱え込み1回宙返り半ひねり)
8,パイクバック(後方屈身1回宙返り)
9,3/4フロント(前方伸身3/4宙返り背落ち)
10,レイアウトランディボールアウト(背落ち〜前方伸身1・1/4宙返り2回半ひねり)

今大会は伊保内にとってトランポリンの最初で最後の公式戦だったため、絶対に通し切るという強い思いを持って臨んだ。また、大会のトップバッターとして、良い流れで次に繋ぐという意識で臨んだ。1本目で回転不足により腰が折れ膝が曲がり、2本目で抱えが不十分で膝が曲がった。3本目で腰が折れ膝が曲がり、捻り終わりが遅れた。4本目で大きく後方に移動し、腰が折れ膝が曲がった。続く5本目でベッドの中心に戻したが、回転不足により腰が折れ膝が曲がった。6本目で膝が曲がったため、レイアウトバックではなくタックバックとなり、ダブルカウントとなった。7本目で腕が体側から離れ、捻り終わりが遅れ、8本目で腰が折れ膝が曲がった。9本目で伸びが不十分で腰が折れ、10本目で腰が折れ膝が曲がり足が開いて、捻り終わりが遅れた。着地が乱れ減点となった。中盤に移動があったが、全体として落ち着いた演技であった。今大会は直前の練習が良かっただけに、改めて練習通りの演技を本番で実施することの難しさを感じた。しかし、体操競技で培った大会への臨み方を活かし、本番ではしっかりと調整ができた。競技人生の集大成としてふさわしい、最高の演技となった。

マスターズ部門19〜29才の部(女子)予選
永野祐里
1,タック1・1/4バック(後方抱え込み1・1/4回宙返り背落ち)
2,タックプルオーバー(背落ち〜後方抱え込み3/4回宙返り)
3,タックバラニー(前方抱え込み1回宙返り半ひねり)
4,レイアウトバック
5,パイクバラニー(前方屈身1回宙返り半ひねり)
6,タックバック
7,パイクバック
8,タックバラニー
9,タックバック
10,パイク前宙(前方屈身1回宙返り)

今大会は永野にとって最後の大会であり、10本全てを宙返りにした構成を通し切ることを目標として臨んだ。1本目で腰が折れ膝が曲がり、開きで腕が体側から離れた。2本目も腰が折れ膝が曲がり、開きで腕が体側から離れた。3本目で腰が折れ膝が曲がって足が開き、捻りきれなかった。4本目で膝が曲がり足が開いた。5本目で腰が折れ膝が曲がって足が開き、捻りきれなかった。6本目で抱えが不十分で開きで腰が折れ、7本目で屈伸姿勢を作りきれず膝が曲がったため、パイクバックではなくタックバックとなり、ダブルカウントとなった。8本目で腰が折れ膝が曲がって足が開き、捻りきれなかった。9本目で抱えが不十分で開きで腰が折れ、10本目で開きで膝が曲がり、腕が体側から離れた。着地が乱れ、減点となった。全ての技を宙返りにしたため、一つ一つの技を丁寧に実施できず、演技点が伸び悩み、総合点は低くなってしまった。しかし、1年前に怪我をした時から目標としていた、全て宙返りの構成を通すという目標を達成できたことは大変喜ばしいことだった。また、4年生になってから怪我や体調不良で大会に出場できることが減ってしまったものの、大会当日に緊張して踏みすぎたり、焦って技をかけてしまうといった2、3年生の頃の課題は、練習で先輩方に通しを見ていただいたり、ルーティンを作ったりといった対策をしたおかげで無くすことができた。怪我をして跳べない期間に、他の選手の大会への臨み方や自分に合うルーティンを模索したことが、急に難度を上げた構成で臨んだ今大会でも活かすことができ、永野にとって大きな自信となった。

尊田優花
1,レイアウトバック
2,レイアウトバラニー(前方伸身1回宙返り半ひねり)
3,ストラドルバウンス(開脚ジャンプ)
4,パイクバック
5,パイクバラニー
6,ストラドルバウンス
7,タックバック
8,タックバラニー
9,ストラドルバウンス
10,パイク前宙

今大会は、宙返りの本数を増やして難度点を上げることを重視し、部内戦と同じ構成で臨んだ。1本目で後方に大きく移動し、腕が体側から離れ足が開き、着地の体勢が崩れた。2本目のジャンプを踏み込めずに力の抜けた宙返りとなってしまったため、1種目中断となった。アップの本数の少なさやメンタルコントロールなどといった点に上手く対応することができず、経験不足と実力不足を痛感する大会となった。

大脇美怜
1,ハーフシート(半ひねり腰落ち)
2,スイブル(腰落ち〜半ひねり腰落ち)
3,ハーフスタンド(腰落ち〜半ひねり立つ)
4,タックバウンス(抱え込みジャンプ)
5,ハーフピルエット(半ひねりジャンプ)
6,シート(腰落ち)
7,フロント(腹落ち)
8,スタンド(腹落ち~立つ)
9,ストラドルバウンス
10,フルピルエット(1回ひねりジャンプ)

