第40回東日本学生体操競技グループ選手権大会 観戦記

4月26日(土)、日環アリーナ栃木にて行われました、第40回東日本学生体操競技グループ選手権大会の観戦記をご報告いたします。
関係者の皆様は、For OBOGのページから動画も見られますので、ぜひそちらと併せてご覧になってください。

まず初めに男子個人1班観戦記をご報告いたします。

男子個人1班…小澤智也(文4)、釜屋有輝(政4)、黒沢星海(理4)、立花陽空(法4)、小田切伊織(総3)

1種目め…ゆか
1番手…釜屋
1種目め1番手ということで緊張感もあったが、1節目2節目の前向き着地を丁寧に決め、流れに乗ることができた。最終節は危ない形での着地になったものの後ろ1歩に抑え、Eスコアも8点台に乗せることができた。

2番手…小澤
新ルール対応の新たな構成で臨んだ。緊張もあり、1節目の前方伸身宙返り2回ひねりは大きな1歩を出してしまったが、その後は各節の着地をまとめ、Eスコアを8点台に乗せることができた。今後は要求を満たす為のグループⅡのD難度の技に取り組んでいきたい。

3番手…立花
演技全体としては、着地がまとまらず、Eスコアが伸びない結果となった。また、1節目の後方伸身2回宙返りやひねりにおいて空中姿勢の減点が目立ったため、次回の試合では、これらの細部にまで意識を行き届かせた演技を目指したい。

4番手…小田切
演技としては終末技の変更のみで、大きく変わってはいなかったため、前半は着地を狙いにいく姿勢が見られた。しかし後半2節は兼ねてからの課題であるロンダードの蹴り合わせが顕著に見られる結果となった。

5番手…黒沢
1種目めということでやや力が出すぎてしまい、落ち着いた演技ができなかった。特に終末技は、着地加点を狙うあまり、危険な実施となってしまった。1節目が全体的なEスコアの印象を決めるため、着地までまとめられるよう技術を確認していきたい。

2種目め…あん馬
1番手…小澤
昨年の構成の交差技を変更した構成で臨んだ。最初の交差の部分で半ば突き指のような形になり、その後の旋回もぐらつきがあったが、なんとか下り技まで通し切ることができた。今後はこの演技構成をベースに新ルール対応の移動系のD難度を構成に取り入れていきたい。

2番手…立花
昨年からロスを新たに組み込んだ演技構成で臨んだ。ロスは成功したものの、点数はあまり伸びない結果となった。ロスでの足割れや、旋回時の抜き姿勢における膝の曲がりが主な要因と考えられる。今後の練習では、ロス以外の旋回技においても落ち着いた美しい姿勢を保てるよう、トレーニングを積んでいきたい。

3番手…小田切
サークルの質と演技全体の流れを意識した実施であった。序盤で若干慌ててしまう面もあったが、スムーズに終末技まで行けたように見られた。今の構成は安定してきたため、さらなる点数向上のために新技に積極的に取り組んでいきたい。

4番手…黒沢
年明けからの手首の故障により、Dスコアを落として臨んだ。けがの状況を鑑みて、通し練習が積めておらず、予定していた演技を実施できなかった。引き続き手首のケアに努めつつ、ミスしない安定した演技に取り組んでいきたい。

5番手…釜屋
昨年同様の演技構成で臨んだ。終始旋回が上下に揺れるような慌ただしい演技にはなったものの最後まで通し切ることができ、下り技はE難度で従来よりも難度を1つ上げることができた。演技構成はそのままに旋回の質を今後はブラッシュアップしていきたい。

3種目め…つり輪
1番手…立花
1番手ということもあり、緊張感に包まれた空気の中で演技に臨んだ。結果としてミスこそなかったものの、あん馬と同様に膝の曲がりや秒数の曖昧さにより、思うように点数を伸ばすことはできなかった。今後は、終末技であるルドルフを演技に組み込むことも重要であるが、Dスコアを下げたとしても、Eスコアが確実に残るような演技構成や練習メニューを模索していきたい。

2番手…小田切
新たに後方振り上がり倒立を入れた構成を実施した。全体的に倒立位の肘や揺れが顕著に目立つものになった。技が少ない分よりクオリティを上げなければならないため、今後はより決めを意識して練習していく。

