2023年5月4日(木)、神奈川県立スポーツセンター アリーナ1にて行われました、令和5年度神奈川県体操競技選手権大会 兼 特別国体神奈川県予選会 成年の部の観戦記をご報告いたします。なお、釜屋(政2)は怪我の為、棄権しました。
関係者の皆様は、For OBOG のページから動画も見られますので、是非そちらと併せてご覧になってください。
男子個人…伊保内啓佑(政3)、浦口優(商3)、黒沢星海(理2)、立花陽空(法2)
ゆか
黒沢
右足首の怪我の影響もあり、中々通し練習を積むことが出来なかったが、全体的にまとまりのある演技ができた。着地まで意識できている技が少ない為、空中感覚を鍛えつつ、Dスコア向上に努めていきたい。
立花
左足踵の怪我の為、棄権した。
伊保内
2種目めとなったゆかは、全体的にまとまった演技となった。冬から通してきていた分、体力面も問題なく、最後の後方3回ひねりまで着地に意識が向いた。Dスコアは5.5と比較的抑えた演技だったが、夏に向けていいスタートとなった。
浦口
今回のゆかは、冬から通しこみをたくさん積んできた分、緊張感を持って臨んだ。最初のルドルフで着地を狙うがあまり、詰まった実施となった。その後も、着地の乱れが多くあまりまとまっていない演技となった。個人的にかなり悔しい内容となったので、安定性の向上を目指してより通しこんでいきたい。
あん馬
黒沢
久しぶりの声出し応援に圧倒されそうになったが、なんとか下り前までは持ちこたえることができた。昨シーズンからの課題である終末技は、倒立で押し切れず落下してしまった。演技全体の安定感が出てきたので、終末技の技術と旋回の質を高めていきたい。
立花
スタート種目となったあん馬は、少し緊張がありいつものように大きな旋回で演技ができなかった。そのため、普段失敗しないシュテクリAで失敗をしてしまった。ただ、練習は積めていた為、今後は自信を持って大きく演技していきたい。
伊保内
3種目めとなったあん馬は、ゆかと鉄棒による疲労感から、慌しい演技となってしまい、下り技直前の伏臥で落下してしまった。ただ、これまでに無い程落ち着いて演技できたことは今後の自信にも繋がる内容となった。まだまだ安定感の低い種目である為、引き続き熟練性に磨きをかけていきたい。
浦口
前移動とシバドを組み込んだ新構成で臨んだ。前からの課題であったセア倒立はスムーズにこなすことができたが、その後のDフロップで落下してしまった。しかし新技を含んだその後の技は落ち着いて実施することができた。Dフロップは会場練習から不安定であり、本番もそのまま失敗してしまったため、単純な習熟度の低さが露呈する形となった。東日本インカレに向けて安定した演技を作り上げていきたい。
つり輪
黒沢
十字のキメなど細かいところまで意識することができた。振動系の技に強い苦手意識がある為、基礎的な動作から確認していきたい。また、得意な十字懸垂のバリエーションを増やし、力強い演技を組み立てていきたい。
立花
本大会は、中水平を抜いてEスコアを重視した演技を行なった。ジョナサン〜ヤマワキの膝、つま先を意識してできたことが今回の収穫となった。今後は、力技を入れて着地までまとめられる演技を目指していきたい。
伊保内
4種目めのつり輪は、頸椎の怪我の影響でDスコアを抑えた演技であったが、なんとか通し切る事ができた。力不足による減点が多い為、今後はしっかりと補強にも取り組んでいく必要がある。まずはしっかりと元の演技に戻し、点数を取っていきたい所である。
浦口
今回は、公式戦でサルトハーフを初めて組み込んだ構成で臨んだ。前半の振り上がり上水平と中水平を良い実施で決め、その後の振動系も落ち着いて行うことができた。最後の下り技も着地を1歩で抑えることができ、まずまずの出来となった。今後は、ジョナサンを取り入れた通しを早急に作っていきたい。
跳馬
黒沢
大きく右にズレてしまったものの、カサマツを決めることができた。普段からラインオーバーしてしまう癖がある為、跳躍の軌道を見直していきたい。また、足腰を強化してアカピアンを跳べるようにしていきたい。
立花
左足踵の怪我の為、棄権した。
伊保内
5種目めの跳馬はアカピアンを実施した。長年跳んでいる技でもあり、着地まで狙えた安定した実施であった。ドリックスの習得が急がれることから、跳馬には一層力を入れて練習をしていきたい。
浦口
今回はいつもよりDスコアを下げ、アカピアンを実施した。準備姿勢をきちんと強調し着地も一歩で抑えることができた。今後は、ドリックスやロペスの実施を視野に入れて練習していきたい。
平行棒
黒沢
