身体を動かすセンスとその言語化について

明けましておめでとうございます。本日のリレー日記を担当させていただきます、環境情報学部2年の上田乃維です。今年も何卒よろしくお願いいたします。

年末年始はとても冷え込み、厳しい寒さが続いておりますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。体調を崩しやすい季節となっておりますので、体調管理には十二分に気を使っていきたいところです。

本日のリレー日記のテーマは、身体を動かすセンスとその言語化についてです。トランポリンは空中での身体のコントロール力が演技のカギとなる競技ですが、選手によって感覚で技をかけている人や、効果音で技のかけ方を表現する人、論理的に技のかけ方を把握している人など様々な選手がいます。このように選手によって技のかけ方が異なるトランポリン競技ですが、技を教える立場になった時、どんな選手であろうが、伝えるには自分の技のかけ方を言語化する必要があります。この点が、トランポリン競技をしていてかなり難しく感じる点です。私は、上に挙げた様々な選手のうち、技のかけ方を効果音で理解しているような選手であると自負しており、技によって多種多様なリズムや感覚が存在しています。自分の演技の動画を見たり、他の選手の演技の動画を見たりした時に感じるリズムを効果音で表現し、それに沿って技をかけることで、自分の技のかけ方を確立するというのが私の練習の進め方の一つです。

しかし、この練習の進め方は、自分の感覚、センスに頼りきっているため、それが少しでも崩れた瞬間に自分の技のかけ方がわからなくなってしまうというリスクがあります。また、この感覚を人に伝える際に、言語化するということがとても難しいというのもこの練習の進め方の欠点の一つです。最近トランポリンの方では、ありがたいことに初心者の人が増えており、人に技を教えるという経験をさせていただけるようになりましたが、なかなか思っているように伝えられず、技に苦戦させてしまっているように感じます。

技を言語化するということは、その技がどのようにかかっているのかという根本の部分を理解し、表現しなければなりません。しかし、普段の練習から感覚だけで技をかけてしまっていると、いざ相手に伝えようとしても、技の原理を伝えることはできません。そこで、他人の技の練習に目を向けたいと思います。そこでは、他人の技のかけ方について自分が思ったことを伝えていると、その時に喋っている内容が自分の頭の中で少しずつ整理されて、その技の原理の理解に近づくことがあります。これは、人の技を見るときは自分の感覚に頼らずに技のかかり方を観察しようとするからだと思います。このことから、技の原理を理解し、習得するには他人の演技を見たり、教えたりすることを通して違う角度から、第三者目線から技を研究するというのも、とても大切なものであるというように考えられます。初心者が増え、教える立場に立たせていただける環境だからこそできる練習だと思います。このチャンスをしっかりと自分のものにして、競技力のさらなる向上を目指していきたいです。

以上で、本日のリレー日記とさせていただきます。2023年が、皆様にとって、そして慶應義塾体育会器械体操部にとってより良い年となることを願っております。改めまして2023年も、何卒よろしくお願いいたします。