3番手…黒沢
演技構成は特に変わっていないが、1つ1つの技の見せ方にこだわり、Eスコアを8点に乗せることができた。取り組んでいる終末技や新たな力技を演技に組み込み、Dスコアの向上とさらなるEスコアを狙っていきたい。

4番手…釜屋
新たに振り上がり中水平と下り技のルドルフを入れて臨んだ。中水平の姿勢が未だ少し高いものの、静止時間や倒立の姿勢にこだわったことでEスコアでも8点半ばの評価をいただくことができた。DスコアとEスコアのバランスを保つのが難しい種目でもあるので、まずは中水平の姿勢を真っ直ぐにできるようトレーニングに取り組んでいきたい。

5番手…小澤
昨年から下り技をバラバノフに変えた構成で臨んだ。力技の見せ方、倒立の姿勢など細部にまでこだわり、着地も小さな1歩で納め、Eスコアも8点中盤に乗せることができた。今後はこの通しを維持しながら要求を満たす為に力技に取り組んでいく。

4種目め…跳馬
1番手…小田切
長年課題であった種目であるが、今回初めてドリックスを実施することができた。着地が後ろに一歩踏み出してしまい、ラインオーバーという結果になってしまったが、公式戦でできたことに収穫を感じた。今後は成功率を上げるとともに、より安定感のある跳躍ができるようにしていきたい。

2番手…黒沢
ゆかの終末技での筋肉疲労が影響し、大きく着地がよろけてラインオーバーしてしまった。練習で取り組んでいるアカピアンの完成を急ぐとともに、カサマツの安定感と丁寧さも磨いていきたい。

3番手…釜屋
昨年同様ローユンを跳躍した。高さ、着地含め今までに無いベストな出来でEスコアも9点台をマークすることができた。さらに余裕のある跳躍ができるよう今後はポリンボードを使っての感覚練習も取り入れていきたい。

4番手…小澤
一昨年から練習していたアカピアンを公式戦で初めて実施した。練習での成功率も半分程度であったが、回転不足となり、前に転倒してしまった。技をかけるハードル自体は低くなっているので、今後は完成度を上げ、余裕を持った跳躍ができるようにしていきたい。

5番手…立花
今回は、前日練習および当日のコンディションを踏まえ、ユルチェンコ2回半ひねりには挑戦しなかった。結果として2回ひねりにとどめたが、着手時に潰れてしまい、手を前につく形となった。今後は、着手前のロンダートを見直すとともに、後半の立ち上げの練習も並行して行っていきたい。

5種目め…平行棒
1番手…黒沢
演技前半は丁寧さを意識して実施できたが、終末技で回転をコントロールできず転倒してしまった。通し自体には心配はないため、前日練習や直前練習を丁寧に行うことを心がける。

2番手…釜屋
新たにバブサーを入れて臨んだ。演技の流れとしてはかなりスムーズに最後の着地まで決め切ることができたが、途中の手の握り変えが多く目立ち、Eスコアは7点台後半と伸び悩んだ。練習でも詰めきれていない部分ではあったので、今後はこうした細部にもこだわって練習に取り組んでいきたい。

3番手…小澤
昨年度の構成に、Dツイストとピンコカットを取り入れた構成で臨んだ。Dツイストで歪みが見られたものの、大きなミスなくまとめ、最後の着地も1歩で留めた。今後は演技構成はそのままで完成度を上げ、13点台に乗せられるようにしていきたい。

4番手…立花
今大会では、新たにガッツンを組み込んだ演技で臨んだ。新技は成功したが、前半のホンマや中盤のツイストでミスが生じ、Eスコアが6点台にとどまった。この種目では以前から、練習では出ないミスが試合本番で起こる傾向があったため、技術的な問題というよりは、1種目前の跳馬のミスを引きずったメンタル面の影響が大きかったと考える。今後は、メンタルの切り替えや集中力の維持について、普段の練習や通し練習から意識して取り組んでいきたい。

5番手…小田切
新たに入れたディアミドフ¼ひねりで流れてしまい危ない面もあったが、最後までなんとか通し切ることができた。しかし、すべての技において手ずらしや角度といった減点があるようにも感じた。1つ1つの技に対する理解度をさらに深め、流れを意識した練習を積んでいきたい。