今大会は、10本全ての技を基礎技にし、演技点を上げることを目標に臨んだ。1本目で足が開き、腰が折れ、つま先が曲がった。2本目で伸びが不十分で腰が折れ、後方に移動した。3本目でベッドの中心に戻したが、腕が体側から離れ膝が曲がり足が開き、体勢が崩れた。4本目は抱えが不十分で、肘・つま先が曲がった。5本目で伸びが不十分で膝が曲がり、足が開いた。6本目で足が開き、7本目で腰が折れつま先が曲がった。8本目で足が乱れ、9本目で潰しが甘く、10本目で足が開いた。着地が乱れ減点となった。全ての技を基礎技にしたが、目標としていた演技点14.0点には0.5点及ばなかった。練習通りの演技を落ち着いて行うことができ、自分にとっては満足のいく演技であったが、予想以上に減点が多く、自身の認識と実際に減点されるポイントとの乖離を感じた。今後の大会では宙返りを入れた構成にすることを目標としているが、今大会と変わらずに演技点も重視して臨んでいきたい。

内田祥子
1,レイアウトバック
2,タックバウンス
3,タックバック
4,タックバラニー
5,タックバウンス
6,パイクバック
7,タックバウンス
8,パイクバラニー
9,タックバウンス
10,レイアウトバラニー

今大会は、1年間目指してきた1回宙返り6種目を入れた構成を通し切るということを目標に臨んだ。1本目で膝・つま先が曲がり、2本目で抱えが不十分でつま先が曲がり、腕が体側から離れた。3本目で抱えが不十分でつま先が曲がり、開きが遅れた。4本目で膝・つま先が曲がり、開きが遅れた。5本目でつま先が曲がり腕が体側から離れ、6本目で膝・つま先が曲がり、腰が折れた。7本目で抱えが不十分でつま先が曲がり、腕が体側から離れた。8本目で潰しが大きく腕が体側から離れ、捻り終わりが遅れた。9本目で抱えが不十分でつま先が曲がり、10本目で腰が折れつま先が曲がり足が開いた。全体的につま先や膝の曲がりが目立ち、演技点の低い演技となった。しかし、1回宙返り6種目を入れた構成を通し切ったことは自信につながった。今まで課題としてきた会場でのメンタルコントロールを上手くすることができ、落ち着いた状態で試技に臨めたことが目標の達成につながった。今後は1つ1つの技の完成度を高めて、安定感のある演技ができるように練習していきたい。

ジャパンオープン部門(男子)
上田乃維
1,パイクバラニーアウトトリフィス(前方屈身3回宙返り半ひねり)
2,タックハーフインハーフアウトトリフィス(後方抱え込み3回宙返り1回ひねり)
3,タックバラニーアウトトリフィス(前方抱え込み3回宙返り半ひねり)
4,パイクフルインフルアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
5,パイクルディーアウト
6,パイクハーフインルディーアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
7,パイクバラニーアウト
8,パイクハーフインハーフアウト(後方屈身2回宙返り1回ひねり)
9,パイクフルインバラニーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
10,ミラー(後方伸身2回宙返り3回ひねり)

<1回目>
今大会は前回大会である全日本選手権と同じ構成で臨んだ。1、2本目はベッドの中心で決めたが、続く3本目で大きく後方に移動し、回転不足のため膝が曲がった。4本目でベッドの中心に戻し5〜7本目をベッドの中心で決めた。8本目で回転不足により腰が折れ、続く9本目でも回転不足により膝が曲がりバランスを崩した。9本目でバランスを崩していたため、続く10本目でミラーを実施することができずタックバックに変更したが、マットに着地したため9種目中断となった。

<2回目>
今大会が引退試合である上田にとって、この2回目の演技が競技人生の最後の演技となった。1〜4本目をベッドの中心で決めた。続く5本目で回転がかかりすぎたためパイクバラニーアウトに技を変更したが、バランスを崩してしまった。そのため、6本目をレイアウトバックに変更した。5本目でパイクバラニーアウトを実施していたため、7本目をパイクルディーアウトに変更したが、大きく左に移動した。続く8本目で場所が悪かったためタックバックに変更し、ベッドの中心に戻した。9本目で大きく前に移動し、10本目はその場での跳躍となったが、アウトバウンスでブルーマットに着地したため減点となった。1回目、2回目とどちらも思うような演技はできず、悔しい思いで引退することとなったが、最後の大会ということを理由に攻められなかった、精神的に弱かったという反省はなく、自分のもっている力を発揮した上での結果となったため、悔いはなく引退することができた。この失敗で得られた反省点を今後の人生の別のフィールドでの糧にしていきたい。

