第58回全日本学生トランポリン競技選手権大会 観戦記

2023年8月19日(土)~2023年8月20日(日)、北海道立北見体育センターにて行われました、第58回全日本学生トランポリン競技選手権大会の観戦記をご報告いたします。




個人競技Cクラス女子…永野祐里(商3)、内田祥子(経1)

個人競技Aクラス男子…上田乃維(環3)、金子慶汰(政1)
シンクロナイズド競技Aクラス男子…上田乃維・金子慶汰ペア

個人競技Cクラス女子

永野祐里
<規定演技>
1,フルシート(1回ひねり腰落ち)
2,スイブル(腰落ち~半ひねり腰落ち)
3,ハーフスタンド(腰落ち~半ひねり立つ)
4,タックバウンス(抱え込みジャンプ)
5,ハーフフロント(半ひねり腹落ち)
6,ハーフターンテーブル(腹落ち~半ひねり腹落ち)
7,スタンド(腹落ち~立つ)
8,ストラドルバウンス(開脚ジャンプ)
9,バックドロップ(背落ち)
10,スタンド(背落ち~立つ)

5本目で伸びることができず腰が曲がり、6本目で足が開いた。7本目で僅かに足が開き、8本目で姿勢が大きくなった。9本目で腰と膝が曲がり、10本目で姿勢を作れず、前方に大きく移動した。通しの前半は落ち着いた演技が出来たが、後半で少し崩れてからは慌ただしい演技となってしまった。

<自由演技>
1,レイアウトバック(後方伸身1回宙返り)
2,ストラドルバウンス
3,タックバック(後方抱え込み1回宙返り)
4,タックバラニー(前方抱え込み1回宙返り半ひねり)
5,タックバウンス
6,シート(腰落ち)
7,スタンド(腰落ち~立つ)
8,ストラドルバウンス
9,パイクバック(後方屈身1回宙返り)
10,パイクバラニー(前方屈身1回宙返り半ひねり)

新技のパイクバラニーを入れた構成で挑んだ。1本目をかける際に膝が曲がり、つま先を伸ばせなかった。2本目で僅かに膝が曲がり、3本目でつま先が伸ばせなかったのと同時に抱えが大きくなり、大きく後方に移動した。4本目でベッドの中心に戻したものの足が開いてしまい、5本目で抱えが大きくなった。8本目で姿勢を作れず、9本目をかける際に膝が曲がると同時に抱えが大きくなった。10本目で抱えが大きくなり、足が開いた。全体的につま先や足の開きなどが目立つ演技であった。しかし、これまでは落ち着いて挑むとそれ程減点されない基礎技を疎かにしてしまうことが多かったが、今大会では演技点を取れるところで取れたことや、自由演技で自己ベストを更新できたことは、今後の自信に繋がった。

内田祥子

<規定演技>
1,フルシート
2,スイブル
3,ハーフスタンド
4,タックバウンス
5,ハーフフロント
6,ターンテーブル
7,スタンド
8,ストラドルバウンス
9,バックドロップ
10,スタンド

今大会は内田にとって大学デビュー戦であった。1本目でバランスを崩し足が開いてしまい、2本目で前傾になり、3本目で伸びきることができなかった。5本目の上に伸びきることができず、6本目は爪先が開いてしまった。7本目は腰が曲がり、8本目は姿勢が甘くなった。9本目は姿勢を維持できず、10本目でバランスを崩し僅かに前方に移動した。着地後の静止が不十分で着地減点となった。全体的にバランスを崩すことが多く、つま先の伸びの甘さや膝の曲がりなどが目立ち、減点の多い演技となってしまった。

<自由演技>
1,フルシート
2,スイブル
3,ハーフスタンド
4,タックバウンス
5,ハーフシート(半ひねり腰落ち)
6,スタンド
7,ストラドルバウンス
8,ハーフピルエット(半ひねりジャンプ)
9,ストラドルバウンス
10,フルピルエット(1回ひねりジャンプ)

今回は演技点を狙いに行ったため難易度を下げた構成で挑んだ。1,2本目は足が開いてしまい、3本目はひねりが不足した。4本目は爪先が伸びておらず、5,6本目は伸びの姿勢がとれなかった。7,9本目は姿勢が甘くなり、10本目はひねりが不足した。着地が乱れ、減点となった。今回初めての大会で落ち着かず、思っていた演技ができなかった。今後、大会の緊張感を意識して練習していきたい。

個人競技Aクラス男子

金子慶汰
1,パイクルディーアウト(前方屈身2回宙返り1回半ひねり)
2,タックダブルバック(後方抱え込み2回宙返り)
3,タックルディーアウト(前方抱え込み2回宙返り1回半ひねり)
4,タックバック
5,パイクバラニーアウト(前方屈身2回宙返り半ひねり)
6,パイクダブルバック(後方屈身2回宙返り)
7,タックバラニーアウト(前方抱え込み2回宙返り半ひねり)
8,タックハーフインハーフアウト(後方抱え込み2回宙返り1回ひねり)
9,レイアウトバラニー(前方伸身1回宙返り半ひねり)
10,パイクハーフインハーフアウト(後方屈身2回宙返り1回ひねり)

<1回目>

今大会は新技のパイクハーフインハーフアウトを用いた構成で挑んだ。2本目・3本目で回転不足により膝が曲がってしまった。5本目は前方に移動し、回転不足のため膝が曲がった。その後はリズムを取り戻すことができたが、8本目で後方に移動し、回転不足により膝が曲がった。10本目は回転不足により腰が曲がり、着地が乱れ減点となった。前日練習の最終調整をうまく行い、自己ベストを出すことができた点では大きな収穫となった。しかし、依然として膝の曲がりや移動が目立つ演技であったためそれらを意識した練習を行うことで改善に努めていきたい。