6種目め…鉄棒
1番手…釜屋
新たに伸身トカチェフと下り技の伸身ルドルフを入れて臨んだ。途中のアドラーハーフは少し流れてしまったものの、その後の伸身トカチェフは腰曲がりの無い実施を行うことができ、最後の着地も止めることができた。この実施を毎回の通しで出せるよう練習でも意識していきたい。

2番手…小澤
新たにアドラーハーフと開脚ピアッティを加えた構成で臨んだ。アドラーハーフが流れてしまい、その後の開脚ピアッティで落下してしまった。2度目の開脚ピアッティは成功し、その後は大きなミスなくまとめたものの、着地も1歩動いてしまい止めることができなかった。今後は開脚ピアッティの完成度を上げつつ、着地を止める練習をしていきたい。

3番手…立花
本大会では、新たに屈身イエガーを組み込んだ構成で臨んだ。屈身イエガーにおいては過去最高の出来を披露することができ、中盤の技でやや流れたものの、前2種目のミスを引きずることなく、堂々と演技することができた。今後は、アドラーおよび大逆手車輪を取り入れた構成に戻し、更なる高みを目指していきたい。

4番手…小田切
今までの構成をベースに、新たに要求を満たすためにアドラーハーフを入れた構成を実施した。筋反応が良く若干流れ気味となったが、それ以外は安定した実施が見られた。しかしEスコアは8点に満たなかったため、今後は倒立位の角度や着地姿勢などを意識して練習していく。

5番手…黒沢
手首の故障から逆手の技は実施せずコンパクトな通しを行った。終末技は着地を狙ったが、やや開きが足りず大きな1歩が出てしまった。より高いEスコアと着地加点を得られるように練習に励んでいきたい。

小澤は、新ルール対応の新たな技を加えて臨んだが、いくつか大過失が出てしまった。しかし練習で成功していた部分はそのまま出すことができたので、東日本インカレに向けて不安な箇所をつぶし、自信を持って臨めるよう、今回出たミスを受け止めて日々の練習に活かしていきたい。

釜屋は、シーズン初戦且つルール改正後初試合ではあったものの、大過失無く試合を終えることができた。オフシーズンに取り組んだ技や通し練習の方向性含め間違っていなかったことが本大会を通して再確認することができた為、東日本インカレに向けて今の演技を更にブラッシュアップできるよう注力していきたい。

黒沢は、Eスコアを意識した演技で、一部種目では目標を達成できたものの、全体的には力みが出て7点台後半になってしまう試合となった。演技のベース自体は仕上げられていると感じているため、着地加点や取り組んでいる新ルール対応の技などを取り入れ、通しのリズム、試合のリズムをいち早くつかめるようにしていきたい。

立花は、秒数や膝曲がりといったEスコアの面で反省点が多い試合であった。演技を通すことができたとしても、大過失のあった部員と同じくらいの点数にとどまる種目が多かったため、今後は細かい部分にもこだわりつつ、自身の強みであるダイナミックな演技を発揮していきたい。また、メンタル面においては、苦手意識のある平行棒に入る前のスイッチの切り替えや、普段の練習において通しを多く取り入れるなど、対策を講じていきたいと考える。個人5名のオープン参加ではあったが、チームを意識した声掛けやコミュニケーションをしっかりと行うことができ、チームとしては最高のスタートを切ることができた。

小田切は、春先にかけて通しの頻度を上げ、通すことへの抵抗と最後まで続ける力をつける練習を積んできた。ゆかでの大過失はあったものの、全体的にはいい流れであったと思う。しかし、美しさでの評価を得ることができず課題点が残った。来月の東日本インカレに向けて、Eスコア50点を掲げ練習をしていきたい。また現状でDスコア面でも遅れをとっていると感じているため、安定している種目においては1つ技を増やした構成を実施できるようにしたい。

(記:小澤智也、釜屋有輝、黒沢星海、立花陽空、小田切伊織)

続いて男子個人2班観戦記をご報告いたします。

男子個人2班…篠田晴三朗(文1)、辻岡大歩(法1)

1種目め…平行棒
1番手…篠田
昨シーズンとほぼ同じ構成ということもあり安定した実施ができた。しかし、この冬に力を入れていた終末技の着地は少し乱れてしまったため、今後は着地を止められるように精度を上げていきたい。

