第77回全日本学生体操競技選手権大会 観戦記

8月22日(火)、長野市真島総合スポーツアリーナにて行われました、第77回全日本学生体操競技選手権大会の観戦記をご報告いたします。
関係者の皆様は、For OBOGのページから動画も見られますのでそちらも併せてご覧ください

まず初めに男子個人観戦記をご報告いたします。
男子個人…西尾颯馬(薬3)、黒沢星海(理2)

1種目め…ゆか

黒沢
全体的に着地をまとめ、まずまずの演技が出来た。しかし、全ての節で小さな1歩が出てしまい、着地を止めることが出来なかった。その中でも着地姿勢まで大事に着地止める意識が出来たので、今後も継続していきたい。ひねりに苦手意識があるため、タントラなどで空中感覚を養うと共に、ビッグタンブリングやグループⅠの充実に努めていきたい。

西尾
落ち着いた演技で練習時より高いEスコアで実施することができた。また着地を全て狙いに行ったため、最終節の後方2回半ひねりの着地もピタリと止めることができた。しかし、この構成ではこれ以上の点数をあまり望めないため、現在練習を進めている技の完成度を高め、Dスコアの向上に速やかに取り組んでいきたい。

2種目め…あん馬

黒沢
旋回が上下に揺れてしまい、Dフロップで落下してしまった。その後も焦りが出てしまい、バタバタとした演技となった。基礎練習の成果で旋回の質が少し良くなってきているので、引き続き旋回を安定させていきながら、会場でも同じ旋回が出来るように身体に染み込ませ、また構成内で少ないグループⅢの技を取り入れるべく練習していきたい。

西尾
会場練習の時点で調子が良くなかったため、Dコンバインを除いた構成で臨んだ。本番でも調子は改善せず、Dフロップで落下してしまった。蝮谷体育館での練習では安定感が増していただけに悔しい結果となった。失敗してしまった根本の原因を見つめ直し、落ちない演技を目指していく。

3種目め…つり輪

黒沢
新たにけ上がり十字懸垂、ほん転倒立を取り入れて演技を行った。ほん転倒立で倒立がブレてしまい、反って前に倒れてしまったため、結果として技の認定を得ることが出来なかった。振動系の技は技術的な未熟さが課題であるため、安定した倒立とスイングを徹底的に練習していきたい。また、グループIVの要求が取れていないため、終末技の練習を最優先しつつ、中水平やアザリアン等の力技に取り組んでいきたい。

西尾
練習が全くできていない状況だったため、通しきれることが目標であった。ホンマ脚前挙で不認定となってしまい、要求を満たすことができなかった。また、ほん転での輪の揺れも大きく、出来は良くなかったが、なんとか無事通し切ることができた。今後は力技の習得に励み、Dスコアを上げていきたい。

4種目め…跳馬

黒沢
入りの足割れや空中での腰折れ、着地姿勢など細かな減点箇所まで意識することが出来たが、蹴りや着手で力が出過ぎてしまい、大きく後ずさりする着地となった。引き続き美しい姿勢で余裕のある跳躍が出来るよう意識していくと共に、回転を抑えて着地を止めに行く技術とアカピアンを部内戦の時期に向けて準備していきたい。

西尾
今回はカサマツを実施した。怪我から練習が積めておらず多少の不安が残る種目であったが、最近の中では最も良い実施ができた。空中における体の意識やロイター板の蹴り方など、課題が山積しているため一つずつ改善していくことで、Dスコアの向上を目指していく。

5種目め…平行棒

黒沢
去年の冬から構成を変えていない分、手ずらしや倒立のキメを大切にしていこうとしたが、1技目で大過失をしてしまった。その後は丁寧に演技し、通しきることが出来た。終末技の着地や姿勢についてはまだ課題が残るため、演技を気持ちよく締めくくるために改善していきたい。また、平行棒は練習していたものの未完成である技がいくつかあるため、ポイントを押さえて一刻も早く演技に取り入れていきたい。

西尾
特に気合いを入れて臨んだ演技だったが、ヒーリーで踵をぶつけ、終末技で後ろに転倒し悔やまれる結果となった。今までに何度も終末技で転倒してしまう失敗をしてしまっているため、着地止めの練習や演技の終盤まで保つ体力を作っていきたい。

