焼け石と水

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、理工学部物理情報工学科2年の黒沢星海です。

2023年春、コロナ禍の終焉に呼応するように、蝮谷は多くの来客を迎えました。中でも幼稚舎体操教室の再開に伴い、多くの幼稚舎生がこの体育館を訪れ、共に体操を楽しんでくれたと思います。サブコーチとして関わらせていただいた私としては、これからも体を動かす楽しさを噛み締めながら、情熱を忘れずにスポーツを続けてくれたら嬉しいです。願わくは、再びこの蝮谷で顔を合わせ、体操をする彼ら彼女らの姿を応援したいものです。とはいえ、桃栗三年柿八年と言いますから、小さな苗が立派に育つのを、気長に待ちたいと思います。

 

さて、別の来客として、今年から我らが器械体操部も、トレーナーの方に来ていただけることになりました。演技力を根本から改善するために基礎トレーニングを考えてくださり、チームで取り組み始めて2ヶ月強が経った今、僅かながらも様々な成長を感じています。勉強においてもスポーツにおいても、基礎がなければ応用のしようがありませんが、淡白で堅苦しい基礎の反復を行っていると、どうしても華々しい、そして刺激のあるものに目移りしそうになります。かねてより慶應一アツイ男を目指している私にとって、このような誘惑は取るに足らないことであり、同時にそうでなくてはアツイ男には程遠いでしょう。最近の練習を振り返ると、試合シーズン真っ只中であるため、いかに通しに力を入れるか、いかに翌日に疲れを残さないかということに重きを置いていたように感じます。全日本インカレまでの残り短い時間も、オフシーズンに入りこれまで以上に自分の体操と向き合える期間も、常に過去の自分を超えられるように情熱を注いで、全身全霊を捧げていきたいと思います。

ただ一方で、やはりがむしゃらにやるだけでは手に入らないものも存在します。先程述べた基礎トレーニングは、その意味を理解して、技や通しの中に取り入れることではじめて成長に繋がります。もちろん新しい技を行う時、技に行き詰まった時、チェックのフィードバックを受け取った時など、様々な局面で思考を巡らせ、実践に努めてきました。体操に関するボキャブラリーが増えた今、より綿密によりシンプルに自己を分析していきたいと思います。

 

ダラダラと書き連ねてしまいましたが、要は熱意と冷静さを組み合わせてよりよい練習をしていきたい、その一心に尽きます。状況に応じてそれらを使い分ける器用さと、どちらかに偏りすぎない適度なバランスが重要でしょう。ありきたりではありますが、大切な夏の期間を無駄にしないために、ここで改めて自戒させていただきます。それらをごちゃごちゃにして、焼け石に水となってしまっては、勿体ないですから。

 

長く拙い文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。