2番手…辻岡
新たにピンコカットを加えた構成で臨んだ。ピンコカットに意識がそれ、ヒーリーで体重が後ろに残り停滞してしまった。その後も落ち着くことができず、ピンコカットにおいても器具上に足が乗る形となった。下り技は着地を取ることはできたが、自ら止めに行く実施ができていないため改善していきたい。また、カットを失敗したことでグループ1が無くなり、Dスコアが大きく下がってしまったため、今後は似た場面でも前振り倒立を加えるなど、冷静に判断できるようにしていく。

2種目め…鉄棒
1番手…辻岡
新たにアドラーハーフを加えた構成で臨んだ。前日練習から鉄棒のしなり方に少し違和感があったものの、うまく調節することができた。閉脚シュタルダーの練習では足が早く抜けてしまう傾向があり、深く足を入れるよう意識したために足が引っかかる実施となった。想定にないミスに動揺したが、その後の終末技は着地を狙いにいき、止めることができた。今後は伸身トカチェフやチェコ式車輪を含んだ演技構成にしていきたい。

2番手…篠田
新たにアドラーハーフとギンガーを入れた演技構成で臨んだ。今大会で最も不安だったギンガーは多少乱れたものの、なんとか成功させることができ、その後もまとまった実施ができた。しかし、以前からの課題である終末技の姿勢や縦回転不足は、依然解決していないので、早急に解決し着地まで確実に狙えるようにしたい。

3種目め…ゆか
1番手…篠田
新ルール対応のため、最終節に後方屈身2回宙返りを入れた構成で臨んだ。休憩後、身体が冷えていたことと疲労もあって、後方屈身2回宙返り前のバク転が浮いてしまい、その結果、後方屈身2回宙返りの回転が足りずに失敗してしまった。今後は通し切る体力をつけ、当日には休憩中の動きを見直すことで最終節の着地を狙えるほどに精度を上げていきたい。

2番手…辻岡
鉄棒の1番手の後休憩を挟み、集中を切らさないように意識していたが、ゆかが6番手であったこともあり、体が少し冷えた状態になってしまった。1節目の2回ひねりでは大きく前に1歩出してしまったものの、それ以外は着地を狙い、すべて止めることができた。着地が4分の3止まったことでEスコアを8.5いただき、改めて新ルールの着地の重要性を実感した。この経験を活かし、今後も着地を狙いにいく実施をしていく。

4種目め…あん馬
1番手…篠田
昨シーズンと同じ構成で普段から安定しているあん馬だが、3種目めのゆかに続き、疲労により終始旋回が乱れ、苦しい演技となった。予定していたフロップも実施できなかったが、なんとか大過失なく演技を終えることができたため、想像以上にEスコアが残る結果となった。今後も多少乱れても、最後まで通し切れるよう心がけていきたい。

2番手…辻岡
新たにDコンバインを加えた演技で臨んだ。練習では疲れが溜まると縮こまった旋回になる傾向があるため、大きく旋回をする意識をした。Dフロップや前移動、シバドは流れ良く行うことができたが下り技でひねることを意識しすぎた結果、落下してしまった。疲れが溜まった状態での下り技の苦手意識があるため、移動技の向きの改善を意識しながら、下り技まで繋げる練習に取り組んでいきたい。

5種目め…つり輪
1番手…篠田
新たにデルチェフと後ろ振り倒立を入れた演技構成で臨んだ。ゆか、あん馬とは違い、残り2種目と終わりが見えてきたことで、疲労はありながらも力を振り絞り、良い実施ができた。ここ数ヶ月力を入れてきた着地も決まり、Eスコア8.35と高得点だった。今後は振動系の肘曲がりの改善とDスコアも上げれるよう力技にも注力していきたい。

2番手…辻岡
昨年と同じ構成で臨んだ。前半部分はヤマワキのつま先も意識して伸ばすことができ、流れ良く実施することができた。しかし、練習においてもミスの多いバラバノフの開きが早く、後ろに転倒してしまう形となった。今後はバラバノフの膝曲がりを改善するとともに、開きを待てるようにしていきたい。また、十字懸垂といった力技にも挑戦していきたい。

