アンチノミー

 こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、商学部3年の浦口優です。

 先日、東京都心で初雪が降りましたね。関東では珍しく積もるほどの雪でした。私は、子供の頃は無邪気に雪が積もったら嬉しいとばかり考えていましたが、今はそうではないのがなんだか不思議です。交通機関に影響は出るし、ただ歩くにも足を取られて転ばないように慎重にならなければいけない。子供の頃は転ぶことなどに恥ずかしさも抵抗も微塵もなかったのに、今は必死になって転ぶことを避けようとしている。やはり大人になるって不思議ですね。

 さて、我々学生は先日期末テストを終えました。その中で、人類史から見る現代人の特性について学ぶ機会があり、個人的に面白かったので今回はそれについて話していこうかと思います。
前回の上田のリレー日記でも出てきたように、我々人類は適者生存の生き残りであるホモ・サピエンスの末裔です。そのため、ホモ・サピエンスが生き残りをかけて会得してきた特性を現代人である我々も継承していることとなります。それこそその中に、虚構認識などがあるわけですね。
 他には、内臓脂肪による飢餓耐性などがあるようです。美味しいものをたくさん食べたいのに太ってしまう。この煩わしさの背景には生存競争を生き抜いたことがあるわけですね。
 他にも、情報収集への嗜好性というのもあります。これは生き残るために、どこで猛獣が出たとか、どこで食料が採れるとかの情報を集めることに喜びを感じるというものです。これも祖先たちが生き残るためには必要不可欠だったわけですが、なんと現代人のスマホ依存へと繋がっています。日々我々が意味もなくスマホをいじり続けてしまうのにもこういった背景があるようです。なんとも煩わしいですね。
 そしてこれは個人的に一番興味深かったものですが、我々はストレス反応も継承しているようです。我々は緊張した時や不安な時、怒りを感じた時などに脈拍が上昇します。さらにいうと、そういった時は頭が真っ白になったり、意に反した言動をしてしまうことがありますよね。これも、先祖たちが生き残るために会得した機能というわけです。人は興奮したりすると、アドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されます。これにより、脈拍増加による身体機能の向上や痛覚神経機能の低下が引き起こされます。加えて、大量のドーパミンやノルアドレナリンが分泌されることで、脳の神経細胞間回路が切断され、脳機能が低下します。祖先たちは猛獣と相対した時に、猛獣側にも家族がいることなど余計なことを考えださないように愛情などの感情をシャットアウトするように進化したようです。この機能によって、私たちは大事に築いてきた人間関係を一瞬で更地にしてしまうのだから、堪ったものじゃないですよね。競技をしている自分からしても、恐怖と相対した時に、急に慎重に組み立てた仮説などが吹っ飛ぶわけですから、非常に許しがたいところではあります。
 人は何かに適応しようとすると、何か別の物を犠牲にしなければならない。トレードオフの原則が根付いている世の中は非情なものですね。自分がこれまでどんな物を犠牲にしてきたかと考え出すと恐ろしい限りです。

 拙い文章となりましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。