6種目め…鉄棒

黒沢
新たな終末技として後方伸身2回宙返り1回ひねりを取り入れて臨んだ。着地は1歩後ずさりするかたちになったが、全体として落ち着いた演技が出来た。一方で最終種目であるということから、通すことに集中してしまい、細かな減点を意識することが出来なかった。現状EGⅡの技が少なく、迫力がないため、新たな技に取り組み演技全体の雄大さを演出していきたい。

西尾
使い慣れた構成であったため、まとまりのある演技ができた。ツイストで振り戻ってしまいそうになったものの、着地をピタリと止め満足のいく演技となった。EGⅣの要求を満たせていないため、早急に終末技を伸身ムーンサルトに変えていきたい。

続いて男子団体観戦記をご報告いたします。
男子団体…伊保内啓佑(法政3)、浦口優(商3)、小澤智也(文2)、釜屋有輝(法政2)、立花陽空(法法2)、小田切伊織(総1)

1種目め…つり輪

1番手、釜屋
つり輪は今大会から初めて中水平を入れた構成に挑戦した。認定こそもらえたものの、角度や姿勢の減点からEスコアは6点台にとどまった。全日本インカレという大きな試合で中水平に挑戦できたのは良い経験となったが、その精度が未だ試合で使うレベルに達していなかったことを痛感した。これからも力技にはこだわって練習していきたい。

2番手、小澤
つり輪は東日本インカレと同様の構成を予定していたが、序盤のジョナサン〜ヤマワキで少し詰まってしまい、急遽その後のホンマ開脚前挙を後ろ振り上がりに変更した。その後は落ち着いて演技をすることができたが、下り技の着地を狙うレベルまで完成度を高められていないため、力技の補強をしつつ下り技のクオリティを高めていきたい。

3番手、小田切
静岡県国体予選と同じ演技を行う予定であったが、下り技前のスイングがあわず、終末技を2回宙返り1回ひねりに急遽変更した。全体としては苦手種目であるがまとまってきていると感じていたが、一つひとつのきめ方に対する練習不足を感じた。つり輪は技数が少なくDスコアが低いため、細部まで意識した演技を実施できるようにしていく。

4番手、伊保内
Dスコアを下げ、丁寧に演技する予定であったが、ほん転倒立で輪が大きく揺れて倒立がふらつき、足が下がってしまった。90度以上下がってしまったため認定がとれず、また輪の揺れも大きくなってしまったためその後の終末技も予定していた後方抱え込み2回宙返り1回半ひねりではなく、後方抱え込み2回宙返り1回ひねりになってしまった。自身を含めチーム全体を通して、つり輪の演技が中々評価されていなかったため、倒立姿勢や力技の精度、振動系の技の滑らかさなど、チーム一丸となって全力で取り組んでいきたい。

5番手、立花
つり輪は前回大会と同様の構成で挑んだ。特に、倒立の静止時間や膝、つま先にこだわって練習してきた。しかし、ジョナサンでの詰まりやホンテンの腰曲がりなどがあり、思うように点数が伸びなかった。今後は、中水平の補強の継続と共に滑らかな演技を目指していきたい。

6番手、浦口
Dスコアを下げ、よりEスコアを重視する狙いで演技を行った。翻転倒立や振り上がり倒立の際に若干ふらついてしまったが、全体的にまとまった演技ができ、終末技の後方抱え込み2回宙返り1回ひねりの着地も止めることができた。今後は、力技の精度やDスコアの向上を目指していきたい。

2種目め…跳馬

1番手、小澤
伸身カサマツを実施した。着地は後ろ1歩に抑えてまずまずの出来であった。少し捻りが早くなってしまう癖があるので、しっかり体を起こしてから捻る技術を身につけていきたい。

2番手、釜屋
今大会はアカピアンを実施した。練習では着地まで狙えていたものの本番では着手が遅れ、前に倒れる着地となってしまった。以前からアカピアンは試合でも実施していたので非常に悔しい結果となってしまったが、今後はこのような失敗が無いよう着地まで徹底的に練習していきたい。