<2回目>
1本目と3本目で回転不足により腰が曲がってしまった。4本目は回転がかかりすぎてしまったため抱えが大きくなり、後方へ移動した。5本目は回転不足により膝が曲がり、6本目で後方に大きく移動し、回転不足により膝が曲がった。7本目も回転不足が生じ膝が曲がった。8本目はリズムを取り戻したが9本目で焦りにより回転不足で膝が曲がり崩れたため、9本目の踏み込みが弱くなり、足が乱れた。体制が崩れていたため10本目の種目をレイアウトダブルバック(伸身後方2回宙返り)に変更したが大きく乱れ、その後のアウトバウンスでブルーマットに着地した。種目変更や膝曲がりが目立ち、落ち着きのない演技となってしまった。

上田乃維
1,パイクバラニーアウトトリフィス(前方屈身3回宙返り半ひねり)
2,パイクハーフインハーフアウト
3,タックバラニーアウトトリフィス(前方抱え込み3回宙返り半ひねり)
4,パイクフルインフルアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねりひねり)
5,パイクルディーアウト
6,パイクハーフインルディーアウト(後方屈身2回宙返り2回ひねり)
7,パイクバラニーアウト
8,タックハーフインハーフアウト
9,タックバラニーアウト
10,ミラー(後方伸身2回宙返り3回ひねり)

<1回目>
3回宙返りを2本入れた、難度の高い構成で挑んだ。
1〜3本目はベッドの中心で決めたが、続く4本目で後方に移動した。5本目で回転不足により腰が折れてしまい、続く6本目も体勢を立て直せず、膝が曲がってしまった。7本目でベッドの中心に戻したが、回転不足により膝が曲がってしまい、続く8本目で大きく後方に移動した。9本目でベッドの中心に戻したが、続く10本目で大きく後方に移動した。また、静止が乱れ減点となった。

<2回目>
1本目で大きく後方に移動し、体勢を崩してしまった。続く2本目で大きく前方に移動し、ブルーマットに着地したため1本目中断となった。
決勝に出場することを目標としていたが、決勝進出ラインには遠く及ばない点数となってしまった。インカレに向けた練習の中で、課題であると感じていた3回宙返りから2回宙返りへのリズムの切り替えが調整しきれず、不安定な演技となってしまった。9月は毎週末に試合を控えているため、通し全体のリズムを意識した練習を重ね、安定した通しを試合本番で揃えられるよう、緊張感のある練習を重ねていきたい。

シンクロナイズド競技Aクラス男子
上田乃維、金子慶汰ペア
1,パイクルディーアウト
2,タックダブルバック
3,タックルディーアウト
4,パイクバック
5,パイクバラニーアウト
6,パイクダブルバック
7,タックバラニーアウト
8,タックハーフインハーフアウト
9,レイアウトバラニー
10,パイクハーフインハーフアウト

<予選演技>
<1回目>
本大会が初戦となった上田・金子ペアだが、難度点を最大限まで上げたDスコア11.2の構成で挑んだ。2本目で上田が大きく後方に移動し、互いに回転不足のため膝が曲がってしまった。4本目・5本目と上田の高さが下がってしまったため、タイミングがずれた。また、回転不足のためどちらも金子の膝が曲がった。6本目で上田が後方に、金子が前方に移動した。また、回転不足のため金子の膝が曲がった。7本目~9本目までタイミングが揃い安定したが、9本目で上田が回転がかかりすぎてしまい手が乱れた。10本目で回転不足により金子の膝が曲がり、上田は体勢を崩し後ろに移動した。全体として粗さはあるもののまとまりのある演技となった。金子の着地が乱れ、減点となった。

<2回目>
2本目で互いに回転不足のため腰、膝が曲がった。3本目には金子が回転不足のため膝が曲がった。6本目には上田が後方に移動し、互いに回転不足のため膝が曲がった。続く7本目では上田が体勢を崩し、足が乱れ大きく前方へ移動したが、8本目で回転不足で膝が曲がりながらもベッド中心へと戻した。10本目では金子が体勢を崩し、足が乱れたためアウトバウンスのタイミングがズレてしまったが通し切った。全体として移動は目立つが同時性点の高いタイミングのあった演技を決めた。

<決勝演技>
2本目・4本目で上田が大きく後方に移動し、タイミングが大きくずれた。5本目には回転不足のため金子の膝が曲がった。6本目には互いに回転がかかりすぎてしまったため、腕が乱れた。7本目・8本目では落ち着きを取り戻しタイミングを合わせた演技を行うことができたが、9本目で金子が体勢を崩した。その勢いのまま金子は10本目で大きく後ろに移動し、ブルーマットに着地し9種目中断となった。全体として同時性が低く、まとまりのない演技となってしまった。今後は9月に控える東日本選手権に向けて2人で息のあった演技を作り上げていきたい。


今大会の個人種目では全員が通しきり、各部員の自信につながる大きな収穫となった。また、今大会がデビュー戦となった内田の演技は部内に強い刺激を与え、各部員を鼓舞してくれた。今大会は学生が主体となって運営が行われる大会であり、参加学生として意識的に行動することが求められたが、大会期間中は部員各々でやるべきことを考え、しっかりと実践した。特に大会終了後のカッティングでは自らが考え、率先して行動し大会の運営に貢献できていたように感じる。大きな目標としていた大会が終わったため、今後は大会に向けた練習や大会本番での反省点を振り返り、次に向けて改善していきたい。

最後になりましたが、審判を務めてくださいました日垣博考先輩(H29)ありがとうございました。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。

(記:上田乃維、永野祐里、内田祥子、金子慶汰)