6種目め…跳馬
1番手…篠田
長年使い続けているカサマツを実施した。特に不安要素もなく無難に跳躍できた。今後は着地を狙うとともにさらにひねりを増やせるよう、着手からの立ち上がりを見直していきたい。

2番手…辻岡
試合会場の跳馬と相性が良く会場練習も上手くできていたため、自信を持って挑むことができた。着地を止めにいった結果、後ろに一歩出る形となってしまった。今後はカサマツであれば確実に着地を止められるようにし、ポリンボードを活用して、ひねりを増やした技を実施できるよう練習していきたい。

本大会は、昨年から大きくルールが変わり、各自が新たな技を多くいれた状態で臨む初戦であった。大過失は多く見られたが、冬から春先にかけての練習の成果が多くあったと感じる。また個人戦ではあったものの団体としてのまとまりも強く、ほとんどの種目で大過失を1つ以内に抑えることができた。

篠田は、大学生としての初めての大会であった。高校時代の大会とは雰囲気がまるで違い、今までにないほどの疲労を感じる大会でもあった。長時間に渡る大会をやり抜く体力、他校の空気に呑まれないメンタルなど、技術面以外で足りない部分が明確になった。今後は普段から今まで以上に緊張感を持ち、本番をイメージして練習に取り組んでいきたい。

辻岡は、通し切るという点における未熟さと重要さを痛感する試合となった。今回失敗した箇所は普段の練習からも見られており、試合特有の雰囲気や緊張感が原因とは考えづらく、自分の修正不足や練習不足を痛感した。しかし、ミスした種目でも7点中盤のEスコアをいただくことができ、丁寧な実施をすれば評価されるとも感じた。そのため、今後は現在の通しを基盤にしつつ、丁寧さを保ちながらも、グループ獲得を目指して新たな技に挑戦していきたい。

(記:篠田晴三朗、辻岡大歩)

続いて女子個人観戦記をご報告いたします。

女子個人…森千紗(法4)、稲垣香花(商3)、庄司眞菜(理2)

1種目め…段違い平行棒
1番手…森
現時点で最も安定している通しで臨んだ。振り上げ倒立、ほん転倒立での倒立の決めの甘さや、フットカットでの高棒との接近が目立つが、全体的にはまとまった演技であった。今後は低棒、高棒でも倒立が決められるよう、練習を積んでいく。

2番手…稲垣
昨年と同じ演技構成で臨んだが、フットカットでの切り返しが弱く、高棒でのけ上がり後に停滞してしまった。今後は、日頃の練習から停滞をなくしていくとともに、車輪を入れた演技構成を組めるよう練習を重ねていく。

3番手…庄司
昨年の新人戦から、後ろ回りによる停滞減点が取られない構成に変更して臨んだ。停滞のない通しを行うことができた点はよかったが、前回り、フットカットなどの技における膝やつま先の緩みが目立ったため、東日本インカレに向けては細部まで意識した演技を徹底したい。また、東日本インカレでは前方足裏支持回転も構成に加えられるよう練習していく。

2種目め…平均台
1番手…稲垣
昨年と同じ演技構成で臨んだ。序盤に座の1回転ターン前の動きで落下してしまい、転回で大きくふらついてしまった。その後は大きなふらつきもなく通し切った。東日本インカレでは落下やふらつきのない安定した演技を目指し今後の練習に励んでいく。

2番手…庄司
昨年と同じ構成で臨んだ。側方倒立回転で落下してしまったが、それ以外の技では大きなふらつきがない実施ができた。しかし、ジャンプの開脚度や、演技の丁寧さについては課題として残っているため、今後の大会に向けて丁寧な実施ができるような練習を積んでいきたい。

3番手…森
昨年から、上がり技を前後開脚交差ジャンプに変更し、さらに中技に前後開脚ジャンプ〜ウルフジャンプを取り入れた構成で挑んだ。ルール改正を受け、Dスコアを抑え、Eスコアの向上を狙った演技を行った結果、落下はあったものの高いEスコアを出すことができた。今後はよりふらつきや、リズム、姿勢に着目し、美しい演技を行えるよう励んでいきたい。