3番手、小田切
アカピアンを実施した。会場練習のときから安定した跳躍をすることができず不安の残る中での演技となった。本番では十分に着手することができず、ひねりをかける高さを確保できずギリギリでの着地となってしまった。跳馬は踏み切り時と着手技術に課題があるとみられるので早急に改善していきたい。

4番手、伊保内
アカピアンを実施し、ラインオーバーはあったものの小さな1歩に抑えた余裕のある跳躍が出来た。基礎練習の成果により、走り方が改善され試合会場の器具にも適応出来るようになっていたため、自信をもって演技に臨むことが出来た。引き続き基礎練習などで助走と蹴りの強化に努め、ドリッグスが実施出来るように練習していきたい。

5番手、立花
今大会は、ユルチェンコ2回半ひねりに挑んだ。実施としては、回りすぎでしまい前に手をつく形となってしまった。着地時に下半身が締まってないことが、原因だと考えられるので、今後は着地時の姿勢に注意して練習していきたい。

6番手、浦口
アカピアンを実施した。チームとしてミスが多く出ていたため、着地は後ろ一歩で安定した演技を意図して演技に臨んだ。実施は狙い通り、後ろ一歩にまとめることができた。今後は踏切の課題を解決し、Dスコアの向上を図りたい。

3種目め…平行棒

1番手、釜屋
以前の構成からDスコアを落として臨んだ。練習から失敗が少ない種目だったが、チッペルトで器具上での落下があった。最後の着地はまとめたものの悔いの残る演技となった。今後はこの幹通しを徹底すると共に、Dスコアの向上に努めていきたい。

2番手、立花
苦手意識の種目の1つでもあるので、とても緊張して固まった演技となってしまった。2技目のホンマで少し回転が足りず、倒立で腰が曲がってしまった。他は実施としては良かったが、全体的に膝曲がりが目立ち、点数があまり伸びなかった。今後は、全身で動かすイメージでEスコア向上に努めたい。

3番手、小澤
東日本インカレと同じ構成で臨んだ。冒頭の棒下倒立とチッペルトはスムーズにこなすことができたが、中盤のツイストがかなり倒立から外れる実施となった。下り前の倒立も落ち着くことができず、歩いたり担いだりしてしまったが、後方屈身2回宙返り下りは後ろ1歩に抑えた。基礎練習でのスイングからの倒立の納めをより一層意識して取り組んでいきたい。

4番手、伊保内
横向き逆上がり1/4ひねり倒立を棒下宙返り支持に変更した構成で臨んだ。倒立のキメや手ずらし、終末技の着地までこだわって練習した成果が存分に発揮され、完璧とも言える実施が出来た。今後も同様の意識で丁寧な平行棒の演技ができるよう、そしてそれが他の選手のお手本となるよう練習していきたい。

5番手、小田切
東日本インカレと同じ演技を実施した。不安箇所が少ない種目であったが、技の安定度や決めが悪く、点数が伸びなかった。さらに技に対する追求をする必要があると感じた。

6番手、浦口
今回はDスコアを大きく落とし、安定した演技を目指して実施した。前半のヒーリーは落ち着いて実施できたものの、車輪の際にバーを持ち損ねてしまい落下してしまった。今後は安定して実施できる技を精査し、安定した得点を狙えるようにしていきたい。

4種目め…鉄棒

1番手、釜屋
以前の構成からDスコアを落として臨んだ。アドラーハーフで多少のブレがあったものの、最後の着地はしっかり止めることができた。通しの形としては安定してきているので、今後はDスコアの向上に積極的に努めていきたい。

2番手、小澤
今大会は東日本インカレの構成に閉脚シュタルダーを加えた構成で臨んだ。練習から下り技に不安があったが、本番では苦しいながらもなんとか通し切ることができた。しかし、通しの最後の下り技のクオリティは低く、空中姿勢や着地に依然として課題があるため、改善しつつ、昨年から取り組んでいる伸身トカチェフを演技に組み込んでいきたい。

3番手、立花
今大会は、トカチェフをコスミックに変更して演技をした。実施としては、課題だった前半のアドラーとアドラーハーフがよい角度で収まり、納得のいく演技となった。今後は、練習しているコバチや、ロシア式車輪を演技に組み込められるようにしていきたい。

