Importance of Metacognition

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、環境情報学部2年の上田乃維です。

三寒四温の季節となり、朝夕と冷え込んだり、昼間は厚着で汗をかいてしまったりするような日々が続いておりますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。またこの時期は花粉が多く飛ぶ時期でもあり、日々苦しめられております。生活習慣を整え、免疫力を高めていきたいと思います。

さて、本日のリレー日記のテーマは、「メタ認知(Metacognition)」の重要性についてです。
皆様は「メタ認知」や「メタ思考」といった言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
メタ(meta)とは、英語の接頭辞で「超越した~」や「高次の~」という意味があります。つまりメタ認知とは、一つ上の次元から物事の状態を認知するという意味となります。個人的には、「客観視」や「俯瞰的視点」といった言葉が意味合いの近いものだと捉えています。簡単にまとめると、主観的な視点から少し離れ、物事に対し俯瞰的な視点を持つというイメージです。

「メタ認知」とは心理学用語であり、教育学や脳科学の分野で活用されていましたが、近年ではビジネス分野でも注目され、人材育成や組織形成の場にも度々登場する言葉になっているように思います。また、現在はメタ認知に関するさまざまな研究が行われており、幼児期における学習の動機づけや個人の価値創造への応用に着目した論文も執筆されています。

少し話の規模は変わりますが、私は人類の共通課題の一つに、他者の理解という永遠のテーマがあると思います。人類史は自己の正義と他者の正義が噛み合わず、戦争や差別といった悲惨な歴史を繰り返し現代に至りますが、その現代でもなお、戦争や紛争、人種差別や性的思考への差別などが横行していることを考えると、他者の理解には遠く及ばないように感じます。まして近年は、多様性を重んじ、多種多様な他者を受け入れるべきであるという風潮があるということを考えると、他者の理解という課題は解決に向かうべき重要な課題であると言えるでしょう。少しスケールが大きくなってしまいましたが、とても身近な体操部の現状を振り返っても、他者の理解に苦戦しているように感じることがしばしばあります。

私がメタ認知は重要な考え方であると感じる理由は、メタ的な視点を持つということが他者の理解という課題の解決策になりうると考えるからです。自己の正義と他者の正義がぶつかり合っている時に他者の正義を受け入れるということは、自己の正義を否定するのと同義であるように感じます。自己の正義の否定ができず、暴力や武力、立場の違いによる力の大小に判断を委ね、勝者を正義とするのが解決の方法になっているという事例はよく見られます。他者を理解する、多様性を受け入れるというのは、ある種の自己否定につながる部分があると思います。

しかし、ここで重要となってくるのが、メタ的な視点を持つこと、「メタ認知」です。この視点では自己の正義と他者の正義は存在せず、ただ2つの異なる正義が存在します。この2つの正義の差分を理解し、取捨選択していくということが結果的に他者の理解となり、お互いの最善策を選択できるようになるのではないかと思います。他者の考え、意見、気持ちを受け入れるということは、主観的な視点からはなかなか難しく、容易にできるものではありません。メタ的な視点を持ち、自己と他者ではなく2人あるいはそれ以上の人間の間にさまざまな選択肢が広がっているというだけで、そこからそれぞれにとっての最適解を選択していくというのが、結果的に他者を受け入れるということにつながるのだと思います。

突然ですが、皆様は何のために生きていますか?そんなことを考えたことはありますでしょうか。何かを成し遂げることに時間を使う人やいろんな経験を求めて時間を使う人、誰かのために力を使う人、なかには、何のために生きているのか分からない人や生きるのをやめたいと考えている人だっているかもしれません。私は最近、自分が何のために生きているのかをふと考えてしまう時があります。(辛くなったり病んでしまったりしているわけではないので、どうかご心配なさらないでください。ただ考えているだけです。笑)

無知で未熟な私なりに考え出した結論は、優しくなっていくために生きているのかな、というものです。毎日を生きるなかでさまざまな人に出会い、多種多様な意見を交換し、いろんな人の価値観に触れて、自分の手のひらに収まる範囲でそれらを受け入れていくというのが人間としての成長であり、優しくなるということのように思います。人それぞれのペースがあり、人それぞれの基準があり、人それぞれの背景があり、それらが複雑に絡み合って一人の人間を構成しているとすると、すれ違いが起きないことの方が異常に感じます。そのすれ違いで自分の信じている価値観を押し通すのではなく、メタ的な視点を持って状況を認知、判断し、他者の考えを受け入れるという経験を積み重ねて、優しさのカタチを知り、日々優しくなっていきたいと思います。

考えのまとまりきっていない、伝わりきらない文章となってしまったかと思いますが、ご精読いただきありがとうございました。今後もさまざまな人の価値観に触れながら、日々成長していきたいと思いますので、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。