練習の中で、着地の恐怖から終末技の後方屈身2回宙返り下りで後ろに転倒する実施が多く見られており、本番でも同じミスが出てしまった。練習の中で着地を止める意識を高め、安定感を出していきたい。
立花
前回から新しくDツイストを組み込んだ構成で挑んだ。前半のホンマから後半のツイストまでいい流れを作れたが、下りの後方屈身2回宙返りで左足を庇い後ろに倒れる形となった。転倒しながらもEスコアを7点台に乗せられた為、このまま新しい技にどんどん挑戦していきたい。
伊保内
最終種目の平行棒は、昨年からDスコアを0.5上げてきた種目であり、普段の練習でも安定させるのに苦労してきた。その為、慌てた場面が目立ち、点数も伸び悩む内容となった。今後はあと2つほど技を増やしつつ、熟練性も高めていきたい所である。
浦口
今回、新しくヒーリーを取り入れた新構成で臨んだ。前半のヒーリーは決めることができ、その後の車輪〜モイ〜チッペルトの流れも落ち着きはなかったものの、なんとか決め切ることができた。今後は、Dスコアの向上とともに落ち着いて演技できるよう練習を積んでいきたい。
鉄棒
黒沢
倒立の角度や車輪の大きさなど丁寧な演技を心がけ、終末技の着地までまとめることができた。力まず、雄大な車輪が演技の中でできるように練習していくと同時に、終末技の伸身ムーンサルトを早急に取り入れていきたい。
立花
今大会から新しくアドラーとアドラーハーフを組み込んだ構成で挑んだ。アドラーハーフが少し流れてしまい、その後のホップターンも受ける時に胸が落ちてしまった為、納得のいく演技とはならなかった。下りも左足の影響で伸身宙返りに変更した。構成的には難しいものではない為、今後は倒立のキメや、角度まで意識して練習していきたい。
伊保内
1種目めとなった鉄棒は昨シーズンから最も力を入れて練習してきた種目であった。新しく取り入れたコバチで落下してしまったものの、初めて試合で実施できた事は大きな収穫と言える。閉脚シュタルダーやホップターンといった減点が多い箇所は今後の課題点である。
浦口
今大会からアドラーハーフを新しく取り入れた構成で臨んだ。前半のコスミックは良い実施を決めたものの、アドラーハーフは力んでしまい倒立姿勢から逸脱してしまった。今後はアドラーハーフの修正を行いつつ、技数を増やしていきたい。
今大会は、冬場に習得した新しい技を演技に取り入れたため、荒削りな部分が露呈した試合となった。しかし一方で、試合会場で技を成功させたことで今度の試合に向けて新構成への自信を得ることもできた。久しぶりの声出し応援のお陰もあり、会場は賑やかな雰囲気に包まれていた。シーズン開幕とともに、慶應の応援のもと一体感のある試合ができた。
黒沢は、昨年冬の新人戦とほぼ同じ通しであったものの、以前より余裕を持って演技することができた。チェックでのミスも昨シーズンに比べて着実に減ってきているため、現状の基本的な通しを大切に育てていきたい。ゆかのこなしやつり輪のキメ、倒立姿勢など全体の印象を決める細かい要素への着目を忘れずに、基礎をきちんと踏み固めつつ、夏に向けて難度を高めていきたい。
立花は、前日練習の怪我の影響で床と跳馬の2種目を棄権という形で終えた。いい体の状態で会場まで調整できていたからこそ悔しい結果となった。今後は足の治療と共に、東日本インカレまで他4種目の捌きや安定性を磨き、つり輪に関しては力技を進取果敢に取り組んでいきたい。
伊保内は、大きな怪我こそ無かったものの、頸椎の怪我の影響で練習を積み切れなかった事が非常に悔やまれる内容となった。しかし、本大会で多くの課題点を洗い出せたため、それらを一つ一つ丁寧に修正し、まずは月末に控える東日本インカレに向けてしっかりと調整していきたい。
浦口は、冬場の練習を怪我なく乗り越えることができ、例年よりも準備を進めた状態で試合に臨むことができた。この時期の仕上がりとしては例年よりも格段によくなっているが、本番での決定力の欠如が課題として浮き彫りになった。東日本インカレに向けて、通しの安定性の向上を意識した練習を行っていきたい。
最後になりましたが、帯同していただきました首藤聡史先生、久永将太先生、審判を務めていただきました田口洸太郎先輩(H28)、佐野浩平先輩(R2)ありがとうございました。また、今大会には御多忙の中、松平定紀先輩(S51)、岡﨑隆誠先輩(H6)、並びに多くの保護者の方々にご観戦いただきました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。
(記:伊保内啓佑、浦口優、黒沢星海、立花陽空)