4番手、小田切
春先からと同じ演技を実施した。自信を持って行うことができ、13点弱を出すことができた。今後は春先から取り組んでいる伸身トカチェフを組み込みつつ演技のさらなる質上げに取り組んでいく。

5番手、伊保内
屈身トカチェフを抜いた構成で挑んだ。コールマンは近すぎず遠すぎず理想的な位置でキャッチすることができ、その後の開脚トカチェフもスムーズに実施することが出来た。終末技の着地にもこだわりを持って練習していたが、大きく後ろに跳ねる形となってしまった。閉脚シュタルダーの潰しの深さなどの課題に取り組みつつ、より多くの離れ技を取り入れられるようにしていきたい。

6番手、浦口
東日本インカレと同様の構成で臨んだ。アドラーハーフで大きく流れてしまったものの、その後は落ち着いた演技を行うことができた。今後は、アドラー系の実施改善と共に、安定して実施できる技の精査を行なっていきたい。

5種目め…ゆか

1番手、小澤
東日本インカレからDスコアを落として臨んだ。3節目でラインオーバーがあったものの、最終節の後方2回半捻りを試合で初めて立つことができ、全体としてはある程度まとまった演技となった。着地の多い種目なので、足の幅や着地準備にもこだわって練習を積んでいきたい。

2番手、釜屋
以前の構成からDスコアを落として臨んだ。その分、着地までしっかりまとめることができEスコアを8点台に乗せることができた。ゆかは腰の怪我以降、戻せていない技もあるので早急に技を戻し、Dスコアの向上に努めていきたい。

3番手、小田切
右足首の怪我からの回復が見られ、前方2回半ひねりを入れた演技に戻すことができた。しかし、後方3回ひねりでの転倒や、後方2回半ひねりが詰まり気味になってしまい伸身前宙に繋げられなかったりなど苦手部分が浮き彫りになった。後方系は必ず必要になるので技術の再確認が早急に必要であると感じた。

4番手、伊保内
後方伸身3回半ひねりを抜いた構成で演技を行った。1節目の抱え込みムーンサルトで大きく前に着地が動いてしまい、その他の節でも着地で小さなステップがあった。スムーズに目立つミスなく通しきったが、着地を止めきれなかったことから点数は伸び悩む形となってしまった。着地止めの練習は普段からたくさん取り入れているため、Dスコアを向上させつつ、着地を完璧に止められる演技を仕上げていきたい。

5番手、立花
今大会は、足首の怪我から復帰して初めての試合だった。着地が何箇所か乱れてしまい、目標のEスコア8.0に乗せることはできなかったが、ルドルフを高い着地で立つことができて、満足のいく内容だった。

6番手、浦口
今回はDスコアを下げた構成で臨んだ。試合前から脚の調子が悪く不安を抱えた状態での演技となった。1技目の前方抱え込み2回宙返りで前に手をついてしまい、転倒とラインオーバーで減点されてしまった。また、十字倒立の持ち込みで停滞してしまった。終末技の後方伸身宙返り3回ひねりはうまく蹴ることができず転倒してしまった。全体的に悔しさが残る演技となってしまったため、今後はより安定した演技内容を追求していきたい。

6種目め…あん馬

1番手、小澤
ここ1ヶ月1番通し込みをしてきた種目であり、前日練習までは特に不安がなかった。しかし、当日練習で旋回がバタついており、本番でも旋回が小さくなって馬端に当たり、下り技もスムーズに持ち込めずに落下してしまった。やり直した下りもC難度になってしまい、詰めの甘さが出た。今後はその日の1本目に緊張感を持って通す練習をしつつ、いつでもD難度で下りられるよう習慣化していきたい。

2番手、立花
前日練習から調子が悪く、1番心配だった種目だったが、今できる最大限の演技はできた。課題としては、サイド旋回の膝やつま先の減点が多く、Eスコアが7点前半で抑えられてしまったことが挙げられる。今後は、開脚旋回にも取り組みつつ、Eスコア向上に努めたい。

