第57回全日本学生トランポリン競技選手権大会 観戦記

2022年8月20日(土)、エフピコアリーナふくやまにて行われました、第57回全日本学生トランポリン競技選手権大会の観戦記をご報告いたします。



個人競技Cクラス女子…永野祐里(商2)
個人競技Aクラス男子…岡﨑優太(政4)、 南和希(法4) 、上田乃維(環2)
シンクロナイズド競技 Aクラス男子…岡﨑優太・南和希ペア

個人競技Cクラス女子
永野祐里
<規定演技>
1,フルシート(1回ひねり腰落ち)
2,スイブル(腰落ち~半ひねり腰落ち)
3,ハーフスタンド(腰落ち~半ひねり立つ)
4,タックバウンス(抱え込みジャンプ)
5,ハーフフロント(半ひねり腹落ち)
6,ハーフターンテーブル(腹落ち~半ひねり腹落ち)
7,スタンド(腹落ち~立つ)
8,ストラドルバウンス(開脚ジャンプ)
9,バックドロップ(背落ち)
10,スタンド(背落ち~立つ)

今大会は、永野にとって大学デビュー戦であった。1本目をベッドの中心で決め、良い入りから演技に臨むことができた。4本目では抱え込みの姿勢が甘く、つま先も伸ばすことができなかった。また、6本目で足の締めが甘くなってしまうとともに、一番苦手意識を持っていた9本目でも身体を締めることができなかった。10本目で前方に移動し、体勢を崩してしまったが、落ち着いて静止を決め、通し切った。全体的につま先の伸びの甘さや膝の曲がりなどが目立ち、減点の多い演技となってしまった。

<自由演技>
1,タックバック(後方抱え込み1回宙返り)
2,タックバウンス
3,シート(腰落ち)
4,スイブル
5,ハーフスタンド
6,ハーフピルエット(半ひねりジャンプ)
7,ハーフシート(半ひねり腰落ち)
8,スタンド
9,ストラドルバウンス
10,前宙(前方抱え込み1回宙返り)

1本目で回転不足により膝が曲がってしまったため、2本目で姿勢が崩れてしまったが、3本目~8本目までは落ち着いて演技を決めた。続く9本目では次の技を意識しすぎてしまい、姿勢を崩してしまったため、10本目が早掛けになってしまった。全体として指先、つま先などの細かい点に注意が届かず、減点の多い演技となってしまった。しかし、初めて出場する大会で演技を2本とも通し切れたことは、今後の大きな自信につながった。

個人競技Aクラス男子
南和希
1,タックルディーアウト(前方抱え込み2回宙返り1回半ひねり)
2,タックバック
3,パイクバラニーアウト(前方屈身2回宙返り半ひねり)
4,タックダブルバック(後方抱え込み2回宙返り)
5,タックバラニーアウト(前方抱え込み2回宙返り半ひねり)
6,パイクバック(後方屈伸1回宙返り)
7,タックバラニー(前方抱え込み1回宙返り半ひねり)
8,レイアウトバック(後方伸身1回宙返り)
9,レイアウトバラニー(前方伸身1回宙返り半ひねり)
10,パイクダブルバック(後方屈伸2回宙返り)

<1回目>
新技のタックルディーアウトを入れた構成で臨んだ。予備ジャンプが乱れたため跳び直し、時間超過のため減点となった。2本目で僅かに移動したため、3本目を予定していたパイクバラニーアウトからタックバラニーアウトに変更し、4本目で回転不足のため膝が曲がってしまった。3本目の種目を変更したため、5本目をタックバラニー、6本目をレイアウトバック、7本目をレイアウトバラニー、8本目をパイクバック、9本目をタックバラニーアウトにそれぞれ変更した。5本目・6本目をベッドの中心で決めたが、7本目で回転不足のため膝が曲がってしまい、8本目で開きが遅れてしまった。続く9本目・10本目で回転不足のため膝が曲がってしまい、その後のアウトバウンスで後方に移動し、ブルーマットに着地したため、減点となった。種目変更や膝曲がりなどが目立ち、落ち着きのない演技となってしまった。

<2回目>
1本目をベッドの中心で決めたが、2本目で大きく後方に移動し、パットに接触したため、1種目中断となった。1回目の演技が思うようにいかなかったこともあり、本番になって急激な緊張に襲われ、体を思い通りに動かすことができなかった。特に、自分の試技順を待っている間の時間の使い方に課題を感じたため、今後は本番を意識した練習を行うことで、その課題の改善に努めていきたい。

上田乃維
1,パイクフルインハーフアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
2,タックハーフインハーフアウト(後方抱え込み2回宙返り1回ひねり)
3,パイクルディーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
4,パイクハーフインハーフアウト(後方屈伸2回宙返り1回ひねり)
5,タックルディーアウト
6,タックダブルバック
7,パイクバラニーアウト
8,パイクフルインフルアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
9,タックバラニーアウト
10,ミラー(後方伸身2回宙返り3回ひねり)

