音と記憶

こんにちは、本日のリレー日記を担当させていただきます、法学部法律学科3年の南和希です。
ついに先日梅雨明けし、本格的な夏のシーズンが到来しました。この時期は体が暑さに慣れていないこともあり、熱中症になりやすいそうなので、皆様お体にはお気を付けください。

さて、今日は記憶について書こうと思います。
というのも、先日、去年よく聴いて励ましてもらっていた曲をたまたま久しぶりに聴いたのですが、その時急にその曲を聴いていた頃の感情が鮮明に呼び起されたのです。その感情が非常に鮮明だったので驚きを感じ、今回書くことにしました。

話が戻りますが、その曲を聴いて思い起こされた感情には、当時の私が感じていたものだけでなく、感じていなかった潜在的な感情も混ざっていました。当時の私はあまりにも切羽詰まっていて、自分のことを顧みる余裕もなかったのですが、その時の潜在的な感情が、音と関連付けられて保存されていたようです。テストの勉強の時は自分の意思で覚えようとしてもなかなか覚えられないのに、自分が意識すらしていなかった感情は鮮明に記憶されるものなのかと驚きを感じました。このような体験をしたことがあるのは私だけでしょうか…

思い返してみれば、音に限らず、においや味でもこのような体験をすることがあります。街中ですれ違った人や物のにおいや、食べた物の味から、瞬時に感情がよみがえるのです。それも、楽しい、嬉しい、悲しいといった単純なものではなく、その時の私が置かれていた環境等の背景事情も含む様々な思いが混ざった複雑な感情が、自分がその時に戻ったかのような鮮明さでよみがえるのです。私の経験からすると、このような感情は自分の意思で再現しようとしてもできず、音やにおい、味といった外部的な刺激の力を借りなければよみがえらせられないようです。とても不思議です。

昨年コロナが流行りだして、久しぶりにマスクをした時には、病気になった時の感情を思い出しました。私はマスクをするのが嫌いで、以前は体調不良で病院に行くときぐらいにしかマスクをしていなかったので、頭の中でマスクのにおいと病気の時の感情が関連付けられて保存されていたのだと思います。

しかし、コロナの影響で、ここ1年マスクをしない日はなくなりました。
コロナとの付き合いも今年で2年目に入り、何かと制限が多い今の生活にも慣れ、少なくとも、顕在化している感情の上では今の生活について何も感じなくなってきてしまいました。しかし、今の私が潜在的に持っている感情を、マスクのにおいは保存してくれている気がします。
はるかな後年、コロナが収束してマスクが不要になる時代が来たとしたら…未来の私はマスクのにおいをかいだ時、コロナ禍の2019年~2021年の感情を思い出すでしょうか。
そんな日が早く来ることを願います。

とりとめのない文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。