3種目め…ゆか
1番手…庄司
昨年の新人戦の構成から、1本目を前方抱え込み宙返り〜ロンダート〜後方抱え込み宙返りに、2本目を前方屈身宙返りに変更した構成で臨んだ。新ルールから減点項目がより多くなった芸術性について、チェック等で多くの指摘をいただき意識的に練習を重ねた。そのため、前大会やチェックに比べ高いEスコアを出すことができてよかった。今後は、前方伸身宙返りや後方伸身宙返りなどを通しに入れられるよう練習したい。

2番手…森
昨年から、アクロバットの難度を下げ、芸術性で高い評価を得ることを目指した演技に挑戦した。演技全体の流れを大切にすることで、結果的に高いEスコアを獲得することができた。東日本インカレに向けては、一般規則に合わせた1回ひねりを取り入れつつ、表現力の落ちない演技を目指して練習していく。

3番手…稲垣
昨年から難度を下げた演技構成で臨み、全体的に無難な演技であった。芸術性に関しては、姿勢や動きの大きさ、足先までの意識をチェックで指摘をいただいたが、上手く反映できずEスコアが伸びなかった。東日本インカレでEスコアを伸ばせるよう、今後は細部まで意識した丁寧な演技が出来るよう練習をしていく。

4種目め…跳馬
1番手…森
転回1回ひねりを実施し、2本とも前一歩に抑えた演技であった。大きな減点もなく、安定感を重視した実施であった。

2番手…稲垣
1本目、2本目ともに転回跳びを実施した。1本目は前に大きく一歩出たものの、2本目は着地を止めることが出来た。東日本インカレでは転回1回ひねりを実施できるよう練習を積んでいく。

3番手…庄司
1本目2本目とも転回跳びを実施した。2本とも第一空中局面で腰が折れ、着地まで腰が折れてしまったため、Eスコアを伸ばすことができなかった。今後は、転回跳びの姿勢を綺麗にすることに努めつつ、転回跳び1回ひねりを実施できるよう練習していきたい。

本大会は、個人で東日本インカレに出場するための大事な初戦であった。新ルールに変更し、より芸術性が求められる中、冬から春先にかけて取り組んできた成果を発揮し、表現力の部分で高く評価されたように感じる。無事3人で突破できたため、次なる試合に向けてより高い表現力と技術を磨き、完成度の高い実施を見せられるよう練習を積んでいきたい。

森は、昨年から難度点を下げ、表現力の部分での評価を狙うような演技構成で臨んだ。結果的には、全種目において安定した演技を見せ、落下はあったものの過去最高のEスコアを獲得することができた。一般規則で通用する演技に向けて、より確実な段違い平行棒での演技、1回ひねりを取り入れたゆか、新しいアクロバットを入れた平均台を準備し、東日本インカレに挑んでいく。

稲垣は、昨年から演技構成に変更がなかったため全種目ノーミスでの演技を目標としていたが、段違い平行棒で停滞、平均台で落下などの過失が出てしまった。また、平均台とゆかでの振り付けに関しては細部まで意識が行き届かず、日頃の練習から意識していく必要性を強く感じた。東日本インカレでは過失のない安定した演技が出来るよう練習を積んでいきたい。

庄司は、昨年の新人戦から、構成要求をより多く満たせるような構成に変更して臨み、Dスコアを上げた通しを行った。また、今年度から芸術性においての減点項目が増え、ゆかや平均台等の振りを含む種目では表現力が求められるようになったため、技を完成させたあとは振りの練習を重点的に行った。平均台、ゆかでは新人戦に比べ高いEスコアを出すことができたため、今後も技の練習に並行して表現力を高める練習も重ねていきたい。また、東グループに向け、変更規則Ⅰに合わせた構成を組んでいた種目もあるため、東日本インカレに向けて一般規則に合わせた構成の練習をしっかり行っていきたい。

(記:森千紗、稲垣香花、庄司眞菜)

最後になりましたが、ご帯同くださいました塚田治夫会長(S47)、コーチを務めてくださいました首藤聡史先生ありがとうございました。また、本大会にはご多忙の中、永久千尋監督(H18)、松平定紀先輩(S51)、加藤直之先輩(S56)、岩垂英彦先輩(S61)、黒井一実先輩(H10)、田口洸太郎先輩(H28)、並びに多くの保護者の方にご観戦いただきました。この場をお借りして深く御礼申し上げます。