3番手、釜屋
以前の構成からDスコアを落として臨んだ。演技前半は非常に良い流れであったが、終末技で大きく体勢を崩し落下してしまった。最終種目ということもあり焦りからこのようなミスが出てしまったので6種目を通し切る体力作りも必要だと感じた。

4番手、浦口
東日本インカレと同様の構成で臨んだ。前半のDフロップでバランスを崩したものの、何とか堪えた。しかし、続くロスで落下してしまった。その後の演技は落ち着いて行なったものの、点数としては落下による減点が痛手となった。

5番手、伊保内
難度を通して、確実に通すべく演技を行った。ロスの部分で足割れがあったものの、全体を通して落ち着いてスムーズに通しきることができた。今後は様々な技を構成に組み直してDスコアを向上させながら、通す力を徹底的に高めていきたい。

6番手、小田切
東日本インカレから変わらず同じ演技であった。しかし、後半になるにつれて背中で押せなくなり縮こまった実施が目立ち、心配箇所であった終末技も上げきることができなかった。通し率が低いことはかねてからの課題であり早急に改善しなくてはならない。また、終末技に関しては失敗率が高いため、変更することも視野に入れておきたい。

今大会は、一年を通してもっとも標準を合わせた試合であり、1部残留が決まる大きな試合でもあった。1種目めのつり輪から大過失が目立ち、チーム5人の演技が揃った種目は少なかった。また、4種目めの鉄棒でチームの雰囲気が戻ったように見えたが、完全に戻しきることができず終わってしまった。来年の1部再昇格に向けて個々人のみならずチームとしても見直すことが急がれるように感じた。
伊保内は、1部残留のかかった大一番の試合ということもあり、始めの種目では緊張が見られたが、全体を通しては大過失なく演技し切ることが出来た。Dスコアは本来よりも下げた構成であったが、その中で丁寧さが評価された種目とそうでない種目に二分され、思いのほか点数を伸ばすことには至らなかった。再び慶應が1部の舞台で輝くためには、長く険しい茨の道を通らなくてはならないと思うが、今大会での課題を真摯に受け止め、主将として、一体操選手として、チーム慶應の先陣を切っていきたい。
浦口は、調子が中々上がらない中で試合を迎えた試合となった。本番は、前半2種目でうまく流れが掴めたものの、懸念点であった5種目めの床からリズムを崩すこととなった。来年は1部昇格を目指すこととなるが、今一度自分の役割を再確認し練習に臨んでいきたい。
西尾は、程よい緊張感で落ち着いて演技することができた。しかし、精度の低い技をいくつか入れた演技構成だったため、その技で失敗することが多く、全体として望ましくない結果となった。また、今回は肩に不安を抱えながらの出場となったが、怪我の調子は快方に向かっているため上手く付き合いながら、来年の最後のインカレに向けて走り出したい。
小澤は、早慶戦に出場できなかった為、東日本インカレ以来約3ヶ月ぶりの試合であった。1、2番手で演技をすることが多かったが、5種目目のゆかまではチームの中での自分の役割をある程度こなすことができた。しかし、最終種目の鞍馬では1番手にも関わらず失敗が出てしまい、チームに良い流れを作ることができなかった。また、どの種目でも細部まで意識した余裕のある実施はなかったので、今後は最後の着地まで突き詰める練習をしていきたい。
釜屋は、今大会が腰の怪我からの復帰戦であった。約1年振りの公式戦ということで改めてチーム戦の楽しさや緊張感を味わうことができた。一方で、結果としては非常に不甲斐ない結果となってしまった。この悔しさをバネに来年に向けてまたゼロから再出発していきたいと思う。
黒沢は、今までの試合に比べて、安定した技のみを厳選して通しを行ったため、精神的にも落ち着いて試合に臨むことが出来たが、完璧に決めようと固くなってしまい、目標としていたAA70点かつノーミスの演技は達成できなかった。身体の反応は良かったため、いかに試合本番の動きを、精神をコントロールするかが今後の課題であると感じた。試合までの練習や会場練習はスムーズに進められたため、今後も同様のピーキングが定着していくように工夫を重ねていきたい。
立花は、前半種目で本番の緊張感に飲まれ、思うような演技ができなかったが、後半種目では切り替えて本来の演技を行うことができた。平行棒に関しては、基礎のスイングや倒立から直していき、ゆったりとしたまとまった演技を目指していきたい。
小田切は、序盤で崩れた調子を最後まで立て直すことができず、自分の持つEスコアの体操を最大限に発揮できず終わってしまった。演技の失敗には心理的側面、技術的側面の双方が関わってくるが、それぞれに対して分析をして反省点を洗い出し、来年に向けて一歩ずつ進んでいきたい。

