ヴルスト

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、理工学部1年の黒沢星海です。

今にも雪がチラつきそうな寒空の下、多くの大学生は試験に向けて励んでいることと思います。私も様々な科目に取り組んでいる最中ですが、第2外国語は今学期の試験をもって学習を終えてしまいます。何となく響きがかっこいいなという他愛もない理由から、私はドイツ語を選択しました。ですが、お別れを告げてしまう前に、少しばかり愛着が湧いたドイツ語に考えを巡らせてみようと思います。

ドイツ語学習の中で、次のようなユニークな表現に出会いました。「Es geht um die Wurst.」「Das ist mir Wurst.」この2つの文に共通して用いられている「Wurst」はソーセージを意味する単語です。直訳するとそれぞれ、「ソーセージが問題だ。」「それは僕にとってソーセージだ。」という意味になります。何かソーセージに深い意味がありそうな直訳文ですが、この2つの文章でソーセージの意味は真反対になっています。前者は「重要だ。」という表現に用いられる一方、後者は「そんなことどうでもいい。」という表現になるというのです。ドイツの名産品が、国の誇りとして重要視されることもあれば、ありふれたものとして軽視されることもあることがこの2つの表現から伺えます。ソーセージがそれだけ国民の生活に密着した食べ物であり、言語がその文化を吸収しながら成長していると感じました。

日本の文化において、ソーセージは何に該当するでしょうか。お寿司を思い浮かべましたが、少し贅沢品のイメージが強い気もします。お漬物はどうでもいいように見えて、意外と重要なこともあり、似た表現が出来そうです。いずれにせよこの話は、皆様にとってはヴルストなものなのかもしれません。私にとっては少しヴルストな言語のお話でした。

拙い文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。