Fibercity

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、理工学部システムデザイン工学科3年の井上万由です。

 

我々大学生は1月末でテストやレポート課題を出し終え、春休みが始まったところです。普段は手が届かない深い学びや新しい分野に挑戦できる絶好の機会と捉え、充実した休み期間としたいと思っております。

 

本日は、この秋学期を通して得た知見を皆様に少し共有できればと思います。私は普段建築や都市、アーバニズムについて学んでいます。都市の時代をとらえていく中で多くの文献を読みましたが、その中で「ファイバーシティ」について論じている本を見つけました。ファイバーシティというのは造語であり、成長の後に続く縮小の時代を都市が乗り切り、それを実り豊かな時代とするための都市計画理論であり同時に具体的な提案を示す都市戦略郡です。形態的には都市の線状要素に注目し、それを操作することで都市の流れと場所を制御しようとする特徴があります。少し抽象的すぎるでしょうか。日本は戦後、急速な経済成長を遂げました。この成長に伴い都市もそれを許容するように拡大を続けてきました。しかしこの成長にも限界があり、環境的制約・人口減少等の様々な要因により経済の成長も止まり、都市の拡大も縮小に転じる必要が出てきます。拡大してしまった都市のすべての機能をそのままに維持することは難しい。この時に線的介入(Linear Intervention=Fiber)が真価を発揮するのです。下の図を見てください。左図の矩形と右図のヒトデ型は同じ面積です。しかし周長はヒトデ型の方が数倍広く、変化を享受できる場所も数倍広くなります。

 

これは体操部にも同じことが言えるのではないでしょうか。数年前まで「拡大」を続けてきた体操部でしたが、AO入試の難化に伴い部員数が減少しているのが現状です。これにより様々な活動において割くことのできる労力は以前より少なくなってしまうのは致し方ありませんが、ただ縮小させるのではなく、広い視野をもって綿々とつないでいくことができることに気づかされました。

他にも最近にはタクティカル・アーバニズムという流れもあります。これについても縮小の時代において多くのヒントがちりばめられており、体操部という組織を動かすうえで学ぶことがたくさんありました。長くなってきてしまったので、こちらについてはまたいずれ紹介できればと思います。

 

拙い文章ではありますが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。