令和6年度関東学生新人体操競技選手権及び令和6年度関東学生体操競技交流大会 観戦記

11月1日(金)〜3日(日)、日環アリーナ栃木にて行われました、令和6年度関東学生新人体操競技選手権及び令和6年度関東学生体操競技交流大会の観戦記をご報告いたします。
関係者の皆様はFor OBOGのページから動画も見られますので、是非そちらと併せてご覧になってください。

初めに、交流大会の観戦記をご報告いたします。



女子個人…森千紗(法法3)、稲垣香花(商2)

1種目め…ゆか

1番手…森
今回は新たに前方伸身宙返り1回ひねりを取り入れた構成で挑んだ。初めの2回転ターン、続くアクロラインは流れ良く決めたが、2節目の前方伸身宙返り1回ひねりは高さが足りない実施となってしまい、着地が乱れた。その後のダンス系の連続をまとめ、3節目の後方伸身宙返りを丁寧に実施した。今後は現在練習している後方抱え込み2回宙返りを取り入れ、構成要求を全て満たせるよう励んでいきたい。

2番手…稲垣
全日本インカレと同じ構成で臨んだ。全体としてはまとまった演技ではあったが、ターンの回転不足、ジャンプの開脚度不足などの減点箇所が目立った。今後は前方系のひねり技の習得や、ジャンプ系の技の改善に取り組んでいきたい。また、ひねり始めが早い傾向にあるので、開きのタイミングも含め修正に努めていきたい。

2種目め…跳馬

1番手…森

1本目、2本目ともに転回1回ひねりを実施した。1本目はひねり始めが早く、歪みが発生してしまったため2本目は突きを入れてからひねりをかけた。しかし、着地は2本とも大きく前に出てしまう実施となった。今後は転回1回ひねりの着地をうまくまとめることと、現在練習しているツカハラを安定させ試合で使えるクオリティまで上げることに取り組んでいく。

2番手…稲垣
2本とも転回を実施し、どちらもまとまった着地であった。今後はツカハラを習得するため、助走の改善や突きの意識、スタンド宙返りの練習に注力していきたい。

3種目め…段違い平行棒

1番手…森

以前の構成から、振り上げ倒立を抜き、フットサークルを取り入れた構成で臨んだ。倒立がない分、技数の心配をすることはなかったが、逆手の構成要求が取れず点数は伸びなかった。来年の試合ではツイスト、逆車輪、移行を入れられるよう冬に重点的に取り組んでいきたい。

2番手…稲垣
全日本インカレと同じ構成で臨んだ。全日本インカレでは高棒で停滞してしまったが、今大会では停滞することなく全ての技が繋がった演技を実施することができた。今後は振り上げ倒立、車輪、ほん転倒立の習得に励んでいきたい。また、肘や膝の曲がり、つま先のばらつきが減らせるよう意識して練習を重ねていきたい。

4種目め…平均台

1番手…稲垣

全日本インカレと同じ構成で臨み、ふらつきの少ない演技を実施することができた。今後はバク転や前方伸身宙返り下り、横転などの新技に取り組んでいきたい。また、少しでもEスコアを伸ばせるよう、ジャンプの高さや開脚度の改善にも努めていきたい。

2番手…森
上がり技である前方抱え込み宙返りはうまく決めたが、その後の側方倒立回転、座の1回転ターンで落下してしまった。練習中より失敗が続いていた技であったため、演技までに修正できなかった点が課題として見えた。この冬は現在の通しを安定させ、後方系の技に取り組めるよう基本を固めていきたい。

(記:森千紗、稲垣香花)

続いて、新人選手権大会の観戦記をご報告いたします。

女子個人…佐々木眞歩(法政1)、庄司眞菜(理1)

1種目め…平均台

1番手…佐々木

今大会では前回の慶同戦と同じ構成で演技を行った。前試合の出場種目であったため、日々の練習の成果を発揮できた実施が行えた。しかし、腰を曲げたまま脚を開いてしまう癖は修正できず、当日の演技では後ろブリッジや大ジャンプ、シソンヌで腰が曲がってしまい、開脚度も足りない実施が多かった。普段のストレッチから見直し、今後は技の練習とともに、より安定性のある演技を目指して練習していきたい。

2番手…庄司
今大会は、平均台に出場する初めての大会であった。そのため、練習で行っていた続行により、動きの部分には不安定さは見られなかったが、他の部分で終始不安定な演技が続いた。側方倒立回転や手無し前転などのアクロバット系の技は落下してしまい、座の一回転ターンでもふらつきが見られ、技に詰めの甘さが見られた。今後は単発の練習に加え、通しの中で技をかける練習にも注力していきたい。