金子慶汰
1,タックバラニーアウトトリフィス
2,タックハーフインハーフアウト(後方抱え込み2回宙返り1回ひねり)
3,パイクルディーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
4,パイクハーフインハーフアウト(後方屈身2回宙返り1回ひねり)
5,タックルディーアウト(前方抱え込み2回宙返り1回半ひねり)
6,タックダブルバック(後方抱え込み2回宙返り)
7,パイクバラニーアウト(前方屈身2回宙返り半ひねり)
8,パイクダブルバック(後方屈身2回宙返り)
9,タックバラニーアウト(前方抱え込み2回宙返り半ひねり)
10,パイクフルインフルアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)

<1回目>
今大会は新技のタックバラニーアウトトリフィスを使った構成で臨んだ。1、2本目で回転不足のため膝が曲がり、3本目で前方に移動し、回転不足のため膝が曲がった。4本目の潰しで膝が曲がり、5本目で大きく前方に移動し腰が折れた。6本目で勢いを止めきれず後方に移動しブルーマットに着地したため5種目中断となった。新技の1本目を身構えて消極的にかけてしまったことが失敗につながった。

<2回目>
1回目に得た課題を解決すべく攻めた演技を行うことを目標に臨んだ。1本目で回転不足のため膝が曲がり、2本目で大きく後方に移動した。3本目でベッドの中心に戻したが抱えが大きく回転不足のため膝が曲がった。4、5本目で回転不足のため膝が曲がり前方へ移動した。6本目でベッドの中心に戻したがつま先と膝が曲がり、8本目で開きが早く膝が曲がった。10本目で潰しが大きく、開きで足が乱れた。アウトバウンスで大きく後方に移動しブルーマットに着地したため減点となった。全体的に落ち着きがなく、回転不足による膝の曲がりが目立つ演技であった。1本目で体勢が崩れても粘り、修正する力をつけるための練習を心がけていきたい。

寺沢健太
1,レイアウト3/4バック(後方伸身3/4回宙返り腹落ち)
2,タックコディー(腹落ち~後方抱え込み1・1/4回宙返り)
3,レイアウトバラニー
4,レイアウトバック
5,パイクバラニー
6,パイクバック
7,タックバラニー
8,タックバック
9,タックバラニーアウト
10,パイクダブルバック

<1回目>
今大会は難度点を抑えて安定した美しい演技を目標に臨んだ。1〜10本目までベッドの中心で安定した演技を決めた。着地が乱れ減点となった。全体として安定した美しい演技であった。

<2回目>
1回目よりも跳躍時間点を上げることを目標に臨んだ。1〜4本目はベッドの中心で美しく決めたが、5本目で大きく後方に移動し、回転不足のため膝が曲がった。7本目でベッドの中心に戻し、8〜10本目をベッドの中心で美しく決めた。予備ジャンプから高さを上げたが、コントロールしきれず移動の多い演技となり、1回目よりも跳躍時間点が低くなってしまった。今大会は難度点を下げて1回目は安定した演技を実施することができた。今後は、難度点を上げても同じように安定した演技ができるように1つ1つの技の完成度を高めながら練習を進めていきたい。

今大会は部員にとって年内最後の大会であり、特に4年生においては引退試合であった。部員それぞれが高い目標を掲げ、攻めた演技を実施した。今年度の中断率の高さという課題を克服するとともに個人個人が新たな課題も発見することができ、大きな収穫のある結果となった。また、部内戦に引き続き多くのOBOGの方々にも出場いただいたことは、慶應として非常に盛り上がる大会であった。今大会を機に代交代となるが、今後も挑戦する姿勢を崩さずに、より一層部を盛り上げていけるよう精進していきたい。

最後になりましたが、ご指導いただきました中田大輔先生、大嶋諒人先生、新谷昴コーチ、棟朝銀河先輩(H29)、審判を務めてくださいました日垣博考先輩(H29)、浅見杏樹先輩(R3)、ご観戦いただきました首藤聡史先生、三木康弘監督(S62)、岡﨑隆誠監督(H06)、寺嶋政幸監督(H20)、塚田治夫会長(S47)、松平定紀先輩(S51)、加藤直之先輩(S56)、岩垂英彦先輩(S61)、黒井一実先輩(H10)、丸山伸吾先輩(H14)、本郷恵一先輩(H15)、田中雄介先輩(H18)、細川万梨子先輩(H18)、田口洸太郎先輩(H28)、橋本和樹先輩(H30)、岩田優佑先輩(R3)、佐野浩平先輩(R3)、山﨑大司先輩(R3)、南和希先輩(R5)、井上万由先輩(R6)、並びに保護者の方々、オンライン中継でご観戦いただきました皆様、ありがとうございました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。

 

(記:伊保内啓佑、上田乃維、永野祐里、内田祥子、大脇美怜、金子慶汰、尊田優花、寺沢健太)