(記:伊保内啓佑、浦口優、西尾颯馬、小澤智也、釜屋有輝、黒沢星海、立花陽空、小田切伊織)

続いて、女子個人観戦記をご報告いたします。
女子個人…稲垣香花(商2)

1種目め…段違い平行棒
前大会と同じ構成で臨んだが、前方足裏支持回転で肩を前に倒せず、技を抜く形になってしまった。また、フットカットから上バーのけ上がりを繋げられず停滞してしまった。今後は停滞することなく安定して演技が出来るよう練習を積んでいきたい。

2種目め…平均台
前大会と同じ構成で臨んだものの、全体的に落ち着きがなくふらつきが多い演技となった。あまり安定していなかった側方宙返りを乗せられたものの、続くジャンプで着地の勢いを上手く吸収できず落下してしまった。今後はDスコアの向上とふらつきのない安定した演技を目標にして練習していきたい。

3種目め…ゆか
前大会から構成の変更がなく、比較的落ち着いて演技することができた。今後は特にダンス系のDスコアを伸ばすことに注力していきたい。

4種目め…跳馬
転回1回ひねりを実施したが、ひねり始めが早く技認定がされなかったためDスコアが下がってしまった。今後はDスコアを上げていくとともに正確に技を実施するようにしていきたい。

今大会は、前半2種目で停滞や落下などの大きなミスがあったものの、後半2種目で調子を取り戻し、練習時よりも出来の良い演技を行うことができた。今後はDスコアを向上させるべく全種目において新しい技に挑戦していきたい。また、段違い平行棒に関しては基礎的な部分から見直していきたい。

最後に、今大会のサポートをしてくれました女子2人より感想を述べさせていただきます。

松本は、今大会に応援サポート役として参加・観戦いたしました。印象に残ったことは3つあります。まず、点数の高い選手の演技を見て、倒立や着地といった基礎基本の動作のレベルが高く仕上がっていると技が綺麗に見えるように感じました。またローテーションの休みの時にアリーナの隅をジョギングしているチームがあって休みを準備時間と考える当たり前ですがとても重要な姿勢に刺激を受け、私自身の休憩時間の使い方も見直そうと思いました。最後に、声援についてです。今回私は声量を大きくすることで頭がいっぱいでしたが、先輩や他校のメンバーが選手のコンディションやそのときの技の出来に合わせてまるで近くで声をかけるようにエールを送っていて、私ももっと選手の心に届く声が出せるようになりたいと思いました。日頃の練習から他人を応援しつつ元気が出せるような声出しを意識していきたいと思います。
森は、今大会に音楽係、補助役として参加・観戦いたしました。高いレベルの選手を間近で見ることで、待ち時間の使い方やアップの仕方等多くのことを吸収できた良い機会となりました。団体の試合ではそれぞれのチームで雰囲気の作り方が異なっており、応援を含めた他大学のチーム作りに圧倒されました。この大きな舞台に立てるよう日々練習を積んでまいりたいと思います。

(記:稲垣香花、森千紗、松本梨々花)

最後になりましたが、チームリーダーを務めていただきました久永将太先生、永久千尋監督(H18)、中尾優花先輩(R3)、審判を務めていただきました佐野浩平先輩(R3)、ありがとうございました。また今大会には多忙の中、三木康弘監督(S52)、塚田治夫会長(S47)、松平定紀先輩(S51)、岡﨑隆誠先輩(H6)、黒井一実先輩(H10)、橋本和樹先輩(H30)、有江航優先輩(R2)、山﨑広輝先輩(R3)、並びに多くの保護者の方々にご観戦いただきました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。