獣心を成して

こんにちは。本日のリレー日記を担当させていただきます、理工学部1年の黒沢星海です。

秋風吹きわたり、時折涼しさを感じる気候となりました。日吉の銀杏並木からも秋の便りが降り注いでおり、来る美しい季節に、木々たちも心躍らせているように感じます。私も体調管理には十分気を付けながら、季節の移り変わりを存分に楽しんでまいりたいと思います。

さて、先月慶同戦が行われ、無事に夏の試合シーズンを終えました。様々な試合を通じて、各大学の熱い志がせめぎ合うさまを目の当たりにし、技術や精神について多くの収穫がありました。その中でも特に、勝敗に対する意識が大きく芽生えたと感じています。試合は試し合いと書きますが、実際のところは競い合いとでも言うべき熾烈なものです。否が応でも勝者と敗者が生まれる、弱肉強食の世界。体操競技は直接誰かと拳を交えたり、隣同士と速さを競ったりはしませんが、確かに“敵”は存在します。私はこの“敵”について、二種類いると考えています。一つはもちろん、他の選手。直接交わることはありませんが、得点を媒介して相手との距離が一目で正確に分かります。私たちはその距離を分析し、最適なアプローチを続けていくことで勝利を目指す必要があります。そしてもう一つは、自分自身。事あるごとに現れては挑戦状を叩きつけてくるものの、姿は見えない厄介な奴です。私たちはこれらの異なる敵に対して、常に、同時に戦い続けなくてはなりません。私は今まで、自分自身との戦いに集中しすぎることが多くありました。自分の体操に籠ってしまい、あたかも自分の実力を試す発表会であるかのように試合をすることもありました。しかしそれでは、到底どちらの敵にも勝つことは出来ません。この夏、改めて勝敗の意味を理解したように感じます。二種類の敵に対して正面から向き合い、等しく全力で戦うことで、“勝てる選手”を目指していきたいと思います。獣のようなハングリーかつアグレッシブな心持で戦っていく所存ですので、これからもご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

拙い文章となってしまいましたが、以上で本日のリレー日記とさせていただきます。ご精読ありがとうございました。