2種目め…ゆか

1番手…庄司

前回の構成から終末技なしの減点がないよう、1本目にロンダート〜後方屈伸宙返りを実施する演技に変更して行った。アクロバット系の技では、1本目の後方屈伸宙返りの抱え込みの甘さや、2本目の前方抱え込み宙返りの着地、3本目の後方抱え込み宙返りの上半身の起こしなど課題は多く見つかったが、大過失のない実施ができた。しかし、ダンス系の技では2回転ターンが1回転となってしまうなど、練習不足が見られる演技となってしまったため、アクロバット系の技以外も完成度を上げる練習を行い、Dスコア、Eスコアともに高めていきたい。

2番手…佐々木
早慶戦から構成を変えて、1本目を前宙〜ロンダートに変更した。アクロバット系の技では3本目のロンダート〜バク転の脚の開きと着地の姿勢が気になった。また、しゃがみ1回転ターンも脚が曲がったままの実施が見られ、交差ジャンプ〜大ジャンプも、後ろ脚が曲がっていたので、今後はよりターンとジャンプの練習を重点的に取り組んでいく。今回スコアが著しく低かったのは、曲と演技を合わせられなかったことが大きな要因であると考えられるため、Dスコアの向上に加え、曲を合わせた通しの練習をしていきたい

3種目め…跳馬

1番手…佐々木

1本目と2本目、同じく転回を実施した。上から手を着いてしまったことで、第一空中局面での姿勢が高くなってしまい、勢いや高さに欠けた実施になってしまった。今後は入りの姿勢やタイミングを意識して練習し、新しい技にも挑戦していきたい。

2番手…庄司
1本目、2本目ともに転回を実施した。1本目では第一空中局面での下半身の緩みが見られたため、2本目の演技では、下半身をの締めを意識した実施を行った。1本目、2本目ともに第一空中局面での姿勢が綺麗な倒立の形ではなく、腰が折れた形となってしまった。それにより第二空中局面、第三空中局面が雄大性に欠けるものとなってしまったため、冬の練習では新しい技に繋げられるような正しい形の転回を身につけられるようにしたい。

4種目め…段違い平行棒

1番手…庄司

慶同戦の構成から、停滞減点をなくすために空中逆上がりを低棒で行う構成に変更して実施した。今回の課題は、フットカット〜け上がり〜宙返り下りをつなげることであった。結果として停滞はせずに降り技を行うことができたが、上バーでのけ上がりの支持が足りない実施となってしまった。冬の練習では停滞せず綺麗に技を実施できる通しの練習とともに、構成要求を満たせるような技の練習を行っていきたい。

2番手…佐々木
今回は、初めての段違い平行棒の公式戦となった。一番苦手としている種目ということもあり、普段の練習不足が出てしまい、高棒でともえからのけ上がりを繋げることができなかった。また、け上がりの後、フットカットの前での停滞やフットカット後の停滞も減点の対象となるので、今後は本番の演技を意識して、停滞の少ない演技を行えるようにしていきたい。冬は宙返り下りやフットサークルの練習とともに、より本番を意識した練習にしていきたい。

(記:佐々木眞歩、庄司眞菜)

本大会は、佐々木、庄司にとってのデビュー戦であり、全員にとって年内最後に迎える試合であったため、器械女子にとって出場することに大きな意義のある試合であった。また、使用されているルールは変更規則Ⅰであり、来シーズンの初戦である東日本グループ選手権と同じ採点規則が適用されたため、来年の目標を立てるための現状確認としても重要な位置を占める大会であった。

森は、普段練習であまり見られない失敗が続いてしまった試合であった。しかしその一方で、ゆかに新しく取り入れた技、平均台の上がり技は自信につながるような実施が行えた。来年はいよいよ引退の年となるので、この冬を来年の夏に後悔しないよう、日々の課題に一つ一つ真剣に向き合っていきたい。

稲垣は、全種目を通して大過失のない演技を実施することができた。現在の構成は比較的安定しているため、来年の公式戦に向けて挑戦した演技ができるよう、冬の期間で各種目における課題を改善しつつ、新技の練習に励んでいきたい。

佐々木は、本大会が初めて4種目に出場する公式戦となった。公式戦の雰囲気を掴むことができ、普段の練習がどのくらい本番に結果として表れるのかという観点から、より本番を意識した練習の大切さを実感できた。苦手種目というのもあって、段違い平行棒や床に力を入れて練習できていなかったが、今大会で今後へのモチベーションを貰えたので、霜月杯に向けて改善できる箇所は改善していきたい。

庄司は、本大会が最初の公式戦、最初の4種目出場する大会であった。1種目めの平均台では初めての試合という緊張感が見られたが、それ以降の種目では練習通りの演技を実施することができた。しかし、多くの課題が見つけられた試合ともなったため、1週間後の霜月杯に向けて課題を改善する練習を重ね、改善できるものは改善した状態で霜月杯に臨めるようにしたい。

最後になりましたが、チームリーダーを務めていただきました久永将太先生、ありがとうございました。また、今大会にはご多忙の中、三木康弘監督(S62)、塚田治夫会長(S47)、松平定紀先輩(S51)にご観戦いただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。