<1回目>
新技のミラーを入れた構成で臨んだ。3本目で回転不足のため膝が曲がってしまったが、4本目で立て直し、そのままのリズムで10本目まで演技を通し切り、自己ベストを更新する素晴らしい演技を決めた。着地が乱れ減点となった。全体を通して、移動減点の少ない安定した演技であった。前日の会場練習や本番の試技前のアップでも良い感覚を掴めており、練習通りのことを本番で決められたという点は、大きな収穫であった。試合までの自らのコンディションの整え方を学べる良い結果となった。

<2回目>
1回目の演技で良いものができたため、2本目では普段よりも少し攻めの演技をする心持ちで臨んだ。2本目で大きく後方へ移動してしまったが、3本目でベッドの中心に戻した。6本目で回転不足により膝が曲がってしまい、7本目で大きく後方に移動してしまったが、続く8本目でベッドの中心に戻した。9本目・10本目をベッドの中心で決めたが、着地が乱れ減点となった。2回目では攻めた演技をしようと意気込んでいたが、練習で少し抑え気味の演技をしていたため、感覚の合わない技があり、全体のリズムが崩れてしまった。本番での心の持ちようや、普段の練習での様々なパターンの想定など、より試合を意識した練習の仕方を考えていくべきであると感じた。

岡﨑優太
1,タック1・3/4フロント(前方抱え込み1・3/4回宙返り背落ち)
2,タックバラニーボールアウト(背落ち~前方抱え込み1回宙返り半ひねり)
3,タックバラニー
4,レイアウトバック
5,レイアウトバラニー
6,タックバック
7,パイクバラニーアウト
8,タックハーフインハーフアウト
9,タックバラニーアウト
10,パイクハーフインハーフアウト

<1回目>
右足首の負傷のため、東日本インカレよりも難度点を下げた構成で臨んだ。1本目~3本目までは安定した演技を決め、4本目で僅かに移動したものの、6本目でベッドの中心に戻した。その後は7本目・8本目で回転不足のため腰が折れてしまったが、最後まで落ち着いて通し切った。静止が乱れ減点となった。全体として安定した演技を決めたものの、演技終盤の2回宙返り連続の部分での腰折れが目立つ演技となってしまった。

<2回目>
1回目を通せていたため、演技点を高めることを意識して演技に臨んだ。1本目~8本目までベッドの中心で美しい演技を決めた。続く9本目で前方に移動したが、10本目を落ち着いて決め、通し切った。静止が乱れ減点となった。全体として、移動減点の少ない安定した演技を決めた。一方で1回目と同様に、足の負傷により、目標としていた構成・得点を達成することができなかった点は非常に悔いの残る部分となった。今後は9月上旬に控える全日本予選会・東日本選手権に向けて、身体のパフォーマンスの向上に努めるとともに、高難度の連続技の精度を高めていきたい。

シンクロナイズド競技Aクラス男子
岡﨑優太、南和希ペア
1,レイアウト3/4フロント(前方伸身3/4回宙返り背落ち)
2,タックバラニーボールアウト
3,レイアウトバック
4,レイアウトバラニー
5,パイクバック
6,タックバラニー
7,タックバック
8,パイクバラニーアウト
9,タックダブルバック
10,タックバラニーアウト

<1回目>
確実に通すため、東日本インカレよりも難度点を下げた構成で臨んだ。2本目で南の高さが下がったためタイミングがずれてしまい、互いに回転不足のため膝が曲がってしまった。3本目で回転不足のため南の膝が曲がってしまい、4本目・5本目で回転不足のため岡﨑の膝が曲がってしまった。続く6本目でタイミングを合わせたが、8本目・9本目で互いに回転不足のため膝が曲がってしまった。その後は10本目で岡﨑の高さが下がり、タイミングがずれてしまったが、通し切った。岡﨑のアウトバウンスが乱れ減点となった。全体として膝曲がりや腰折れが目立ったが、同時性点の高いタイミングの合った演技を決めた。

<2回目>
2本目で南の高さが下がったためタイミングがずれてしまい、3本目で回転不足のため岡﨑の膝が曲がってしまった。5本目でタイミングを合わせたが、6本目で岡﨑の高さが下がり、タイミングがずれてしまった。その後は互いに最後まで移動が続くとともに、タイミングのずれを修正することができなかったが、通し切った。全体として、演技中盤以降のタイミングのずれや、移動減点の目立つ演技となってしまった。

新型コロナウイルスの影響で無観客の大会が続く中、今大会は久々に有観客での開催となり、いつもとは少し雰囲気の異なる大会であった。また、4年生にとっては最後のインカレとなった。大会直前期には、感染対策による練習中止などの問題に直面したものの、2年生の上田や、今大会がデビュー戦となった永野が練習通りの演技を通しきることができた点は、各部員の自信につながる大きな収穫となった。また、今大会は学生が主体となって運営が行われる大会であり、参加学生として普段とは異なる立ち回りが求められた。大会期間中は、部員各々がやるべきことを考え、大会の運営にも貢献できていたように感じる。一つ、大きな目標としていた大会が終わったため、今後は大会に向けた練習や大会本番での反省点を振り返り、次に向けて改善していきたい。

最後になりましたが、ご指導いただきました、新谷昴コーチ、審判を務めていただきました日垣博考先輩(H29)、浅見杏樹先輩(R3)ありがとうございました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。

(記:上田乃維)